▲自宅のベランダから見える名残の紅葉です。(12月4日撮影)
今年は強風にもめげずに頑張っていましたが、5日に植木屋さんが剪定してしまいました。
毎年真っ赤になって散るのが愉しみだったんですが。残念。
ひしめき合っているから美しいのに。
【2012年12月の提案①】
主体性について考える<前編>
● 今回から「主体性」について考えてみましょう。その前に今回の調査の10項目をあらためて眺めていて気づいたことがあります。これらの10項目は広い意味では人の能力ですが、もう少し分類をするとスキルに関するもの、資質に関するものに分けられます。
● スキル(技術を伴い、できること)に分類できるのは、前回のコミュニケーション能力と論理性(第7位)、専門性(第9位)の3つです。あとの7つ(主体性、協調性、チャレンジ精神、誠実性、責任感、潜在的可能性、職業観)は人の資質に分類されるでしょう。(資質とはなんぞやについては別に書きます)
● ただ資質の中で潜在的可能性については私にはピンときません。潜在的の対極は顕在的ですね。他の9つの要素で顕在化していないものはみんな潜在的可能性だと思うのですが・・・。これはどういうものを意味しているのかわかりません。またそれをどうやって見抜くのでしょうか?何かテストや検査で調べられるのかもしれませんね。
● それと、 気になったのはこれらの資質の中に「体力」が含まれていないことです。こころの姿勢や意志力などを重視しているようですが、働くには体力が重要です。風邪をひきやすいとか、少々の無理でへばるようでは困るのではないですかね。
● さて「主体性」についてです。これは人の資質に関する領域ですね。これの有無や強弱は何で測定、評価するのでしょうか?毎日一緒に仕事をしていればわかりやすいのですが、就職試験では何かツールを使うか、面接官の主観かその企業のチェックリストなどで判断するのでしょう。
● 何とも見識不足で頼りなくて申し訳ありません。測定や評価方法はともかく「主体性とは何か」についての考えを深めて行きましょう。まずは「私はこう考える」というものを書きます。私が評価者ならこのような解釈で、このような物差しで評価するということで考えてみました。
● 主体性とはその人がどれだけ自分の意思と判断で目標達成や課題解決に取り組むかということだと定義します。その中身は自らの意思で目標設定をするとか、課題を見つけることから始まります。
● そして、それを達成するための手段・方法をどうすれば手に入れ、実現できるかを考え、行動することです。目標や課題という的(まと)とその達成手段・方法を自分で見出し、自分の力で取り組むことが主体性だと考えます。
● そのねらいは、自分の人生に自分で責任を果たすということと、自分の意思力、判断力を磨き上げる(強化する)ことです。
● その手段・方法は、何かの目標を持つとか、課題に直面した時に、まず自分の頭と体を使って達成(解決)への行動を行うという①こころを持つこと、そして②そのためのスキルを身につけること、③自力だけではどうしても手に負えない場合は、他の人の協力が得られるよう謙虚にお願いすること、(日頃から信頼関係を築いておかねばならない)
● ④成功するまで頑張ること、⑤事が終わったあとの反省を行うこと、⑥全ては自分の責任とする思考の習慣を持つこと⑦協力をしてもらった人への感謝の気持ち、お礼の意思表示を行うこと、の7つがポイントでしょう。
● 主体性の有無や強度をどのように判断するかということについて、私ならこうするという見解をもう少し掘り下げてみます。
● 対象となる人が自分で目標を設定してそれに向かって生きているかということと、目標は曖昧だが生きていく上で解決しなければならない課題に向かって、自らの意思で取り組もうとしているかのいずれかを確認します。
● これは神戸市出身のコーチングの専門家、平本あきお氏のビジョン型人間か価値観型人間かという分類の影響を受けています。平本氏はおおよそ2割の人がビジョン型であとの8割は価値観型だとおっしゃっています。
● 比率に関する調査データは示されていませんので正しいかどうかはわかりません。ただそういう分類には経験上、同意します。こういう分け方には賛同できないと思われる方は無視してください。
● 私の見解では、ビジョン型の人は主体性が強いと思っています。自分で未来の「ありたい姿」を描くことそのものが、主体性があるということです。そのビジョンに対する思いが強ければ、それに向かっての手段をあの手この手と考え出し、実行するものです。
● ビジョン型の人に対しては私ならこの会社で何を得ようとしているのか、そのビジョンは自社に貢献するものか、会社の方針とマッチしているかなどを確認します。
● 主体性が強すぎる場合、自己の利益のみを考えて行動するか否かを判断しなければなりません。根拠はありませんが、主体性と自己中心性は表裏一体かも
しれないと思うからです。
● 価値観型の人は、ビジョンよりも自分にとってのこだわりや自分らしさを大事にするので、目標や課題に対して常に主体性を発揮しようとはしません。自分の価値観にやる気は左右されますからね。
● 組織の中では仕事が発生するとか、与えられると頑張る人は大勢います。ですがその強弱は職種や置かれた環境に左右されます。
● 一般的に会社組織では、大きな組織なればなるほど「2対6対2」の原則が働き、20%の人は主体性があって自ら仕事の課題を見つけ解決に向かう人、60%は与えられた仕事に対して可もなく不可もなく忠実に働く人、残り20%が組織にぶら下がる人というように分類されています。
● この比率も自分で調べたわけではありません。これも人の説を読んで、経験上そうだなと思っていることです。これも信用できないと思われる方は無視してください。
● 未来永劫、生き抜いていく必要のある私企業はこれでは困るわけです。少数精鋭、全員経営でみんなが戦力としてできるだけ主体性のある人材であって欲しいというのが理想です。ですから採用では主体性のある人材が求められるのでしょう。近年は新人を育成するという考えの企業は減って、即戦力が求められているそうです。
● この是非はともかく、そのために派遣社員など非正規社員が求められる要因のひとつにもなっています。
● 私は2:6:2の区分を対象となる人の言動で判断します。ポイントはどのような仕事でも①成果を挙げえるか否か、②ことが終わった時の反省が自責か他責か、③済んだことは後悔せず、反省をふまえ未来の可能性を見いだせるか否か。
● ④経験を生かし、自分の判断で最良の手段・方法を選択できるようになっていっているか、⑤簡単に諦めず成功するまで頑張るか、⑥自分の強み、苦手を認識しているか、⑦苦手なことは人の力を借りることに躊躇しない、の7つです。
● 特に新人には、教えてもらったことは必ずメモをして同じ失敗を繰り返さないこと、同じことを何度も尋ねないよう記録して憶えること、教わったことは自分ひとりでできるように練習すること、新たな疑問は嫌われても質問すること、少々のことではめげない、打たれ強さを持つこと等を期待しました。
● 具体的な方法として組織の中では観察と対話で判断します。もし採用の面接官なら具体例を作って質問を投げかけその反応で判断するでしょう。小売業で働いていた時には、とにかく「頑張ります」とか安易な「やります」「大丈夫です」には随分騙されたものです。(笑)<私が未熟だったのでしょう>
● いかがでしょう?企業が求める主体性のある人材について、その意味やねらいはお分かりいただけましたでしょうか?自説にはいまひとつ自信がないので私も勉強してみます。(苦笑)
● 次回から手元の数は少ないのですが文献を参考に「主体性とは何か」について考えてみたいと思っています。1回になるか2回になるかまだわかりません。
興味のある方はお付き合いください。
<完>
- 登録日時
- 2012/12/06(木) 15:03