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【5月のビジネスクイズ②】
2つの違いシリーズその2:『リーダーとマネージャー』
■ まずは前回のクイズの解答と解説です。
「売上高の公式」その2でした。問題は以下のとおりです。
■ 3月に出題した売上高の公式その1の続きです。前回は5つの公式を出題いたしました。今回は残りの5つです。上級編と言ってもよいでしょう。それぞれの空白の部分を埋めてください。興味のある方はネットなどで調べてチャレンジしてみてください。
● ① 売上高=商圏内総需要額×( )
② 売上高=必要粗利高÷( )
③ 必要売上高=総経費+目標利益÷( )
④ 売上高=( )÷売上人件費率
⑤ 売上高=使用総資本×使用総資本純利益率÷( )
● 正解は以下のとおりです。
①自店占有率
②粗利益率
③限界利益率
④必要総人件費
⑤売上高純利益率
● ①はランチェスターの法則で言われるところの自店シェアを確認するものです。正しくは「お客様の支持率」を把握するものだと考えて下さい。シェアごとの自店のポジショニングは関係の専門書で確認して下さい。但しこの商圏内総需要額というのは大まかにしかつかめません。大手コンサル会社の船井総研では毎年「商品別1人当り需要額」という小冊子を出版され販売されています。これを参考に商圏人口を掛ければ総需要額は算出できます。
● ②これは簡単な公式ではないかと思われるでしょうが、必要粗利高を労働生産性と従業員数に分解する事で意味を持たせることができます。粗利高を売上から売上原価を差し引いた商品売買の儲け額と捉える以外に、粗利高は一人当りの儲けの総和だと考えればまた違った課題が発見できます。
● ③は損益分岐点売上高の公式の応用です。商売に携わるものには必須の公式です。損も得もしない(収支トントン)売上高はいくらかというのは規模に関係なく事業の必須知識ですね。そのうえで「目標利益」を獲得するのに必要な売上高はいくらかを算出する方法も知っておかねばなりません。
尚、小売業では変動費の大部分が売上原価とみなし、経費はすべて固定費とみなし、限界利益率のところを粗利益率にして計算する簡便法が使われることがあります。
● ④この公式も分子の必要総人件費を平均人件費×従業員数に置き換え、分母の売上人件費率を労働分配率(粗利高に占める人件費の割合)×粗利益率に置き換えることで見えてくるものが違ってきます。損益計算書からわかる公式を経営の実務の判断に生かせるように理解を深めることも必要です。
● ⑤は経営分析の初歩として理解しておかなければならない公式です。総資本とは事業経営をするうえでかかるすべての資本の合計のことです。貸借対照表の右側に記されています。総資本=流動負債+固定負債+自己資本で資金の調達の状況が表わされています。
ちなみに左側の資産の部は資本の活用状態を表わしています。
例えば使用総資本を1億として使用総資本純利益率10%の場合×0.1ですから1,000万円となります。売上純利益率が2.5%の場合分母は0.025となります。従って1,000万円を0.025で割ると売上高は4億円となります。
投資したお金で目標の利益を稼ぐにはどれくらいの売上高が必要なのかを把握するのに必要です。そして、どのようなビジネス構造が必要なのかを考えるのに有効でしょう。
● 売上高という最もよく目にする数字から事業戦略を考えるうえで必要な数字は何かというのは、今回ご紹介したような多様な視点での知識が有効になるでしょう。
■ では今回の問題に行ってみましょう。2つの言葉の違いシリーズその2です。
それは『リーダーとマネージャーの違い』についての諸説、一般常識に関する問いです。
● リーダーとマネージャーの違いについて述べられた見解のうち、最も的確な表現をしているのはどれでしょうか?1つ選んでください。
①リーダーとは小集団組織の長のことである。マネージャーはいくつかの小集団を束ねる組織の長のことで、一般的にはリーダーより職位は上位に置かれる事が多い。
②リーダーとは組織の目的や進むべき方向を決め、そこにメンバーを引っ張っていく存在である。一方マネージャーはリーダーが決めた目的や進むべき方向に従い、メンバーをマネジメントして目標達成を積み重ねながらリードしていく存在である。
③自らの王国を築く夢と情熱、そして未知への強い意志を持ち、既存の環境からの逆風を克服する勇気と力を備えるのがリーダー。一方、既存の路線を着実に進むこと以上のことは求めない安全第一主義型がマネージャーである。
④マネージャーは部下1人ひとりの強みを発見し、それを有効に活用することに関心が強い。リーダーは組織の強みを見出し、未来に向かって明確な指針を打ち出すことに関心が強い。
⑤リーダー(エグゼクティブ)は株主から信託された経営者または管理人であり、1、取得権 2、処分権、3、清算権を持つ人のことである。
そのリーダーから委託された領域を維持、管理する責任はあるが、取得権以下の3つの権限を持たないのがマネージャー。
- 登録日時
- 2011/05/23(月) 11:23