▲現在も愛読しているコミックたち
【6月のビジネスクイズ②】
格言に学ぶシリーズ2:能楽者-世阿弥の言葉と現代コミック
■ まずは前回のクイズの解答と解説です。
問題は携帯電話ショップの店長さん向けのクイズで、課題解決シリーズの4回目でした。問題は次のとおりです。
● 自店の商品展示ゾーンに若い女性のお客様がいらっしゃって、ある商品を手にとって見ておられました。そこに販売スタッフがさりげなく「何かお手伝いいたしましょうか?」と声をかけていました。
● このようなスタッフの行動を見てあなたはどのように思いますか?以下の思いのうちあなたの考えに近いのはどれでしょうか?1つ選んでください。
● ①□:お客様への声かけはマニュアルでも決めている基本行動なので、それが確実にしかもさりげなくできていて良いと思う。
②□:「そのケータイとてもよく似合っていますよ」といったセールストークでアプローチした方が良いと思う。
③□:「実際に動くものがありますから試してごらんになりませんか?」と行動を促すようなアプローチをした方が良いと思う。
④□:「お買換えを検討されているんですか?」と具体的な意向をお尋ねするアプローチをした方が良いと思う。
● ①は対象が比較的経験の浅いスタッフになら良いでしょう。まずは行動の量
を追求すべきですね。内容の前に多くのお客様に声をかけるという行動を評価
しましょう。量でくじけないことが大切です。但しアプローチの結果を覚えて
おく(できれば記録する)ように助言すべきです。
● 成果=行動の量×質という公式があります。同じ仕組みのもとでは経験の量
が成果をあげ、上達への近道です。この場合スムーズにアプローチができるよ
うになるまで、より多くのお客様にアプローチすべきですね。
● 量を追求した後、質の充実が求められます。ここでは接客におけるアプロー
チ段階の「お客様の状態別アプローチ方法」を身に付ける必要があります。こ
こで言う状態別というのは来店意図の明確度です。
● 具体的な用件がはっきりしている方には素早く対応すべきですね。しかしこ
のケースのようにお客様の行動は見えますが、意図や気持ちはわかりません。
そのうえお客様は商品を手にはとっておられるので関心は高いのでしょうが、
吟味されている様子ですね。
その場合は来店意図を尋ね、気持ちを推し量る必要があります。
● 設問の②のようなアプローチは、お客様の購入を前提にした売込みのアプロ
ーチですね。意向や心境を確認しないで推量で売ろうという意欲にあふれて
います。これでも商談が展開することもありますが、まだ買い気が高まってい
ない場合は、逃げてしまわれる場合があります。
● 設問③も内容は違いますが、いきなり「売り込まれる」のではという警戒を
させるようなアプローチになっています。「似合っていますよ」というような評
価的な言葉より、「・・・試してごらんになりませんか?」と疑問形で問いかけ、
行動の選択をお客様にゆだねているのはまだ良いのですが、行動を強制されて
いると感じる方もおられるかもしれません。
● では設問④はいかがでしょう?他とどこが違うでしょうか?
内容は「来店意図」を尋ねています。「何かご用件をたまわりましょうか?」と
いう紋切り型ではありません。まだ思案をしている段階のお客様に推量ですが
来店意図の具体例をあげて、返事をしやすくした質問です。これが一般的には
最も良いアプローチでしょう。
● 私ならこの種の質問アプローチのトーク開発を課題としてあげます。全販売
スタッフに、具体的な用件をおっしゃって来店されるお客様以外には、来店意
図の把握につながるような質問を考え、実行し、その反応を探るように指示し
ます。
● その結果を踏まえてみんなで研究する仕事の仕方を行なうのです。それを特
定多数(共通するお客様の状態別の塊)別に最適なものは何かまで深めます。
みんなが参画する、そして調べる、考える、発見するという「る動詞」のマネ
ジメントにぜひチャレンジしてみてください。
■ では今回のクイズです。「格言に学ぶシリーズのその2」です。
● 下記の言葉は今から約600年前、室町時代の能楽の大成者である世阿弥が口
伝として残した『花鏡』や『風姿花伝』(「花伝書」とも言う)の中に出てくる
ものです。
有名な言葉なのでご存知の方も多いと思います。
● 今回はちょっとひねりまして、私がいまだに愛読しているコミックの主題や
状態を最もあらわしているものに近いものとを繋げてください。
● 手前勝手な問題で恐縮です。コミックをお読みでない方には何のことかわか
りにくいと思います。その場合は「エイッや」で決めておいてください。
● 世阿弥の言葉は
①『初心忘るべからず』
②『秘すれば花』
③『守・破・離』
コミックは
A:ゴルゴ13 (さいとうたかを著)
B:JIN-仁- (村上もとか著)
C:新・ナニワ金融道 (青木雄二プロダクション)
D:バガボンド (井上雄彦著)
- 登録日時
- 2011/06/25(土) 11:21