▲松に雪<冬来たらば春遠からじ>
【今月の提案②】
スマートフォンに踏み込めない理由ランキングの活用
● 今月の提案で「売上高ランキングの売場での効用は?」という文を書きました。どうもお店の方々がランキング表示の目的(ねらい)や効果的な手段(方法)について深く考えないで、新聞、雑誌、テレビなどのランキングを表面的に真似されて導入されているように思えたからです。
● ところがネットで検索していると、昨年11月のデータです(最近ようやく時間の余裕ができて、古いノートを見返していて発見しました)が、そのまま使っても役に立ちそうなランキング表示を見つけました。
● それは「スマートフォンに踏み込めない理由ランキング」‐goo という記事です。ご覧いただくその前に、なぜこれが売り手にとって役に立つ情報なのかを述べておきましょう。
● スマートフォンは飛ぶ鳥を落とす勢いで売れているそうです。ショップの方にお聞きすると月の販売数の50%以上60%近くがスマートフォンだそうです。ですが、別のところで普及率を拝見すると、15%に満たないようです。
● イノベーター理論ではイノベーター(2.5%)+アーリーアダプター(13.5%)に到達しようかというところです。次のアーリーマジョリティ(34.0%)に突入するにはキャズム理論の「キャズム」=容易には超えがたい溝があると言われています。
● おそらくこの春商戦ではこの溝を超えていくのでしょうが、今までと同じ考えではこの踏み込めない理由が溝になるでしょう。これらのお客様の懸念を突破する答えを準備しておく必要があります。
● そうでないと思わぬ苦戦を強いられるのではないでしょうか。またお客様は買わない理由をわざわざ店には教えてくれません。店側が想像力を働かせなければならないのです。ではランキングをご覧ください。
● 第1位:月額利用料が高そう 100%
第2位:本体価格が高そう 74.6%
第3位:電池の持ちが悪そう 44.7%
第4位:片手での操作が難しそう 22.9%
第5位:文字入力が難しそう 22.7%
第6位:本体サイズが大きい 22.5%
第7位:落としそう(ストラップホルダーがない) 17.8%
第8位:重そう 16.7%
第9位:携帯電話とスマートフォンの違いがわからない 6.1%
第10位:カラーの選択肢が少ない 3.0%
このランキングはいつ、誰に対して、どれくらいの量を収集した結果なのかは記載されていません。(以下のページにアクセスすればまだ見ることができます。)
www.excite.co.jp/News/net_clm/20111101/Goorank_23298.html
● このランキングの信憑性については保証できませんが、お客様への対応策を考えるうえでのヒントになると思います。繰り返しになりますが、店頭ではお客様の買わない理由はつかみにくいものです。躊躇される理由は接客のなかで意識していれば把握することは可能ですが難しい。
● このランキング情報を活用するねらいは、お客様の購入に対する懸念を解消し、満足する買い物をしていただくことです。お客様はこれらの項目全てに懸念を持っておられるわけではなく、意識されていないことも多々あります。
● 人は知らないことを知れば、「へぇ~そうか」と理解されます。それが気になるか否かは人それぞれです。ですがそこまで気配りしてくれる店に対する信頼は高まるものです。
● 私はこれをドコモショップならチラシやホームページ、Myインフォメールなどで取り上げて、その解消案を提案することで、必要性を喚起することができると思います。
● 店頭でも商品展示ゾーンや待合スペースで「Q&A」方式とか、当店からの提案という形式でお客様の懸念を解消する情報発信ができます。またこういう情報をPOPで掲出しておくことで、接客の話題づくりにもなります。
● 私なら、項目をベスト5くらいに絞って解決策を詳しく、丁寧に、わかりやすく提案するようにします。特に下位にあります第9位の「携帯電話とスマートフォンの違いがわからない」は、ウェイトは低そうですが必ずその答えをわかりやすく訴求します。
● それはきっと多くの方々が疑問に思っておられるだろうと経験から推測するからです。お店の方がどの項目を選ぶかは、日頃の接客でお客様のご質問に注意を払っていればわかるものです。
● このようなランキング情報はこれからも入手することが可能です。ですが頭から全てを信じ込まないで、自店にとっては何が有効だろうかと考え、取捨選択されると良いでしょう。選択が難しければとりあえずそのままやってみて、お客様の反応を見ながら修正することです。
● お客様にとって役に立ちそうなことはまずやってみる。そしてその結果を検証しながら修正をしていく。その積み重ねが良い店づくりにつながって行きます。<完>
- 登録日時
- 2012/02/21(火) 15:52