【今月のトピックス③】その後のスポーツネタ
女子プロゴルフ 服部真夕プロの優勝と岡本綾子師匠の助言
● 女子プロゴルフツアーで服部真夕プロが外国勢の優勝を8試合目で防ぎ優勝しました。服部プロの17番、18番ホールのバーディ、イーグルは攻める姿勢が出ていて見事でした。
● 何よりプロですから姿勢を見せるだけでなく『結果』を出したことです。積極的に攻めても結果が悪ければプロとしては未熟と言わざるを得ません。同じプロでも最近の男子の石川遼プロやプロ野球の巨人、沢村拓一投手は、意気込みは良いのですが結果が出ません。こういうのを未熟というのでしょう。
● その服部真夕プロですが、岡本綾子プロの門下生であることは有名です。特に森田理香子プロ、若林舞衣子プロの3人は若手の有望株です。(他に表純子、青山加織プロが所属しています)
● 服部プロは2週前のサントリーレディスオープンでも3日目終了時で2位に5打差をつけ優勝が有望視されていました。その時師匠の岡本プロから最終日を迎える前にメールが届きました。その内容は「あなたにできることは人にもできる。人にできることはあなたにもできる。しかし、あなたにしかできないこともたくさんある」というような内容でした。
● その言葉を胸に服部プロは最終日に臨みましたが、残念ながら韓国のアマチュア高校生の快進撃に会い、オーバーパーで確か4位になったと思います。
試合終了後師匠から、反省しなさいと叱られ「酸素がなくなって口をパクパクやっている魚。あれじゃね。」と酷評されたそうです。
● では今週は2日目を終わって首位と3打差2位の服部プロに岡本師匠はなんと言ったと思われますか?・・・前夜の電話で(メールではありません)「最終日は伸び伸びやりなさい。別に命を取られるわけじゃないから」だそうです。
● 私は前回の岡本プロの助言は禅問答のようで何を伝えようとしたのかわかりませんでした。服部プロにはわかっていたのでしょうか?何か技術的な特技について思い出しなさいと言っているのかもわかりません。
● ですが結果は先に述べたように、服部プロは緊張したのか、予想外の相手の快進撃に動揺したのか、酸素がなくなった魚のような状態に陥ったのでしょう。持てる力は発揮できませんでした。その悔しさは本人が一番痛切に感じていたことでしょう。
● その事実も踏まえて、今回の岡本プロのアドバイスは適切なものだったのではないかと思います。服部プロの精神的な課題を克服させるために、メールではなく電話で、開き直れという意味の助言は効果的だったのではないでしょうか。
● 特に成績が良くて首位争いをしているような選手には、技術的なことより精神面(特にピンチに陥った時のこころの持ち方など)でのアドバイスが有効だと思います。それも生の声の方が左右の脳に影響を与えて好影響を与えるのではないでしょうか。
● 岡本プロのあの落ち着いた、少し突き放したようにも聞こえる声の質と口調は信頼関係のある師弟関係では効果的だと思います。今回の優勝を岡本プロはどのように評価するのでしょうか。今週は優勝した服部プロのおごりで門下生が集まって反省会をするそうですからどのようなコメントが出るか楽しみです。
● 今回のニュースから部下であろうと、そういう関係でない人に助言する場合、相手の置かれている状況、精神状態、それまでの行動から判断して適切なことを伝える必要があることが学べます。
● その前提になるのは双方の信頼関係です。信頼関係が無い場合の助言は不要です。但し、信頼関係を築くには片方の求めか、おせっかいがないとはじまりません。それが私の経験から来る提言です。
● 服部プロは優勝インタビューで外国人選手の連勝を7で止めたことについては、「自分自身が一生懸命プレーした結果。意識はしていなかった」と淡々と答えた。と新聞記事にあります。それより、アン・ソンジュや横峯さくら、有村智恵というトップ選手に勝ったことの方が嬉しかった。「また一歩次のステージに上がれた気がします」と述べています。
● 個人競技のプロらしく、協会やマスコミの思惑より自分の腕を上げることのみに関心を持つコメントは素晴らしいと思います。おめでとう服部プロ。
<完>
- 登録日時
- 2012/06/25(月) 15:18