【今月のビジネスクイズ①】
仕事に活かす数字が絡んだ法則
■ まず前回の問題と解答です。
● Q:以下の6つの言葉を発言者である該当する教授と結びつけて下さい。
①「組織の中で働く多くの人々を束ね、統率していくこと」
②「組織と社員が効果的かつ効率的に行動するよう事業を指揮すること」
③「リーダーとして効果的にふるまえる習慣をもつこと」
④「コミュニケーションの重要性を認識しており、それに基づいて行動すること」
⑤「変化を生み出し、またこれを管理すること」
⑥「外部に向かっての代表者であること」
A:レビット教授 B:ドラッカー教授 C:伊丹教授
● A:レビット教授 ②と⑤ ドラッカー教授 ③と④ 伊丹教授 ①と⑥
いずれも経営者としての役割(機能)を言っています。言葉は違えども①と②は同じレベルのことを表現しています。②の「効果的かつ効率的」にということの方がより具体的です。
③と④は①と②という目的を実践するための手段と位置づけると理解がしやすいでしょう。③の方が上位概念で、効果的にふるまう習慣のひとつとして④を位置づけると他に何があるのかを考えることができます。
⑤と⑥は少し違う役割(機能)を指摘しています。
● レビット教授はリーダーシップについて「人は高い地位を与えられてもリーダーシップを与えられるわけではない。リーダーにその力が生まれるのは、成果を出すために、当てにしなければならない人々から【権威】が与えられるからである。」
●「権威が与えられるためには、リーダーのビジョン、目的、信念といったものが、物事の現実であるつらくて困難なことの中からしっかりと地に足をつけて出てきたものだという証拠が必要になる。」
● 「メンバーの合意によってしか統治しない人物や、一般的な結論は述べるが、自分なりの信念が欠けている人物は、誰をも鼓舞したりやる気を起こさせたりできないのである。」
●「同意させるのがリーダーであって、意見の一致を求めるのはリーダーではない」と言っています。
● 変化を生み出し、これを管理することとは、リーダーには【イノベーション】を起こす役割がありと言っています。そのために、リーダーは「現状に満足してはいけない。実際、競争者は満足しないであろうし、それが全ての人々に影響を与えるのである」
●「だかえらこそ『うまくいっているかい』と言うよりも、『何か新しいことはあるかね』と訊くほうが重要なのである。うまくいっているかいということは過去に関わるが、何か新しいことはあるかねと言う言葉は将来に関することなのである。」
●「過去に対して為し得ることはないが、将来やこれから起こりえることに対しては何かが出来るのである。」
●「凝り固まった慣習を打破し、何ものも当然としないで、現状満足に浸らないようにするためには、『なぜ違うのか』『他に何があるのか』『他にどうすれば良いか』『他に誰か居ないか』そして、今一度、『なぜ違うのか』と問い続けなければならない。これは、経営者の最も重要な任務の一部である」とも述べています。
● これに対してドラッカー教授は、「人はリーダーには生まれない、生まれついてのリーダーなど存在せず、リーダーとして『効果的に振舞える習慣を持つ人間』が、結果としてリーダーに育つのだ」と言っています。
● また「自分が先頭に立って事に当たり、人々を引っ張っていく姿勢など、まったくもって必要ない。」と言い切っています。
● そのうえで有能なリーダーに共通する習慣の1つ目とは、「自分がやりたいことから始めることではない。『何をする必要があるか』を問うことである。」
●「2つめの習慣は、『何をなすべきかを考え抜いた』後に、その中からどれが『自分の仕事なのか』を問うことです。言葉を換えれば、なすべきことのうち、『何が自分に適しているのか』あるいは『何が自分に適していないのか』をつきつめる作業を行うこと。」
●「この習慣を持つ人は、とりもなおさず『自分が何を得意としているか』を的確に把握しており、同時に自分は『何が不得手なのか』についても熟知しています。」
●「そして3つめの習慣として、『不得手なことは、決して自ら手がけない』ことを徹底しているのです。」
●「組織を効率的に運営できるリーダーの共通する要素として、『部下とのコミュニケーションを取ることを自らの責任と捉えていること』が挙げられます。自らの任務を遂行するために、誰からの、どんな情報がいつ必要なのかを把握し、また、他人に任せた業務に関し、どの情報が、誰に、いつ必要かを掌握している。」と述べています。
● 2人の意見は微妙に違います。どちらに賛成なのかは問題ではなく、違いを知りつつ自分の考えを確立していくうえのでヒントにすべきでしょう。
● 伊丹教授はリーダーシップの定義について「人についていこうと思わせ、そして彼らをまとめる属人的影響力」と言っておられます。そしてリーダーの条件として「信頼感があること」を挙げられています。
● その要件として2つ。ひとつは「人格的魅力(カリスマ性)」、その意味は人間としての温かさ、発想の革新性と適切さ、二つ目は「ぶれない決断」と言われます。ぶれない決断とは、①そもそも決断をしてくれる。②その決断自体に筋が通っていて、わかりやすく正しい可能性が高い。③状況の変化と共に決断を安易に変えない。ということだそうです。
● 先の2人と明らかに違うところは「外部に向かっての責任者であること」について言及しておられることです。「リーダーという言葉が、組織の内向きの求心力の中心という言葉だったのに比較すると、代表者という役割は、企業を取り巻く市場や社会に対しての外向きの役割である。」
● それには2つの役割があると。「①組織として外部への働きかけで先頭に立つ役割 ②外部からの波に対して組織の内を守る防波堤の役割である。」そしてこのことは、「何かあれば責任をとる」という重大な役割を伴っているということです。
■ では今回のクイズに行きましょう。今回は久保憂希也氏の著書「数字力の教科書」大和書房から「仕事に活かす数字が絡んだ法則」についての出題です。
● Q:以下の数字と該当する法則を結んでください。
①80:20 A:メラビアンの法則
②50 B:ハインリッヒの法則
③7:38:55 C:パレートの法則
④26.1:41.7:73.9 D:組織バス1台の法則
⑤1:29:300 E:ランチェスターの法則
- 登録日時
- 2011/03/02(水) 11:15