【2017年7月の雑感①】
▲ジキタリスの花。花の由来や花言葉は以下のURLをクリックの上、ご参照ください。花言葉は『熱愛』『熱い胸の思い』が良いですね。
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嫌な気分と良い気分
■今日は七夕の日。2年前の7月6日に直腸がんの手術のために入院しました。手術は7月9日でした。あれからもう2年が経過しました。退院する時に家内から「2年は頑張って生きてください」と言われました。その約束は果たせそうです。当時、そういわれるほど弱っていたし、術後の医師の話は明るい見通しではありませんでした。
●頑張ってリハビリしていましたが1年半後に肺への転移が明らかになり、現在抗がん剤治療を続けているのが現状です。最初の1年半は自分でもよく頑張ったと思うのですがそれでも転移しました。がっかりしましたが、気を取り直して食事、睡眠、運動、穏やかな日々を念頭に過ごしています。ですが抗がん剤の副作用の影響で「嫌な気分の日々」と「良い気分の日々」を繰り返しています。
●嫌な気分の反対は好い気分が正しく、良い気分の反対は悪い気分と書くのが正しいのでしょうが、私の感覚ではタイトルどおり「嫌な気分と良い気分」のほうがぴったしときます。(ぴったりではなくぴったしです‐笑)
●10回目の抗がん剤投入は6月27日(火)で終了の抜針が29日(木)です。そこから7月3日(月)までは「嫌な気分の日々」が続きます。今回はしびれがひどく、「味覚障害」が嫌な気分の主な原因でした。とにかく飲料は暖かい白湯以外は受け付けません。
●食事はほとんどまずくて食べられないのです。朝は食パンがダメでバナナのみ。昼はかろうじてカレーヌードル、もしくはカレーうどんが入りました。夜は鮭茶漬けに漬物、日曜日の夜には巻きずしハーフを食べることができました。
●全身がだるくて動く気が起こりません。頑張って近くを散歩するのが精一杯です。歩くのもゆっくりゆっくりでした。私の気分は晴れません。嫌な気分で憂鬱でした。ようやく4日火曜日になって少しましになってきました。ところがその日にとんでもない事態に遭遇することになりました。
■朝から雨、トマトジュースをあたためて飲むとこれが美味しくて気分は少し回復しました。パンも食べられるようになりました。これで嫌な気分から脱出かと思いきや、午前9時半ごろ私の住む団地の棟の前に消防車と救急車がけたたましいサイレンを鳴らして到着しました。
●すわっ火事か、と表に飛び出したら10数人の消防団員が私の住む棟の隣の階段の1階の家のベランダの窓から突入しようとしているじゃないですか。たしかそこは一人暮らしの老人K氏が住んでおられる住まいだが。すると1人の女性が「役員の鶴崎さんはおられませんか」と私の方に駆けてこられました。(今年は10年に1回廻ってくる棟の階段役員でした)
●「私ですが」というとその方は1階のKさんが、ここ数日新聞がたまっておりチャイムに反応されないので民生委員に連絡して消防署に連絡してもらいましたとのこと。自分は仕事に行かねばならないので後はお願いしたいという申し出でした。当該の階段にも役員はおられるのですが早朝より仕事に行かれたのか留守ですと。
●K氏とは30数年来面識もありましたので「わかりました」とお答えして対応に駆けつけました。消防や警察の対応を見ているだけでしたが、どうやらK氏は高齢の一人暮らしでしたが、すでにお亡くなりになっていることが分かりました。死後4日ほど経過しているとのことです。(89歳か90歳)
●ご家族は2人の娘さんがおられるのですが別居、上の方は福岡在住、下の方は神戸ですが民生委員の方によると連絡が付かないとのこと。福岡の方にようやく連絡が付き、ご主人が向かわれるとのこと。時間がかるだろうなと案じていました。早く神戸の方に連絡が付ければと念じていました。
●そのうち警察の検視官の到着が遅れているので外で手持無沙汰にしていると、現場にいた女性警察官が私に、「Kさんと面識がありますか?」と尋ねてきました。その前に民生委員に尋ねていましたが会ったことが無いとおっしゃっていました。私は「はい知っていますよ」と答えると「死体を確認してもらえませんか?」と言うではないですか、咄嗟に「はいっ」と言っていました。
