▲ ポピー
【5月の提案】
課題を発見し、実践に集中する<前半>
■ 先月は企画を考える時には①何のために ②誰に⇔何を ③いかにして
と考えることが重要だと提案いたしました。ではそれを実践で成果につなげるにはどのように行なえば良いのでしょうか?
● 今月はそんな疑問に答えたいと思います。①何のためにとはねらいだと申し上げました。ねらいとは目的、目標とも言えます。一般的には数値目標と定性目標に置き換えられます。
● 数値目標は売上高や、客数、客単価などに利益高などです。定性目標は見込み客を集めるとか購入客に再来店していただくというようなことです。通信業界では、端末を使いこなしていただき使用料を増やすとか、PC業界では関連商品やソフトウェアを購入していただくようにお客様に成長してもらうなどがあります。
● 目的や目標は売り手の都合による理想の姿です。(あるべき姿とも言います)設定はできますが結果は担保されません。上記の②③を効果的に行なわなければ目的、目標は達成できないですね。
● それではといきなり②と③を考えても効果的なものになるかどうかはまた難しいことなのです。そこで必要なのは「現状を把握する」ことです。現状とは今現在と近い過去です。そこで起こったこと、得られた成果、不具合を実態として把握します。
● たとえばAという商品を拡売したいというねらいがあったとき、それはどのような状態をめざすのかを明らかにしなければなりません。一般的には数値目標である場合が多いですね。
● 仮に会社の方針(命令)もあって、ある商品を「月に100台販売したい」と設定したとしましょう。そうするとまず現状の実績を把握します。その結果、直近では月に30台売れているとします。こういう場合、目標の100台とは大きな差があります。しかもなぜ100台なのかという根拠が曖昧な場合が多いですね。
●「100台売らなければならないから100台だ」なんてことが多々あります。根拠が曖昧ですから、掛け声だけでは達成の可能性は殆どありえません。しかし目標は会社の方針(命令)だからやらざるをえません。
● さきほどの例では特別な手を打っていなくても30台の実績があります。100台の目標との差は70台です。この場合70台の増加が差異目標になります。
● そこで70台の差異目標をいかに埋めるかが「仕事の大課題」になります。目標は100台ですが、それを現状との差で捉えるのが大課題です。しかし大課題をそのままにしていては達成への手立てが見えません。
● 大課題は期待する結果を示すもので、行動を定めるものではありません。仕事は具体的な行動目標にならないと良い結果にはつながらないのです。
● そこでさらなる現状の実態把握を行ないます。直近の30台の実績の中身を調べる事です。そのポイントはまず「どのような人がどのような理由(動機)で購入されたのか」をできるかぎり掴むことです。
● 次に、どのような販売手段をとったのかを要素別に確認することです。要素別とは「売る前、売る時、売った後」の集客活動、販売活動、購入客へのフォロー活動などです。
● 集客活動にはそれを細分化したものがあります。チラシ投入、イベント開催などがあげられます。販売活動も同じです。店舗販売では、売場づくり、POPや販売ツール、接客体制と応対技術などがその主な要素です。店の全ての購入客にその商品の販売告知をしたかどうかなどです。
● 日頃から重要な販売商品が2~3ヶ月先行で決っていればあらかじめ意識的にデータを集めることができます。そういう会社は稀で、殆どが後追いになります。ですから販売員が思い出すしかありません。
● このときの注意点は「事実」と販売員の「意見」を区分けすることです。最初は難しいかもしれませんが、慣れてくればできます。お客様がおっしゃったのか、そう感じたのか、あるいは販売員の解釈なのかを分けられるようになると次の一手を考えるための良いデータになるでしょう。
● 次回はなぜ現状実態の把握が重要かという理由とその後の小課題の設定の必要性について書きます。<続く>
- 登録日時
- 2011/05/22(日) 11:08