【今月の見た店】
読書の秋に提案する本屋さん
● アマゾンでビジネス書を中心に購入するようになってからめったに街の大型書店に行かなくなりました。その理由は探すのが面倒だからです。アマゾンだと古本も一緒に掲示してくれます。CDやDVDも同じ買い方になりました。
● 小説だけは家の近くの本屋に出かけて立ち読みしてから購入します。文庫本だと新刊は小さな本屋でも揃っているからです。
● そんな私が最近ある方と待ち合わせをするのに神戸市内の本屋さんの近くにしました。そこで遭遇したのが写真のような提案コーナーです。「提案」というテーマに関心を持ってお店を拝見している私にはおいしい出会いでした。
● 近所の本屋さんでも一番下の写真のような提案はありましたが、稀なケースです。それに比べるとこの提案は大掛かりです。テーマは「文庫本が大漁(大量)に入荷しましたよ」ということのようです。
● みなと神戸の本屋さんだから「大漁まつり」としたのでしょうか?読書の秋を迎え、大漁に面白い文庫本が入荷していますと訴求し、買上点数を増やそうというのがねらいでしょうね。2冊買えばおまけにボールペン進呈とあります。
● 中味を見ていくと、「映画、ドラマになった本」の特集、「売れ筋ランキング」、「旧作のホラーサスペンス本のピックアップ」などが展開されています。大漁まつりを3つの具体的な切り口で構成されているのはいいですね。
● 2冊買えばボールペン進呈は「購入決定の促進」ですが、読んでみようという「必要性を喚起」するのは、3つの切り口のようなことを考えて本を集めその価値を訴求することです。
● この3つの切り口のようなレベルのアイデアが売上の決め手でしょう。例えばサスペンスは「ホラー」「医療」「復讐」にするとか、推理小説なら「どんでん返し」「本格」「社会派」、売れ筋ランキングは、時代小説ベスト3、歴史小説ベスト3、人情物語ベスト3、恋愛小説ベスト3などに小分けするとより選びやすく買い気が高まるのではないでしょうか?
● POPは結構付いていました。なかなか良いコメントです。多すぎないようにするのが要注意です。文庫本の解説に書いていないようなコピーが必要でしょう。「どういう方におススメ」というのがいいんじゃないでしょうか?
● ちなみにこの本屋さんでは他にも「秋の京都」という旅行ガイド本コーナーを特集で大きく提案しておられました。コミックはレジの横に今月の新刊本というのを集めておられました。大型書店ではありませんがなかなか創意工夫が伝わってくるお店です。
● 売れ難い時代に「創意工夫で提案する」お店とただ置いてあるだけ、並べてあるだけのお店ではおのずと売上の差は生まれてくると思います。<完>
- 登録日時
- 2010/11/16(火) 10:55