【7月の提案⑤】商品の特長翻訳法<その1>
商品の特長を翻訳する「事例解説」ドコモ夏モデルの場合
■ 商品の特長をお客様にわかりやすく伝えるのは販売店の役割です。そのためには、メーカーの作ったカタログのコピーをそのまま伝えるとか、転記したのではわかりにくくなります。お客様にとって「わかりやすさ」を実現するためには、特長を『翻訳』して表現する必要があります。
● 今回はいくつかの方法のうち、特長を「わかりやすい利点に翻訳する」方法をお伝えします。
■ 機種の特長をお客様にとって「わかりやすい利点」に翻訳する手順
● 具体的な機種を事例にやってみましょう。以下の機種は2012年ドコモの夏モデルです。ある販売店がネットに記載していた商品紹介欄から特長を抜粋しました。
● シャープ製 AQUOS PHONE ZETA
『大画面×省エネの4.7インチHD液晶搭載』とあります。早速、翻訳してみましょう。
◎4.7インチ大画面は店頭では実物を見ればわかるので説明は不要です。但し4.7インチとは何センチ?(1インチ=2.54cmなので)11.938cm、約12cmです。
測る場所は画面の対角線です。(図表化すると良いでしょう)
付け加えるなら「前回モデルは○○センチでした。」とするとわかりやすいですね。
◎HDとはハイビジョンの略ですから、「ハイビジョン液晶」とすべきです。
◎省エネは「どれくらい電池が持つのかを、12年冬モデル、11年夏モデルと対比すべきです」。これがお客様の重要な懸念(関心事)だからです。
次に『Xi(クロッシィ)対応ハイスペック防水スマートフォン』を訳しましょう。
◎クロッシィとは何がメリットか?の説明が必要です。
1)【高速通信】例えば、高速道路をスピーディに走れるような爽快さで、
高速通信が可能になった。
今までのFOMAハイスピードに比べて最大で受信時約10倍のスピード。屋内ではADSLブロードバンドと遜色のない速さになった。
2)【大容量】例えば沢山の車が走っていても混雑しにくい道幅の広さで、FOMAと比べて周波数の利用効率が約3倍。ハイビジョン動画クラスの大容量通信が可能になった。
通信量が3倍になっても、同じ人数が利用可能。
3)【低遅延】例えば、料金所をストレスなく通過できる快適さ。伝送、接続速度がFOMAに比べて最大効果で1/4に短縮された。
注:実際に使用される場合は、ドコモの内部資料で数値などを確認してください。数値を活用することは曖昧さが排除され説得力を増します。
次に以下の3ポイントで特長が列挙されています。それぞれを訳しましょう。
①新開発4.7インチHD液晶とフラッグシップモデルにふさわしいデザインの融合。
◎これについては、上記の翻訳を使うことでわかりやすくできますね。フラッグシップモデルとは何でしょうか?、ネット記事から転載します。
フラッグシップモデルとは、ある製品の一連のシリーズの中でも最上級に位置する製品の型(モデル)のことである。
フラッグシップモデルは、製造者側の技術が集結されて造られた「最も妥協のない製品」であるといえる。フラッグシップモデルは上位クラス一般を意味する「ハイエンドモデル」よりも一段上に位置づけられ、いわばシリーズの「顔」として、製品市場において特別に注目される。
ちなみに、元来「フラッグシップ」(Flagship)とは「旗艦」を意味し、司令官の乗船している艦船を意味した。それが転じて「同じ類のものの中でも最も優れた重要なもの」という意味となったとされる。(以上引用)
②超高速通信「Xi(クロッシィ)」と高性能CPUに対応。その他機能も充実でより快適。
◎クロッシィについては翻訳済です。ここでは「高性能CPU」の翻訳が必要ですね。
◎「高性能CPU」の選び方は、これもネット情報から転載します。
CPUに関して
CPUは性能に関して一番重要となる部分となります。
ですが、OSのように後でバージョンアップというわけにはいかず、またパソコンのように簡単には交換できません。
買ってから次の機種に変えるまでは、ずっと付き合っていかなければいけないので、少しでも良い物を選びたいところですね。
また、パソコンの最新CPUのように大きな価格差がないので、躊躇せず良いものが選べるのも良いところですね。
CPUは色々なメーカーから色々なものが出ていますが、大まかにはコア数が多いもので、駆動周波数が高いものを選ぶくらいのイメージで良いと思います。(細かく見るとそれだけで判別できない性能差もあります。)
コア数は今までシングルでしたが、今はデュアルが主流になっています。
簡単にいえば脳みそが二つになって、同時に最大2倍程度の処理が可能になります。
今後はクアッド。脳みそが四つのものも予定されています。
駆動周波数は現状では1.5GHzが最大です。
簡単にいえば処理スピードと考えてよいでしょう。値が大きいものほど速いといってよいでしょう。
今後は2.5GHzのものも開発されているようです。(ここまで引用)
ちなみに本機のCPUは、1.5Ghz、デュアルコアCPUです。
◎そのメリットは?
1)操作性抜群!アプリの起動はより早く、複数のアプリを同時に立ち上げても速度低下を感じることはありません。
2)タッチレスポンスも良好なので、画面の切り替えやWebページのスクロールなどとてもスムーズにできます。タイムラグによるストレス解消!
③「新開発省エネ液晶」×「1900Ah大容量バッテリー」×「エコ技機能」で長時間使いやすく。
◎これは「長時間使いやすく」を今までの機種と比較してどれくらい長くなったのかを表現しないとわかりませんね。具体的な時間表示か従来機(1世代前はあまり意味がない。1年前、2年前との比較だと既に使用している人々に役立つでしょう)。
● 以上が商品の特長を「お客様にとっての利点に翻訳」する事例です。
いかがでしょう?ポイントはわかりましたか?
■ 次に、お客様にとって「わかりやすい利点に翻訳」したならば、それを「お客様にとっての効用」に変換する必要があります。それはPOPにしなくても接客トークとして使うことは最低限必要です。これには販売店スタッフのイマジネーションが求められます。自己の体験や、接客の中でお客様から聴いたことを素に考えてください。
● ちなみに「効用」とは商品が持つ利点を、さらに掘り下げてお客様にとって「使って得られる便益(メリット)」に置き換えることです。例えば今回、利点に翻訳しなかった機能に「防水」というのがあります。
● 防水の利点は「水に濡れても故障しない」ということです。それをお客様にとっての効用(便益)に置き換えるとは、「漁師さん、花屋さんなど水を使う仕事の方にも安心して使える」とか、「風呂場や台所でも使える、小さな子供が口にして大丈夫」など、利用シーンに置き換えて表現することです。
● そうすることで商品の特長は、使って得られる効用(便益)がより具体的になり、お客様は自分のメリットとしてイメージしやすくなります。そこで必要性や買い気が高まるのです。
● では今回、利点として翻訳したものを次回は「効用」に置き換えてみましょう。特に興味のある読者はそれまでにご自分で置き換えてみてください。
当コラムは気ままですからいつになるかわかりません。コツがわかればご自分でどんどん進めましょう!
● 以下はホームページでドコモの製品紹介にリンクさせるためのコピーです。店頭では傍にミニカタログを配備して矢印POPで訴求すると良いでしょう。
★docomo NEXTシリーズ AQUOS PHONE ZETAシリーズ SH‐09D製品情報ページはコチラ!
<続く>
- 登録日時
- 2012/07/31(火) 15:42