●室内に案内されてK氏と思われる人物の悲惨な姿態を目の当たりにして、ちょっと驚きました。死後数日たっているせいか、元気なころの面影はありません。横になりうつ伏せ気味なうえ顔が死斑で黒ずんでいてよく見えません。反対側に回り込みましたが、形からご本人だと思いますが、顔がよく見えないので断定できませんとお答えしました。
●後ほど検視官が来てデジカメで撮影するのでもう一度それで確認してほしいとのことでした。あとで拝見したのですが目を閉じておられるし、黒ずんでいて確信はもてませんでしたが、おそらく間違いないでしょうとお答えしておきました。(ご親族が到着すれば確定できると思ったので)
●家内に声を掛けましたが「私は嫌です」と写真を見ようともしません。検視官の方もそうでしょうねとあっさり引きさがりました。後で考えると冷静に観る私がおかしいのかと思いましたが…。死体は葬式で何度も観ているのでという気がありました。
●しかし時間がたつにつれて私がK氏の最後を観ることになるとは、なぜなんだろう?と考えるようになりました。老人の孤独死はマスコミで知っていましたが、その現場に立ち会うとは、姿を見て「切ない気持ち」になったのは事実です。「無残だ」とも思いました。私に対する警告か、身の回りの終活を急がなくてはとも思いました。
●反省は御遺体に向かって「合掌」することを忘れたことです。ご本人かどうかの確認に気を取られていました。そのことが私を『嫌な気分に』させています。未熟者!と自分で自分を叱りつけています。Kさんやすらかにお眠りください。合掌。
■5日の水曜日になると体調は少し良くなってきました。食事も美味しさを味わって食べられます。昼はわっぱ寿司、夜は家内の手料理、朝もパン、バナナ、コーヒー、ヨーグルトと食することができ気分は良くなりました。
●昼間、おやつへの意欲も増して、お菓子をむさぼるように食べました。すると木曜日の朝には治療中の歯の歯茎が腫れて歯痛になりました。3月ごろから続ける虫歯の治療がまだ終わっていません。2週間に1回の治療しかできないので時間がかかります。
●ようやく型が取れるところまで来ていたのに、少し遅れそうです。これも自業自得です。甘いものを食べ過ぎです。「止めろ」の警告と受け止めています。ですが痛くて頓服を飲んでいます。せっかく良い気分になりかけたのに嫌な気分再発です。
●残る金(今日)、土、日、月の4日間は体調的には良くなって気分は良く過ごせるはずです。一昨日、昨日はレンタルBDで映画を観ました。日本映画「怒り」と外国映画「ジャック・リーチャー ネバーゴーバック」です。昨年の日本アカデミー賞受賞の「怒り」ですが、私には合いません。日本映画は今の私にはフィットしないのでしょう。
●今年に入って「星籠の海」「後妻業」「シン・ゴジラ」そして「怒り」と観ましたが全部アウトです。前2作は本も読みましたがそちらの方は面白くて満足しましたが映画は合いませんね。作品の評価は世間では高いので私の観る目がないのでしょう。全ての作品は観てから嫌な気分になりました。
●「ジャック・リーチャー…」には満足です。トム・クルーズの老いた顔には気になりましたが、作品はどんぴしゃり。前作の「アウトロー」も面白かった記憶がありますが、今作も期待にたがいません。良い気分です。注文を付けるとすれば女子高校生役の女優が可愛くないことです。(笑)
●BSプレミアムで「深読み読書会:シャーロックホームズ バスカヴィル家の犬」という番組を観ました。有栖川有栖、綾辻行人、島田雅彦氏ら5人のゲストが本作を読んでそれぞれに私見を紹介するというたいへん興味深いものでした。
●早速「シャーロック・ホームズ大全」という本を引っ張り出し作品が所収されているのを確認しました。未読です。またまた寄り道本が出てきました。同時にアマゾンでDVDを注文しました。送料無料にするため、CD「島津亜矢 永遠の歌謡曲を歌う」も注文しました。
●即届きましたが、以前に予約注文していたアメリカTVドラマ「コバートアフェアファイナル」のDVDセットも届きました。まだBD「パーソンオブインタレスト」を観終わっていないのに大変です。しばらくはレンタルを休まないと消化できませんね。
ですがもう3作品も借りてしまいました。欲望を制御できないバカですね。
●今本文を書きながら島津亜矢のCDを聴いていますが素晴らしい!彼女と同時代に生きていることに感謝。オリジナル曲も良いが名曲のカバーでも本領発揮ですからね。本当に良い気分になっています。この状態が続きますように。<完>
- 登録日時
- 2017/07/07(金) 15:20