【8月のトピックス①】
オリンピックの愉しみ方、競技特性の影響力を考える
● オリンピックの番組表を見ていると沢山の種類の競技があります。前半は柔道、水泳、体操が主力競技で、後半は陸上競技と球技の決勝トーナメント、レスリングなどの格闘技が注目されます。
● 開会3日を終えて日本もようやく女子柔道の松本薫選手が金メダルを獲得してくれて盛り上がってきました。ところで金メダルでなく銀メダルの選手たちは一様に笑顔がなく、悔しい、申し訳ないとコメントしています。しかし重量挙げの三宅宏美選手と銅メダルの選手は殆ど喜んでいます。この差はどこから生まれるのか疑問を持ちました。
● 当初期待されていた結果に届かなかった人は喜ばず、メダルは難しいのではと思われていた人は予想外の結果に喜んでいるんだと解釈していました。ですが競技の種類をある分類でくくると違う要因も見えてくるのです。以下は私の推測ですが、いかがでしょう?
● 今回思いついた競技分類
格闘型競技 競争型競技 コンテスト型競技
個人競技 柔道・レスリング、 水泳、 陸上重量挙げ
団体競技 サッカーなど球技 アーチェリー 体操
● いかがでしょう?個人と団体は周知の分類ですが、横軸の3つの意味とその選手への影響について見解を述べましょう。まず「格闘型競技」です。この競技は相手と直接闘い負かすことで勝利が得られるものです。AはBに対して肉体的なぶつかり合いを持って打ち負かそうとします。
● 結果は一方が勝者、片方は敗者です。それもあるルールの中で最後の最後まで全力で闘ったあとに結果が出ます。勝った方は嬉しいでしょうが、負けた方は悔しい、残念無念の気持ちです。どの競技も決勝まで勝ち上がってきたもの同士が戦います。それだけに最後の最後に負けた方はダメージが大きくなります。
● 競争型競技はどうでしょう。これは同時に同じ競技をしますが、結果は速さや得点の差が出るだけです。肉体的な激突はありません。自分の最高の力を発揮したものが勝者です。勝てば嬉しいのは変わりませんが、2位、3位以下は自分の力の発揮度でダメージが違ってきます。
● 格闘型競技に比べると肉体的なダメージで打ち負かされるのではないので、敗者は若干ダメージが和らぎます。それより練習での自分の力が発揮できたか、あるいは自己の記録を打ち破れたかが気になります。
● 元スポーツ選手のコメンテーターがテレビで言っていましたが、「体操は練習で出来ないことは本番では出来ない」。「練習で培ったものをいかに本番で出せるかが勝負である」と、一方「水泳は練習で出来なかった以上の力を本番で発揮することができる競技だ」そうです。
● 最後のコンテスト型競技は、競争する競技者との肉体的なぶつかり合いはなく、各人がいかに自分の最高のパフォーマンスを発揮するかにかかっています。いかにミスを減らし、練習で培ってきたものを本番で発揮するかという自己との闘いでもあるのです。
● こうして分類すると、男子柔道の平岡、中矢の両銀メダリストの表情が冴えないのもわかります。もう一息というところで「負けて終わる」のですから喜びは半減します。
● 水泳やアーチェリー団体の銅メダリストはとても喜んでおられました。おそらく自分の現在の持てる力を全て発揮できたからでしょう。重量挙げの三宅選手も同じ思いだったのではないでしょうか。
● 男子体操の団体は、本来の実力を発揮できず失敗が多く、戦前の期待に応えられない結果だったのが、あの表彰式の表情となったのでしょう。
● こうして見るとまた違った趣が出てきます。これからの競技を観戦する時に参考にしてみてください。やはり結果は金メダルに勝るものはありません。銀メダルは金より良いと書き、銅メダルは金と同じと書きます。しかし現実はそこには雲泥の差があると思います。やはり「目指せ金メダル」ですね。
<完>7月31日に書いたものです。(アップするのを忘れていました)。
- 登録日時
- 2012/08/04(土) 17:40