▲雪とチューリップの芽【春はもうすぐそこに】
【今月の提案①】
『鳥の眼、犬の眼、虫の眼』プラス【魚の眼】とは?
● 私たちの生きている世界を時空間で捉えることができます。つまり時間軸と空間軸という視点で捉えるということです。時間軸は過去、現在、未来と分けることができます。空間軸は全体、部分、細部と分けられます。
● こういう視点を持っていると仕事の中で活かすことができます。例えば、時間軸では過去の反省、現在の必死の実践、未来の目的・計画であるとか、売る前、売る時、売った後というように「一連の流れ」として物事を捉えることができます。
● 空間軸では自分自身の能力、1対1の対人関係能力、数人のメンバーで構成されるチーム運営能力、複数のチームを統率運営する能力、そして大きな組織を統率し動かす部門長や社長としての能力とかという捉え方です。
● また商売では空間軸はお店全体の売場づくり、売場部門の什器単位の陳列・演出、そして商品単位の陳列・演出というように捉えることができます。
● 私はこのうち空間軸について、研修などで比喩として『鳥の眼、犬の眼、虫の眼』という言い方で紹介をしています。これは別段私のオリジナルではなく何人かの方がおっしゃっています。とてもわかりやすく伝えやすいので重宝しています。
● 特に自分の得意分野の売場づくりではこの表現で説明をします。鳥の眼で売場全体のレイアウトや空間の設計を伝え、犬の眼で部門ごとの什器単位の陳列・演出を、虫の眼で商品単位の陳列・演出の最適化を考えるようアドバイスをしています。
● その時、私の独自性として【魚の眼】という比喩をプラスします。魚の眼とは水面下にある見えないお客様の心理を考えるということを表しています。
売場づくりを設備・什器などのハード面だけではなく、お客様の購入時における心理を考えた【販売のストーリーを考えよう】というのが独自の提案です。
● しかし、魚の眼にあたる購買心理については特段目新しいことではありません。外来の購買心理の理論として、AIDAの法則からAIDCAの法則、そこから発展したAISASの法則など5つぐらい紹介されています。
● これらを売場づくりに反映させた著書も出版されています。またすでに実践されている方もおられるのではないでしょうか?
● 私が私の独自性と自慢げに言うのは大げさかもしれません。ですが、購買心理を舶来のものに頼らず、自分でお客様の立場にたって考えた、『好奇心・依存心・打算心』という捉え方とそれに基づく、販売のストーリー化3つの視点は独自性がありかつ効果的だと自負しています。
● これらの詳細については私の【売場づくり研修】で学ぶことができます。
● 今回の提案はこの手段の内容を紹介することが主旨ではありません。空間軸で捉えた時の、全体(大)・部分(中)・細部(小)というものに、魚の眼(こころ)の存在を当てはめる必要性について提案するものです。これは意外と語られていないのではないでしょうか。
● 人を対象にした手段やその技術には、対象となる人の心理を考える習慣を持つ必要があります。売場づくりではお客様の購入時におけるこころの働きを考えて創ることがポイントですね。そうすることでお客様にとっては役に立つ売場ができやすいからです。
● 組織の中の個人の能力では、自分自身を表現する能力、対人関係での必要な能力、チームの中のメンバーあるいはリーダーとしての能力、複数のチーム(部門)を運営する能力、大きい組織の長に必要な能力、それぞれに違います。
● それを知って役割を果たして行くことで必要な能力は開発されます。これも学べば奥の深いことです。知らずして失敗をしないように、求められるものは何かを学んで欲しいと思います。
● あるメルマガで大阪の橋下市長とかつての時の人、田中康夫長野県知事(現国会議員)、東国原元宮崎県知事の違いとして、大きな組織を創り、動かす力に差があると述べられていました。この事例には同感です。
● この違いは橋下氏が組織で働く人のこころの働きについての見識が高いからでしょう。弁護士として人間洞察についての見識を身につけられたこともあるでしょうが、特に大阪府知事として公務員組織で働く人々の心の働きを掴まれたのではないでしょうか。
● ですが小集団の長に留まるのではなく、大きな組織を動かす能力が開花しつつあるのはご本人の資質かもしれません。求められる役割、能力は違うからです。資質があるとは言えない私たち(大多数の人は普通の人間だという前提です)もそれを知って自分の言動を変えて行くことが必要になります。
● このように多彩な視点を持つことで自分の置かれている状況、対象ごとに自分がどのように役割を認識し、変化して対処すれば良いのかがわかります。それができれば自分のまわりで働く人々を幸せにすると思います。
● 人間を相手にする仕事をするには【魚の眼】を持つことの必要性を意識され、そしてそれに磨きをかけられることが上手に仕事をしていくコツです。ぜひまだお気づきでない方は学び、実践されることを提案いたします。<完>
- 登録日時
- 2012/03/19(月) 16:26