【今月のトピックス⑤】
認知的不協和を体験しました
● 認知的不協和とは、矛盾する2つの認知をした場合に生じる不協和と呼ばれるストレス状態を、自分の認知を変化させることで逓減させ、納得しようとする心理過程を指す。
● アメリカの心理学者、レオン・フェスティンガーによって提唱された。
● 認知不協和は、購買プロセスにおける購入後の評価段階で、「自分が良いと思って購入した商品よりも優れた商品があるかもしれない」というような心理的なストレスを抱えてしまった場合などに生じることがある。
● 認知的不協和が生じてしまった場合、不協和を逓減させるために、自分の決断の正当性を確立する情報を集めようとする。(以上、IMC‐マーケティングWikiより転載)
● 今回わたしが体験した認知的不協和は演奏会のチケット購入でした。私の住む兵庫県には、西宮市に兵庫県立芸術文化センターがあります。あの佐渡裕氏が音楽監督をつとめる専属のオーケストラを擁しています。
● その佐渡さんが指揮するオペラが毎年夏に公演されます。昨年はじめてオペレッタ(喜歌劇)『コウモリ』を鑑賞しておおいに満足したものです。今年の演目はイタリアオペラ、プッチーニの『トスカ』と決まりました。
● 7月に公演ですが5ヶ月前の2月にチケットが発売になりました。同センターの会員には優先先行予約の権利があります。16日はB,C,D,E席、17日はA席の予約です。2日に分けられたのは初めてではないでしょうか?年々人気が高まっているようです。
● A席は12,000円、B席は9,000円です。わたしはB席を予約することにしました。A席なら1階席ですが、B席以下は1階のバルコニーか2階以上、3階、4階席です。
●8日間公演ですから希望の日にちを決めておかねばなりません。朝10時からの予約受付が始まります。毎回のことですが電話予約ではかけっぱなしで30分から1時間しないとつながりません。ネット予約は15分前に接続しましたがつながりません。
● 他の演奏会の予約で何度か経験をしているので必要な準備は万端でした。10時30分ごろようやく電話がつながりました。他の方のことを考えると手際良く注文しないといけません。希望日の空いている席を確認すると1階バルコニーの3列目か2階バルコニーの前列があるとのこと。
● 一瞬迷いましたが、2階と指定しました。必要な手続きを済ませるともうキャンセルはできません。電話を切りましたが、ここで認知不協和の心理が働きました。2階の席は舞台から5列目でしたが、1階は舞台からの位置を確認しませんでした。前列ではなく3列目だけでジャッジしていました。
● 2階はかなり上だから見下ろすようになるのではないか、1階も少し上にあるからその方がちょうど良い高さなんではないかなど、どうしようもないのに自分の決定に後悔じみたものを感じたのです。
● その後、2時間ほどしてネットがつながっていたので確認すると、ほとんどの日程で席が売り切れていました。ただ同じ曜日の1週前だとまだ余裕がありました。この日なら1階バルコニーでもっと良い席があったのではないかなどと思ってしまいました。
● ですが、最後にこれだけ売れているのだから他に比べると舞台から5列目の席は全体が見渡せるし、字幕ボードも読みやすいから良かったのではないかと自分に納得させていました。
● こういう心の働きを「認知不協和」と「その逓減」いうのですね。読者の皆様のなかにも似たような経験をされた方がおられるのではないでしょうか?このことを知っていれば、商売をされている方は自分たちの販売する商品において、認知不況和が起こりやすいか否かを考えてみる必要があります。
● そしてお客様が認知不協和に陥りやすい商品なら、買っていただいた後の満足の確認と強化を行うと良いでしょう。お客様の心理的満足をフォローすることはクレームやキャンセルにもつながるリスクは多少ありますが、リピートしていただけるとか、クチコミをしていただける効果があります。
● お客様の認知不協和の心理を低減させるお手伝いをするのも販売側に必要な努力です。これを行うか否かでお客様の満足度は随分違ってきます。あなたのビジネスでお客様の認知不協和が起こりやすいかどうかを検証してみてください。
● ちなみに後日、定期演奏会に出かけたおりにわざわざ今回購入した席を見に行ってきました。やっぱり少し高いと感じました。後ろの列でも1階にすべきだったかなと、またまた認知不協和に陥った自分が情けない。
● それでもこの文章を書いているうちにこころは穏やかになりました。ストレス発散には自分のこころの内(感情の動き)をアウトプットするのも良い方法のひとつですね。ぜひお試しください。(笑)<完>
- 登録日時
- 2012/02/22(水) 10:57