【2012年6月の提案】
ビジネスパーソンの能力地図づくり<1>
● 今回はテーマを大きく設定しました。私たちビジネスパースンの能力はどのように捉えれば全体像がわかるのだろうかという問題意識を持ったからです。きっかけは10年ぶりに『7つの習慣』という本を再読していてふと思いつきました。
● 10年前はこの本の内容について全体像をつかまず、章ごとに見出しを付けたり、重要だと思う箇所に線を引いて読んだようです。(痕跡から判断して)したがって本のタイトルは覚えていますが、その内容で記憶にあったのは「Win‐Win」くらいでした。
● ということは、私はこの本を読んで殆ど自分の人生、仕事には活かしていないということです。娯楽のための小説と同じだったのですね。
● 貝原益軒の名言「知っていてもそれを行動に移さないのであれば、知らないものとなんら変わりはない」という言葉が浮かびました。私の場合、知っているというか、殆ど忘れていたのですから「何をか言わんや」ですね。
● 今回この本を手にして、これはいったいどのような状態の人を想定して書かれたのだろう、その目的は何なんだろう、それを実現するのに「何を」「どのような構成」で書いているのだろうかということに興味を持って読み始めました。
● まだ途中ですが、その過程でこの本はビジネスパーソンだけではなく個人を対象に、人生において成功するための指針(ガイド)になるようにとのねらい(目的)があるのだと理解しました。(著者はその結果、本を売って儲けることがねらいなんなんでしょうが・・・これは私の推測です)
● 本書の内容の構成は依存から自立へ、そして相互依存へという大きな枠組みがあって、それぞれに3つの要素で構成され、残りの1つがその実践への指針です。それがわかると以前はなかなか覚えられなかった7つ習慣があっという間に頭に入りました。
● そうすると、30年ぐらい前にあるコンサルタント会社の公開体験講座で学んだ、『ソーシャルスキル(対人関係の社会的能力)』というのが浮かんできて、その中の5つあるスキルのうちのパーソナルスキルとインターパーソナルスキルの2つに含まれるのだということが私の頭の中でドッキングしました。
● 実は、30年前のこの体験学習はその後の私のビジネス人生に大きな影響を与えました。細かな内容は当時書いたノートに記録されています。中でもソーシャルスキルの5つはずっと空で覚えていました。それは自分が意識して行動し、実際に役に立ったからです。
● ちなみに残りの3つはグループスキル、インターグループスキル、最後は長いので日本語にすると組織行動スキルです。
● もうひとつ私が若い頃に学んだ人間の能力区分にハーバート大学のロバート・カッツ教授の『スキル3要素モデル』というのがあります。それはテクニカルスキル、ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルの3つの要素で構成されています。これもシンプルでわかりやすく、なるほどと思えるものです。
● この3つのスキル分類は、例えば品揃えや売場分類では中分類」にあたります。先ほどのソーシャルスキルの5分類も中分類でしょう。では大分類は何か、
ソーシャルスキルとスキル3要素モデルとなりますね。
● ただこの2つの大分類には『行動する力』というものについては含まれていません。全ては行動するための知識・技術なのですが、「知っていてもやらない」という現実があります。(私の7つの習慣の話もそうですね)ですからこの「行動力」についても大分類のひとつに数えたいと思います。
● とここまで整理したところ、そういえばビジネスパーソンになるまえに蓄積した学校の勉強で学ぶ「読み・書き・そろばん(算数・数学)」という『基礎能力』があることに気づきました。他にもパソコンリテラシー、ビジネス資格、語学力(特に会話、英語や中国語)などもビジネスパーソンに求められる能力の範疇です。これらも含め大分類の一つに数えなければならないでしょう。
● それに『資質』というのも取り上げておかねばならないですね。持って生まれたものは何なのか、こころと体の資質を認識しておくことも必要です。もう大丈夫かな?また気づいたら修正いたします。(笑)
● 頭の中に大きな枠組みができると、人間の能力開発を考える地図みたいなものができます。それがあれば講演を聴くとか、ビジネス書を読んでもどの分野のことを言っているのかがわかりやすくなります。
● これがあればこれからビジネス社会で働いていかれる若い人にとって、何かを成し遂げて行く場合、自分はどの能力で強みを磨きあげるのかということを考える参考になるのではないかと思います。
● 30年も前に学んだことですからこれから生きていく人にとって、環境が変化しているということも考慮にいれなければなりません。公務員でもない限り会社組織に入った方々は一生をそこで過ごすことは減るでしょう。
● 若い時から自営業としてやっていく方々の構成も高くなると思います。ですが人間や組織を対象とするヒューマンスキルやソーシャルスキル、それに思考力や問題解決のための判断・決断力が問われるコンセプチュアルスキルなどは普遍的なことが多いのも事実です。
● 今回この欄のコラムを再開するにあたって、これらの5つの能力大分類をドッキングさせビジネスパーソンの能力地図を明らかにしてみようという思いが湧いてきています。
まだ思いついたばかりで、イメージも曖昧なのですが試論としてまとめるのも面白いのではないかと思っています。
● 最初からいろいろ思いついたりして修正を加えていますが、まずは行動する。走りながら考えれば良いという気ままな気分で始めます。読者のほうで批判的に読んでいただき、使えるところはご自身の思考の参考にしていただければと思います。
● これから書こうとすることは、すでにどこかで誰か書いておられるかもしれません。浅学ゆえの不見識はご寛容いただいてお読みいただければ幸いです。
<続く>
- 登録日時
- 2012/06/29(金) 11:21