アベレージゴルファーとしての練習から気づいたこと
■ゴルフを始めて20年近くになりますが、この2年近くはコースに出ていませんでした。今年は久しぶりに6月にコースに出る機会がありました。そこで2月から練習に取り組みはじめました。朝の運動を兼ねて早朝練習に平均週2回ほど通いました。その結果久しぶりにもかかわらずスコア103で廻ることができました。しかしアマチュアでも100を切らないゴルフは決して褒められたものではありません。
ですが、そのプロセスで気がついたことや、仕事との関連性で考えたことで役に立つこともあるのではないかと思い拙文をしたためました。
■練習場には午前7時過ぎに家を出て15分くらい歩いて行きます。少し高台にありますので行きは上り坂です。最後に50段近い階段があるので上りきると息が弾んでいます。着いたらまず約5分間の準備体操を行います。体をほぐしてから練習に取り掛かります。そして考えながらゴルフの練習をします。同時に仕事との関連性で何か学べないかと考えたりするのです。
■最近私は仕事では「強みを活かせ」という提唱を行っています。理由は、私たちは自分の強みでしか事は成せないからです。しかしゴルフの練習を再開するようになって、これはある程度の経験を積んでそれなりに仕事をこなせる方に言えることだなと思うようになりました。初心者は仕事をしていく上で基本となる「読み、書き、計算、話す、聴く、パソコンの使いこなし、時間管理、PDC」などは弱点とならないように練習する必要があります。
■またゴルフというスポーツは「ミスを減らすことが重要」という性格をもっています。しかもチームプレイではなく個人プレイです。一人で訪問販売を行うセールスマンに似ています。チームプレイのように誰かが弱みをカバーしてくれるような仕事の仕方でない場合は、最低限の弱みの改善が必要です。
■このように仕事に対する「経験度」や「その仕事の特性」に応じて「強みを活かせ」というアドバイスの内容を変えないと、机上の空論になってしまう可能性があります。「強みを活かす」というのは、あのドラッカー教授をはじめとして多くの識者が提唱されています。私もその影響を受け、自分の経験と照らしてもそのとおりだと信じてアドバイスしていました。
■弱みに目を向けるより強みを認識して、それをさらに伸ばすことで弱みも克服できるのだという論法は、一面正しいのですがいつでも誰にでも通用するとは言えないのではと反省しています。
■ゴルフにもどりますが、強みにしても弱みにしても、具体的に自分について知ってから対策を打つことが必要だということです。私のゴルフの腕前はおそらく現状ではハンデキャップ36だと思います。10年くらい前には87を出し、90台のスコアでラウンドできることもありましたが、2年前は110を切るのがやっとの状態でした。パットがまずまずであること以外に強みといえるものはありません。
■とにかくショットをある程度まっすぐに打てるようにしないと周りの方に迷惑をかけることになります。ティーショット、ミドルアイアン、それに170ヤード以上飛ばせる7Wが打てるようになることが急務と考えました。ショートアイアンはフルスイングならまずまずでした。
■久しぶりに練習場に行ったとき、3ヶ月ぐらいで何とか恥ずかしくないラウンドができるようにするという目標を立てました。練習回数は30回ぐらい。1回で打つ球は60から80球、約2,000球です。練習するクラブはドライバー、7ウッド、7(5)アイアン、PWの4本です。ドライバーの練習に35%、7Wに25%、7I(5I)に30%、PWに10%としました。
■それ以外に素振りを各10回、これで練習時間は40分。往復の時間と体操などで35分、合計75分です。これだと7時過ぎに自宅を出て8時半には机に向かうことが出来ます。お客様のところにお伺いしないで自宅で作業をする日に限定しました。時間管理をきちんとすることを制約条件にしました。
■ショットの練習を中心にしました。まず球を打つ前に「アドレス」をきちんとするために、構えに入る前の動作をいつも同じようにしました。左足のつま先はアプローチの時以外は開かないようにします。「グリップ」は1球ごとに確認です。左手はしっかり握ります。親指は右手のひらの生命線に沿わせます。こうすると両手がスクウェアになります。
■グリップで私の苦手は、右手の親指と人差し指をピストルの引き金を引くように握れなかったことです。これが出来ないと右手が利き手ですから力が入ります。いまだに1球ごとに意識します。この2つを前提に、3つのことを意識して練習しました。その3つとは私の経験と学習からつかんだ重要なポイントです。
■一つは「クラブを短く握ることです」杉原プロがテレビ番組でおっしゃっていたことのひとつだったと思います。練習場では目一杯握ることもありますが、ラウンドでは絶対2から3㎝短く握ります。練習場では主に素振りの時は長く握って、体が動きやすいようにと心がけています。野球と同じで球を芯でとらえる確率が高い条件のひとつだと思います。これは実際にコースでは100%実行することができました。
■二つは「力まないように準備と意識をすることです」このことは短く握るより難しいことです。力まないというのは重要なのですが、どのようにすれば力まないかが具体的ではないからです。私が学んだ力まない方法は、グリップをする時に、左右の親指と人差し指以外の6本はしっかり握るが、この4本はゆるくすることです。特に右手の親指と人差し指はチカラを抜くようにします。
■これは4本の指が腕の上部の筋肉につながっており、6本の指は腕の下部につながっています。一度試していただければわかりますが、腕の上部の筋肉が硬くなると腕は棒のようになります。下部に力が入っていても上の筋肉が柔らかいと腕はしなります。クラブも腕もしなるからヘッドが走ります。
■もうひとつはアドレスの時に確認が済めば、息を吐いて肩及び全身の力を抜きます。私の場合、右の膝だけスエーしないように内側に少し力を入れます。
それからできるだけゆっくりバックスイングに入ります。
これはコースでは70%ぐらいしか実行できませんでした。それはその後の練習で確認することができました。やはり本番では力んでいたようです。
■三つめは「ヘッドアップしないことです」このことは初心者がコースで自分の打った球の行方が気になるために犯す過ちの一つです。私も何度この過ちを繰り返したかわかりません。練習場では必須の項目です。
■しかし、ヘッドアップするなと言われてもなかなかできませんでした。ところがコーチングの本を読んでいて気づきました。「打つ瞬間まで球を見る」と具体的な方法を考えればヘッドアップしにくくなります。これに気づいてから意識して打っています。少しずつですがスイングの後のフィニッシュの形が決まるようになりました。これはコースでは90%ぐらい出来たと思います。
■アプローチとパターの練習は少なめでした。パターには大きな欠点はないのでなんとかこなせましたがアプローチの距離感には戸惑いました。自信のないことは上手くできないものです。
また斜面からのアプローチは練習していなかったので殆どミスをいたしました。これは練習場では練習できないことなんですね。
■スタート直前に上手な方からティーショットの時の重心はややつま先にした方が良いとの助言をいただいたのは役に立ちました。ついつい力を入れるので、重心が後ろだとあおってしまって所謂「明治の大砲」になりやすいとのことでした。今後四つ目の注意点として意識しなければならないでしょう。
しかし4つは多いので、短く持つは卒業したいと思います。
<完>
- 登録日時
- 2008/07/17(木) 11:22