▲ネモフィラ
【6月の提案①】
課題を発見し、実践に集中する<後半>
■ なぜ現状実態の把握が重要かというと、これからの「見込み客像の想定」や「いかにして」という手段を考えるのに役立つからです。
● これを飛ばしますと多くの場合、過去の経験や思い込みから思いつく「手段・対策」を考え出すのが私たちの習慣だからです。それでうまくいけば良いのですが、往々にして状況の変化に対応できないことがあります。
● 状況の変化に対応できないというのは、的外れな手段・対策を考え出す危険性をはらんでいるということです。
● また現状把握は過去のことだから未来に目を向けて仮説を立てることの方が重要だという意見もあります。それも一理ありますが、私たちは多くの場合、仮説を過去の経験から導き出すことが多いのです。
● それなら「現状実態を把握してから仮説を考える」というプロセスを踏む方がより的確な手段を導き出すことができます。特に「いかにして」という手段を考える前の、「見込み客のかたまり」を想定する場合にはより必要です。
● 医者が検査・診断しないで処方箋を出すことはありません。必ず患者の現状実態を把握してから処方箋(対策)という手段を出されます。われわれの仕事もこれと同じように考えることで、的確な手段を導き出す確率が高くなります。
● 現状実態の把握を行うことで、当該商品を販売する対象の見込み客像を想定することを行ないます。それが先ほどの大課題を細かく分類した小課題の1となります。この課題が設定できるとその後の手段を考えることはわりと容易になります。
● 他にもお客さまに対してどのようなアプローチをしたときに反応が良かったかを、成功事例を導き出しながら(現状実態を把握することです)見込み客となりそうなお客様像を明らかにすることができます。
● 数字以外にお客様像と販売成功例の実態を把握したならば、「手段(③のいかにして)」を考え出すようにします。そのポイントは先に書きましたように、まず『売る前にいかに見込み客を集客するのか』ということから始めます。
● 小課題の1で見込み客像の想定ができれば、その対象に有効なメッセージを創ることです。たとえば「チラシ」や「DM」や「携帯メール」などの手段の内容が重要なポイントになります。
● この内容でいかに見込み客を惹きつけるか、これが集客ノウハウです。「低価格訴求」「割引訴求」などが一般的ですが、その手段にも限界があります。したがって、価値訴求や特典、支払い方法などまでミックスしなければなりません。とりわけ価値訴求の仕方が重要になります。
● この場合、想定した見込み客とメッセージがマッチしていないと効果が乏しくなります。販売したい商品(何を)が決っていると、「誰に、いかにして」が重要です。その場合「誰に」と「いかにして」を一緒に考えるのがコツです。
● これが小課題の2です。
● 次に『売る時』をどのように設計するかですね。今までと同じなら変化は起こりません。当該商品の売場の位置を一等地へ、展示面積を最低2倍にすべきでしょう。それだけでは不十分で多箇所で展開するとさらに効果が高まります。
● 商品に付帯する情報、ツールの整備、ストーリーのある展示演出、実演体制づくりなどが必要になります。ストーリーのある展示演出とは、必要性に気づかせ、品揃えされたものの比較による選択の手助け、購入を決断しやすい仕掛けを揃えることです。
● 単機種の場合、比較は不要ですから、機能・性能から得られる使用メリットやお客様の満足された状態の訴求、操作性の容易さ、デザイン、色、価格と支払い方法、特典、購入の注意点、購入者や使用体験者の声などを訴求します。
● これが小課題の3です。
● 次に人間というのは「視覚、聴覚、触覚」に刺激を受けてこころを動かせます。購買行動も同じです。購買時には一般的に「好奇心、依存心、打算心」が働くので、この心の働きに対して3つの感覚でもって刺激しましょう。
● 接客応対の極意はここにあります。見せて、聴かせて、触らせることで好奇心を刺激し、依存心にプライドを考えて対応する、そして打算心をもあからさまにしないで満たすのが販売員の役割です。
● これが小課題の4です。
● 最後に『売った後のお客様』には、おススメしたい商品を購入されてない方に徹底訴求をします。
そこで見込み客を発見できることができます。この一声かけることを疎んじてはいけません。不要だと拒否される方も多いでしょうが、そんなことはあたりまえと思って告知することです。拒否をおそれてはいけません。
● 次におススメ商品を購入された方へのアフターメールを地道に行うことが、口コミを誘発することにつながります。しかもアフターは購入後1週間、3週間、5週間の3回は必要でしょう。1回きりでは効果が少ないのです。
● これで5つ目の小課題です。この5つの小課題に集中すれば実行は効果を生む可能性が高くなります。
ある商品のキャンペーンを行なう場合、①見込み客の想定をする。
②見込み客になりうる対象顧客像に対応した集客メッセージの発信 ③購入の場の設計の見直し(拡大、強化)④人間の3覚に訴える接客応対(ソフトウェア) ⑤購入客へのアプローチの5つの小課題を目標に具体策を考え出します。
● この5つの課題をこなすプロセスに従業員を巻き込むことが実践を効果的かつ皆が打ち込んでやれる条件です。このプロセスを省略して上位下達でやると思ったほど成果につながらないことが多々あります。
● 但しシステムで動いているような組織の仕事ではこの限りではありません。ここで想定しているのは従業員の言葉や行動が業績を左右する業種、業態です。主に営業や販売の仕事にならあてはまるでしょう。<完>
- 登録日時
- 2011/06/06(月) 11:08