【今月のトピックス③】
未来の『日本人横綱』をめざせ!
● 25日(木)何の気なしにテレビをつけるとNHK教育テレビで、全国中学生相撲大会を中継していました。子どもの相撲かと思いましたが、顔は子どもでも100キロ以上の体格の選手が殆どでした。
● 団体戦の4回戦から見始めたのですが、なかなか迫力ある取り組みで思わず見入ってしまいました。勝負は1チーム3人で2勝した方が勝ちです。仕切り直しがないのでポンポン取り組みが進んでいきます。
● 勝負は数秒で決着し、1分を越えるような熱戦はありません。たちまち準々決勝、準決勝、決勝へと進んでいきます。優勝は高知県の明徳義塾中学でした。相撲取りのようなあんこ型体格の監督がうれし泣きされていたのが印象的でした。
● 団体戦が終わると引き続き個人戦が行なわれました。ここで私が注目したのは地元兵庫から1人残った報徳学園中学の佐藤貴信くんです。佐藤君はあんこ型でもなく細身の筋肉型でもない、ほどよい力士体型でした。
● 流石に全国から選ばれた選手達は殆ど100キロ以上の偉丈夫たちです。白熱した相撲が展開されました。ですがやはり勝負は数秒で決着します。殆どがっぷり四つにはなりません。突き押しからはたき込み、寄りきり(寄り倒し)、それに投げ技です。
● 惜しいのは緊張からか上体に力が入りすぎて、前に落ちる選手がけっこういたことです。引き技も目立ちました。そんななか佐藤君の相撲は前に出て相手を圧倒する気風の良い相撲です。順調に勝ち進み、準決勝、決勝は強敵でした。ですが見事に前に出る相撲で勝ち抜き優勝しました。
● 天晴れ!佐藤君です。
● 優勝後のインタビューではさすがに感極まっていました。それは相撲を教えて、支援してくれたお父さんへの感謝の気持ちからでした。これはいい子だなと思っていましたら、最後に将来の夢はと尋ねられ、『日本人横綱をめざします』と言ってくれるじゃないですか。
● 相撲ファンのおじさんの私は、思わず「おっ」と声を出し、顔がほころびました。こういう子がいたのかという嬉しさです。現状の相撲界は外国人力士に席捲されていますから将来に対する希望がありませんでした。
● そうかこんな中学生もいるではないか、佐藤君に負けた選手の中にも有望なのは沢山いたな、彼らの中からも同じ志を持った子がいるかもしれない。そう思うと、偶然みたこのテレビ中継がなにやら希望の灯りとなりました。10年後がとても愉しみです。
● ちなみにこの大会の優勝者からは現在幕内力士の高見盛、雅山、琴奨菊、栃皇山がいるそうです。佐藤君にはぜひこれらの先輩に続き角界を背負って立つ力士になってもらいたいですね。そして、ぜひ『日本人横綱』の夢を叶えて欲しいと思いました。
● 最後にひとこと苦言を、相撲のあとの礼儀であるお辞儀にバラツキがあったことです。きちんとお辞儀をする選手と、悔しいのか横柄に見える頭の動きで終わる選手が結構いたことです。
● これは指導者の問題でもあると思います。相撲や柔道は礼にはじまり礼に終わります。柔道の方がまだきちんと礼をします。相撲は横綱白鵬もいい加減です。豊真将ほどていねいでなくともきちんと頭を下げるべきです。
● 佐藤君はきちんと礼もできていました。将来、横綱になる資格ありです。これからも精進して強くて、礼節をわきまえた『日本人横綱』になって欲しいですね。
● 尚、この結果はテレビ、新聞にもネットのニュースにも出ていませんでした。
ご存じない方も沢山おられると思います。少しでも大相撲に興味のある方は、兵庫県出身の「佐藤貴信くん」を覚えておいてください。<完>
- 登録日時
- 2011/08/27(土) 16:48