【今月のビジネスクイズ③】
ドラッカー教授の教え<2>
■ 前回の解答は、Q1が②です。
ドラッカー教授の名言中の名言です。著書「現代の経営(上)」に書かれています。その一節は「企業とは何かを理解するには、企業の目的から考えなければならない。企業は社会の機関であり、目的は社会にある。したがって、企業の目的として有効な定義は1つしかない。顧客の創造である。」
ドラッカー教授は、成果は企業の外にある、内部はコストであると言っています。お客様の役に立つ価値を提供してその支持を受けてこそ、企業は利益を得られ成長・発展につながるということではないでしょうか。
Q2は①です。
ドラッカー教授は、「マーケティングとイノベーションこそ顧客の創造に不可欠な機能」だと述べている。著書「創造する経営者」
マーケティングとは顧客というものをよく知って理解し、製品ないしサービスが「顧客」に「ぴったりと合って」ひとりでに「売れてしまう」ようにすることと定義している。
イノベーションとは、単なる技術革新ではない。人的や物的、あるいは社会的資源に対して、「新しい、より大きな富を生む能力を与える仕事と定義した。
以上は中野明著「ドラッカーのマネジメント思考」から抜粋。
小売・サービス業ではマーケティングの目的は販売活動を不要とすることですから、売り込まなくてもお客様が価値あると認め、自らの意思で来店し買ってくれる状況を創ることですね。その要素は立地、規模、営業時間、アソートメント、価格、売場づくり、情報発信、接客応対、アフターフォローなどです。それらの要素をお客様の反応や声を汲み取りながら魅力ある提供価値を創り上げることでしょう。
イノベーションは、お客様がいままで知らなかった商品や提供方法で価値あるものを創ることですね。
Q3は①です。
著書「マネジメントエッセンシャル版」には次のように述べられています。「組織構造は目的を達成するための手段である。組織構造に取り組むには、目的と戦略から入らねばならない。これこそ組織構造についての最も実りある洞察である。これは当然と思われるかもしれない。そのとおりである。しかし現実には、組織づくりの最悪の間違いは、いわゆる理想モデルや万能モデルをそのまま生きた組織に当てはめるところから生じる。」
企業の目的は「顧客の創造」ですね。その目的を実現する手段として「戦略」が必要です。その戦略を効果的かつ効率的に実行するには「組織機構」「人事」という手段が必要になり、具体的な戦術的行動が必要になります。要は目的と手段の連鎖のレベルによる位置づけの重要度を表現する言葉でしょう。
しかし、現実には組織機構とその組織の人事が決り、それからその組織の中核の人たちによって戦略や戦術が考えられる会社が多々あります。「戦略は組織に従う」という実態もあるのです。
■ いかがだったでしょうか?ちょっと難しいではないかという声をいただきました。池上彰さんを目指して頑張ります。(笑)
引き続き今回もドラッカー教授の教えからクイズを創ってみました。お考え下さい。
● Q1:次の4つの文章から、ドラッガー教授が言うマネジメントの役割でないものを1つ選んで下さい。
①自らの組織に特有の使命を果す。
②仕事を通じて働く人たちを生かす。
③自らが社会に与える影響を処理すると共に、社会の問題について貢献する。
④企業(事業)の存続に必要な利益を蓄積する。
● Q2:ドラッカー教授が著書「経営者の条件」で述べている経営者に必要な「5つの習慣」とは何か、次の中から5つ選んでください。
①汝の時間を知れ。(自分が何に多くの時間を取られているかを知ること)
②どのような貢献ができるか。(自分以外の外部のために役立つこと)
③組織の成員と頻繁にコミュニケーションをとる。(働く人々の気持ちを重視する)
④強みを生かせ。(自分ができる事を生かして仕事を行うこと)
⑤最も重要なことから始める。(物事に優先順位をつけて成果に集中する)
⑥現場を動き廻る。(現場にこそ企業のイノベーションのヒントがある)
⑦成果をあげるための意思決定を行なう。(成果に焦点をあてた意思決定を行うこと)
次回は年内最終として27日(月)に掲載予定です。
- 登録日時
- 2010/12/17(金) 10:49