「CS」とは何かを考える
■CS(顧客満足)についてお客さまから課題をいただきました。先人の文献な
なども拝見していますが、自分のフレームワークで整理しないと他の方に自信をもって説明できないのですね。
■そこであたりまえですが文献から離れて「自分で考える」ことにしました。
まず①言葉の意味 ②CSの目的とは ③それを目標にして、どのような手段・方法で行うのか ④具体的な事例は ⑤実施上の注意点は というフレームワークで考えをまとめてみました。前提は指導先の小売業を想定しています。これはその途中の経過報告です。
■言葉の意味は、カスタマーとは繰り返し来店していただけるお客様であり、その方々の期待に応えることで満足するという気持ちをもっていただくことだと意味づけしました。
■目的は、お客様個々が自店を訪れる用事(目的)によりよく応える(解決の手段の提供)ことと、まだご存知でないことをお伝えして、新しい愉しみに気づいていただく手助けをすることとしました。さらにそれがどのようにお客様にとって快適なプロセスで提供されているかということも必要です。
■目標はまだご存知でないことをいかに上手に伝えていくかということです。
全てのお客様がご存じないことを伝えるというだけでなく、ある人は知っているが他の方は知らないことがあれば伝える、ものによればそこで愉しみ方の学習ができるということを創造しなければなりません。
■手段・方法には、具体策が必要ですが大分類で言うと「仕組み」と「仕掛け」、
プラス付加価値行動ではないでしょうか。また小売業の現場はお客様と店側が目的達成に向けてのコミュニケーションが手段の本質です。コミュニケーションレベルをあげる仕組み、仕掛けが必要です。なぜなら、お客様は商品やサービスに価値があると「思う」のか価格が安いと「思う」のか、今買わねば損だと「思う」のかという個々の「気持ち」によって購入行動を起こすからです。手段・方法とは「思わせるもの」である必要があります。
■コミュニケーションのうち、店側の発信装置としては3つのレベルの手段があります。それは何だと思われますか?
ひとつは「インフォメーション」レベルです。すなわち「わかりやすいお知らせ」です。つぎに「プレゼンテーション」レベル、その気になる提案があるかということです。そして「デモンストレーション」レベル、心を動かす接客、体験、実演などがあるかです。
■具体的な事例はありませんので、この1ヶ月ほど自分で買物をしながら自分
をモデルにして「CS度」をチェックしてみました。チェックポイントは自分が求める商品やサービスの価値と価格とその提供プロセスの快適度でした。いくつかの体験をダイジェストします。
■自宅の大型CTVが故障しました。近隣の家電量販店に電話すると、まず自店で購入したか否かを確かめてそうでないとわかると、まず顧客情報を登録するからと言ってパソコンをたたきながらいくつかの質問してこられました。なぜ最初に故障の状態の確認と対応できるか否かを確認しないのだろう。数分かかって登録するとようやく症状を確認して、メーカーから連絡させますからという。その後のメーカーの対応は流石でした。しかしこの家電量販店は?
■お土産にお菓子を物色し購入しようとしました。ある地下街にある菓子ゾーンのA店、B店、C店、…と数件見て回りましたが、やっぱり最初のA店へもどって販売員さんに声をかけたところ、第一声が「何度もご来店いただきありがとうございます」でした。一瞬わたしは少々恥ずかしいという気が起こりました。彼女は私の行動を観察していて、親しみのつもりでそう言ったのかもしれません。しかし私は、自分がうろうろ迷ったのを見られるのはしかたがないが、なぜそれを言うのかという「気持ち」になりました。販売員さんの勘違い応対だと思いました。
■CDを購入したのですが、不良でした。輸入盤なのでどうかと思いましたが購入した大型専門店チェーンのひとつに返品に行きました。女性の販売スタッフに声をかけますと怪訝な顔で、「どういうことですか?」(もっと具体的に言えという意味だったんでしょう)と訊かれたので、かくかくしかじかと伝えたところ、「事前にお電話いただきましたか?」とこられた。うん?と思いましたが、電話はしていない直接持参したと伝えたところ、「少々お待ち下さい」といって内線電話をかけていました。途中で、「返金ですか、代わりがいりますか?」ときいてくるので、「欲しいから買ったんだ、変えてもらいたい」と伝えたところ数分で別の男性スタッフがあらわれ、交換となりました。その後の対応には満足でした。
■最初の事例は初期応対のプロセス、2つめは商品には問題はないけれど初期応対のプロセス、3つめは購入した商品そのものと初期応対のプロセスに問題がありと感じました。私の顧客満足は実現されませんでした。いずれの店も私はカスタマーではありません。しかしカスタマーになる可能性がありました。今回の事例ではカスタマーになりそこねたケースです。
■他の体験は普通に感じるものばかりで、これはすごいというところには行かなかったようです。(笑)あっ飲食店で2軒ほどまたいってみようというところを見つけました。応対はともかく内容と価格が「納得という気持ち」でした。
■さて、CSというものを追求するときの注意点はなんでしょうか?それはどこにお客様の評価ポイントがあるのかを確かめること。それを販売側が注意深く観察することだろうと思います。
■それと現場での初期対応がどのように行われているのかを定期的にチェックする仕組みをもつことでしょう。特に大手では自店や自社の思いを実現する人たちへの動機付けと教育は重要だと思います。
■多くのお客様の普段の物品購入は、超一流のホテルや旅館が行うサービスを求めておられるのではないと思います。まずはしっかり「聴いて」「目的達成へ素早く対応してくれる」ことです。「聴く」ときに意識は自店の都合の方に向かないで、しっかりお客様に向ければ真意が掴めます。そして解決策の実行です。できるだけ早く行えることですね。
■新しい愉しみかたの提案や、こんな便利なことがありますよと教えていただいた体験は少ないですね。ここでこういえば良いのにと思うことはありますがその期待は満たされません。これからも意識して探してみようと思っています。
- 登録日時
- 2008/09/08(月) 17:52