【8月に読んだ新聞・本・見たビデオ①】
人生を決める『選択』の謎を追う
● 8月4日付け朝日新聞別刷りの「be」のフロントランナーに盲目の大学教授シーナ・アイエンガーさんが特集されていました。彼女は42歳、ニューヨークのコロンビア大学ビジネススクールの教授です。
● 2年ほど前に「選択の科学」という著書を出版され注目されました。昨秋、NHK Eテレで5日にわたり「コロンビア大学白熱教室」が放映され、その研究成果を授業する模様が伝えられました。
● この夏には、新しく「選択日記」という著書も発売されています。これらの情報を基に、アイエンガー教授の「選択の科学」から学べることをご紹介しましょう。
● まず、新聞記事の紹介から。タイトルは同紙のキャッチコピーをそのまま引用いたしました。最初のイントロ記事もそのまま転載いたします。以下同紙より。
■『生まれつき目の病を患い、高校生の頃には失明。インドから米国への移民の娘。シーク族の厳格な戒律を娘にも守らせた父親は13歳の時に、心臓発作で突然死・・・。
● 困難の多い、劇的な人生は「運命」か、「偶然」の産物か。あるいは、困難を乗り越え、学業の道に進んで現在の立場にたどり着いたことを、「選択」の結果とみるか。自身への問いかけが、研究内容とそのまま重なる。
●「私たちの人生がどこへ行くのか、どうやってそこにたどり着くのか、最も強く決定づけるのが、1人ひとりの選択だ」と語る。』
・・・後略
● 彼女の主題は「選択」が人生の重要な行動だと提唱していることにあります。
そして「選択」には困難や代償を伴うが、人生の可能性を開く行為だと言っています。
● ですが、結婚については「愛は選択ではなく運命の問題」だとおっしゃっています。(同紙より)
● インタビュー記事から印象に残ったものを抜粋して掲載します。
『自己決定の意識』
―全て自分で決めた方が幸せではないですか。
「大切なのは、いかに多くの決定をしているかではなく、自己決定の意識を持っているかです」。
● 何も決められない状態だと感じると、人間に限らず動物は絶望し、生きる力を失います。一方であまりにも多くの選択を求められると、その間で判断ができなくなります。何が重要かを見極め、それに集中することが重要です。
●『選択日記の活用』
―そのために日記を活用するのですか。
重要な選択であったかどうかを検証するためには、判断当時にどのような影響を予想していたのか、その結果がどうだったかを比較することが不可欠です。
● しかし、人間の記憶はあいまいで、当時の感情を思い出すのはすごく難しい。そこで、日記をつけることによって確認します。研究の一環として私もつけはじめ、現在は学生たちにも求めています。
● ―自分の人生の中では、どのように活用しているのですか。
他人に任せられることはなるべくそうして、「必要な選択」に集中します。その時も、本質までなるべく煎じ詰めるようにします。
● ―具体的には。
日常生活で、レストランの選択はしないが、食事の種類については要望を言う。また息子が(7歳)学校に着ていく服装はあまり気にしない。でも、息子をどの学校に行かせるかは、すごく大切なので、何ヶ月もかけて真剣に検討する問題です。
● 以上が新聞記事からのまとめです。この記事に触発されて保存してあったビデオを見直しています。全5回(5時間)です、そして「選択日記」という本を買ってきました。文芸春秋社刊、980円(税別)。次回はビデオの要約を取り上げたいと思います。ちなみに8月末にはNHK Eテレで同教授の日本での白熱教室(慶応大学か?)の模様が放映される予定だそうです。要チェック。
● オリンピックが終われば応援に熱狂する快感から目覚め、自分のことを真剣に考えましょう(笑)。<続く>
- 登録日時
- 2012/08/07(火) 13:30