【2012年10月のトピックス④】
企業が大学生の新卒採用選考で特に重視した点
(経団連アンケート調査結果から)2012年7月 朝日新聞から
■アンケート結果はwww.keidanren.or.jp/japanese/policy/2011/091.htmlをクリックしてご確認ください。
● 今年も12月から大学生の就職活動が始まります。就職難は相変わらずのようで、学生のみなさんには頑張っていただきたいと思います。それでも大卒新卒者の3割が3年以内に苦労して入社した会社を離職するのが日本社会の現実です。なぜなんでしょうね?
● 今回のアンケート結果を拝見していてとても疑問に思ったことがあります。企業が大学生の採用選考で特に重視した点がランキングされています。ベスト10は表をご覧いただければわかります。ちなみに第1位はコミュニケーション能力、第2位が主体性、第3位が協調性・・・。
● ある方がメルマガで企業が何を求めているかを知って対応しましょうという主旨のことを書いておられました。しかし、これで何をどうすればよいかがわかるでしょうか?
● アンケート結果の詳細を拝見しましたが、これらの項目の具体的なことは示されていません。経団連が示したこれらの項目に各企業はチェックを入れただけのようです。これではコミュニケーション能力と言っても、業種、仕事の内容、対象などが曖昧で、現実的ではありませんね。
● 例えば言葉で相手にわかりやすく伝える力なのか文章で伝える力なのか、対話で聴く力なのか、話題をコントロールする力なのか、私が提唱する「知って、掴んで、動かす」力なのか等と、いろいろな捉え方があります。
● 主体性、協調性もまるで一昔前の人事考課表の項目のままです。何をもって主体性や協調性の有無や強弱の判断をしているのか、ということを示してあげないと準備のしようがありません。これではいつまでたっても就職活動側のレベルが上がりません。
● 勿論、大学側の指導や就活をビジネスにする会社からはノウハウの提供はあるのでしょう。しかし業種、求められる仕事の内容、対象など別に具体的な項目と判断方法を知らないと大変な労力を強いられ、毎年同じようなことが繰り返されるのではないかと思います。
● 業界別、業種別に求めるものを明らかにすることで、学生側の準備も効率的かつ効果的になりレベルの高いところで採用活動ができます。もう少し愛情のある採用活動はできないものでしょうか?
● せっかく難関を突破した学生が、入社して3年以内に3割も離職するというのは、採用時点での曖昧さと愛情不足にも要因があるのではないかと思います。
● そこで、本コラムではこのアンケートに示された抽象度の高い項目を掘り下げてみようと思います。識者の考え方をも参考にぼちぼち料理させていただきます。興味のある方はご笑覧ください。
● と、ここまで書いたところで10月25日(木)付朝日新聞の朝刊「経済気象台」の欄に「就職活動の現実」という記事が掲載されていました。そこには企業の採用の基本は、学歴ではなく『学校歴』であることを、学生は知っている。と書かれていました。
● 就活をビジネスにしている人々も周知のことだとも書いてあります。知らないのは一部の親だとも、私はそれが本当かどうかは知りませんが、十分あり得ることだと思います。経団連のアンケートにはそういう項目はありませんが「言ってはいけないこと」なんでしょうね。
● ですがやはりそれだけで採否を決めているわけではなく、書類選考の一要素ではないかと思います。やはりインターシップ制度、筆記テストや面接、グループ討議の観察などの方法でアンケートにあるような要素がチェックされていると思います。
● 私はこの記事を読んで、一瞬、抽象度の高い項目の掘り下げはやめようかと思いました。ですが採用基準だということは、入社してからも必要な資質や能力ですので既存のビジネスパーソンにも役立つのではないかと思い直しました。
● やってみることにします。実は私自身がこれらの項目をやさしく、わかりやすく説明することができないと気づいたからなんです。 <完>
- 登録日時
- 2012/10/29(月) 11:31