【4月のビジネスクイズ②】
格言に学ぶシリーズ1:『自分の周りの人を育てる』
■ まずは前回のクイズの解答と解説です。
新しく始めた「2つの言葉の違い」シリーズの第1回目です。日頃、よく目にしたり何気なく使っているが、その意味を正しく理解していない言葉というものがあります。これは小林剛先生の「組織の重要語」「人は鯨であってマグロではない」という三五館発行などを読んでいて啓発されたものです。
● 第1回目は「マナーとエチケット」です。
次のことは、マナーでしょうかエチケットでしょうか?どちらかに分類してください。
①食事の時に音を立てない。
②電車やエレベーターでは降りる人が先。
③電車内では携帯電話で話をしない。
④くしゃみをする時は口を手で覆う。
⑤車で移動する時に、一番重要なお客様は運転席の後ろに座っていただく。
⑥人に会うときは口臭に注意して予防をする。
⑦右折しようとしている対向車にパッシングして先を譲る。
⑧お客様や上司と食事をする時、自分は下座に座る。
⑨ビジネスメールにはアスキーアートや顔文字を使わない。
⑩お酒を飲めない新入社員に無理強いをしない。
⑪タバコを禁煙場所では吸わない。
⑫子どもが居る場所ではタバコを吸わない。
● 正解は
マナー=②、③、⑤、⑦、⑧、⑩、⑪
エチケット=①、④、⑥、⑨、⑫
● いかがだったでしょう?言葉の意味を勉強するようなやり方だと具体例で判断する時に迷ってしまいます。そこで、その意味とねらい(目的)を確認、次に手段:方法、実例、注意点などのように構造的に学ぶことで理解が深まります。また他に人に説明するときにもわかりやすくできるでしょう。
● ではそれぞれの言葉の意味を調べてみましょう。まず「マナー」ですが、集団や社会全体の枠組みの中でその一員として守るべきルールとあります。1人1人が守ることで、物事が滞りなく進むために気をつけなければならないことだとも言えます。そしてこれは英語だそうです。
●「エチケット」とは、礼儀作法や行儀のこととあります。周囲の人々に不愉快な思いをさせないために気をつけなければいけないことです。フランス語だそうです。(英語とフランス語だとは私は知りませんでした。)
● マナーは社会のいろんな場面でのルールですね。エチケットは各人の心遣いです。ですからマナー違反と言う言葉はありますが、エチケット違反とは言いませんね。日本語では「躾」という言葉で表現されることではないでしょうか?
大人としては両方をわきまえた言動が必要です。
● 私などはこの歳になっても間違えること、気づいていないことがあります。歳をとるほどに無知を棚に上げてのわがままにならぬよう気をつけたいと思います。
● 私が啓発された小林剛先生の著書からコメントを抜粋、要約しておきます。参考にして下さい。私には共感することが多い内容です。
●マナー=それぞれの場で問答無用、理屈抜きで求められる行動様式。作法と言われる。
エチケット=それぞれの場である程度の力、レベルに達した人に求められる精神的心構え、心得とそれにともなう行動様式。礼儀と言われる。
● 小林先生の解説は明快です。マナーは「なぜ?」「どうして?」と反問され
たとしても説得不能なものであり、一方的な仕込みである。「なぜこんなことを
する必要があるのか」という問いを封じてしまい、押し付けるのがマナーで
あるとおっしゃっています。
● だから「小さい子にそんなことを言っても無理よ、大きくなったらわかるか
ら」と甘やかして育ててはいけない。マナーとは論理的に説得できないもので
あり、人と人、集団の中で理屈を超えた原則なのである。何もわからない幼児
の時に問答無用に教え込むことだ。
● 対してエチケットはマナーに比べて「なぜ?」という問いに答えやすい。
必然性があるからである。そしてある程度のレベルの人に求められものである
とおっしゃいます。
● 要は大人として生きていくうえで守らなければならないこと、できなければ
ならないことだと言えます。2つの言葉の使い方に違いがあるのならそれぞれ
具体的な場面で、やってみせることができて、そのうえで間違いがあれば指摘
ができ助言ができる方が良い大人でしょう。そうありたいものです。
■ それでは今回のクイズです。「格言に学ぶ」シリーズの1回目です。わが国
では菅総理のリーダーシップが問われています。リーダーにとって最も重要な
課題といわれる「自分の周りの人を育てる」ということに関する識者の格言で
す。それぞれ誰の言葉か推測して下から該当するものを選んで下さい。
①「支配者の知性を推し量る第一の方法は、その取り巻き連中を観察する
ことだ。」
②「リーダーが一段と大きく成長するのは、周りの人たちが力になってくれ
て、自分ひとりで奮闘するよりも、立派な仕事ができるようにしてくれる、
という事実に気がついたときだ」
③「もし1年の計を立てるなら、米を育てるべし、20年の計なら木を、そし
て100年の計なら人を育てるべし」
④「凄腕のリーダーは、部下の自尊心を膨らませるよう懸命に努力するものだ。」
A:中国の格言 B:アンドリュー・カーネギー
C:サム・ウォルトン D:ニッコロ・マキャベリ
- 登録日時
- 2011/04/28(木) 10:58