「きほん」とは何か?を考える。
■当社から「きほんからわかるシリーズ」というビジネス書が刊行されはじめました。その第1弾は「モチベーション」理論です。第2弾は「ビジネスコーチング」、第3弾は「メンタリング」技術が予定されています。
■このシリーズのポイントは「きほんからわかる」ということです。ではその基本とはどういうことでしょうか?それはどのように理解するとよいのでしょうか?ちょっと考えてみました。
■基本と同じような意味の言葉に「基礎」というのがあります。この基礎とは建築用語であり、建物を建てる場合の土台となるものです。これがしっかりしていない建物は崩壊の危険にさらされます。
■基礎=基本と解釈するなら、それぞれの分野のものごとを学び、それを使って問題解決を行うとか、何かを創り上げるときの「よりどころとなる土台となるもの」だと定義づけることができるでしょう。
■例えば今回の「モチベーション」理論で基本となるのは、11の先人の知恵である理論を学ぶことでしょう。そしてその理論を駆使して、現実の仕事の場においての問題解決を行うことです。
■同書の事例研究はそのお手本となるサンプルです。我流でこなすのでは効果性と効率性が劣る場合があります。何事も基本となる理論をふまえた実践をすることが、良い手が打てる上達への早道だということを学べます。
■しかし、基本と一口に言ってもその範囲と内容はそれぞれの分野で整理され
本当に実践の結果を検証されたもので理論化されていかなければならないでしょう。基本というものは古典化されたものではなく時代と共に進化していくものでなければならいでしょう。
■小学生のころは、基本とは「読み・書き・そろばん」ということで国語と算数が重要な科目でした。先般朝日新聞の記事で「学士の質、どう保証」というのが掲載されていました。大学全入時代を迎え、中央教育審議会は「学士力」、経済産業省は「社会人基礎力」という新たな言葉をつくり、大卒の学士が身につけるべき、知識や能力の指針づくりをはじめるという内容のものでした。
■理由は大学全入時代を迎え、企業を中心に学士の質保証を求める声が強まっ
ているということだそうです。大学側からは大学の独自性を損なうというような反発もあるそうで、これから検討が進んでいくようです。
■注目したのは、社会人基礎能力として3要素(前に踏み出す力、考え抜く力、
チームで働く力)があり、それぞれに3から6の合計12の要素が抽出されていることです。学士力のほうは4分野(知識・理解、汎用的技能、態度・志向性、総合的な学習経験と創造的思考力)13項目です。
■おそらくこれらの能力は社会人としての必要な能力の基本と位置づけられているのではないかと思います。しかし12の要素と13項目で似ているものはあるものの殆ど違うことが記述されています。このあたりに基本というものを具体的にしていくという課題があると思われます。
■学士力であろうと社会人基礎力であろうとビジネス社会に限定して、そこでの基礎(基本)能力の体系化とそれぞれの要素(項目)の基本とは何かを整理しなければならないでしょう。当社の「きほんからわかるシリーズ」はその一助になると思います。
<完>
- 登録日時
- 2008/07/17(木) 11:33