【2013年1月のトピックス③】
久しぶりに「2つの言葉の違い」です。まずは『能率と効率の違い』
●本欄で2つの言葉の違いをクイズ形式で出題して解説していたのは2011年5月から6月にかけての2回だけでした。あれから1年半以上経ちます。松本清張の短編「1年半待て」のような計算しつくされたものではありません。(笑)単なる思い付きの行動の結果です。
●久しぶりに書いてみようと思ったきっかけは、過日かつての会社の同僚の方と面談中に彼から「能率と効率の違いを教わりましたね」という話が出てきたことです。
●「そうでしたか」と言いつつ、効率は良く分かるけど「能率」ってなんだっけ、どう違うと説明したのかなと疑念が出てきて思わず「何と言いましたか?」なんて尋ねる始末でした。10年以上も前のことながら経営コンサルタントを名乗っているからには恥ずかしいことだと思い調べ直しました。
●その結果が今回のトピックスです。ところで最近言葉の意味を共有してコミュニケーションをすることが大事だという問題意識を持っています。本コラムでも「細かいことが気になって・・・」などと「相棒」の杉下右京警部の口癖を真似ていますが、同じように似ているけれど意味の違う気になる言葉がいくつか出てきました。
●今回の「能率と効率の違い」のほかに、「問題と課題の違い」、「原因と要因の違い」、「技術と技能の違い」などです。今月から来月にかけてこの4つの違いを明らかにしておきます。すでに知っておられる方はパスしてください。
●では『能率と効率の違い』から調べた結果を書き残しておきましょう。
●ネットの「日本語Q&A」からの転載です。こういうのをコピペというんですね。とても便利です。しかもわかりやすい内容でした。ご一読下さい。
●あっ、ここでまた気になることが出てきました。「ご一読下さい」と打ち込んだら「下さい」と変換されましたが、「ください」と漢字にしない場合との用法の違いがあったはずです。この場合はどちらが正しいのだろうか?う~んわかりません。次回に調べて書きます。では元に戻って・・・
●「能率」と「効率」は意味が似ており、あまり意識して使い分けていない人もいると思われます。しかしよく見ると両者には微妙な使い分けが見られることがあります。
一般的に「能率」は一定の期間でこなせる仕事の絶対量を表すのに対し、「効率」は仕事の成果とそれに要するさまざまなコストとの相対的な比較を表す傾向があります。
例えば・・・
a. 一時間で書類を10枚処理できる → 一時間で書類を15枚処理できる
b. 費用1000万で1200万の売り上げ → 費用500万で1000万の売り上げ
a.の例は一定の時間を基準に絶対的な仕事量が増えています(10枚→15枚)が、このような場合は一般に「能率が上がった」と言います。一方 b.の例では絶対的な成果は減少しています(1200万→1000万)が、相対的に見るとより少ないコストで多くの成果を得ています。普通このようなときは「効率が良くなった」と言います。
このように「能率」には絶対的な使い方が、「効率」には相対的な使い方がそれぞれ多く見られます。また、「効率」は仕事に要するさまざまなコストを計りますが、「能率」は主に時間を基準にしているようです。
●この説明ってよくわかりますが、ちょっと疑問が湧きました。「『効率』はコストを計りますが、『能率』は主に時間を基準にしているようです。」とありますが、時間もコストに含まれるんじゃないでしょうか?
●ビジネス活動のコストとは「人の労力、機械や設備というモノ、それに
人の賃金も含む金、それに時間」ですね。
実際のビジネス現場では、「効率」は投入したコスト【人・モノ・金・時間】でより多くの【成果】をあげることで効率が良いと判断します。
●その結果を「生産性が高い」とも言います。
●コストを下げて成果も下がるが効率は良くなったという場合は、人の力を機械に変えたとか、仕事の仕組みを変えないと実現しません。この場合も「コストを下げて成果を上げることを目標にします」。
●私が関与する小売業でも「販売効率」ということが重視されます。これについては「売上アップ法7つの視点」で詳しくご紹介いたします。定義は生産性とも言って、より少ないコストで最大の成果を上げることと表現します。
●営業マンの行動ではどうでしょう。例えば既存客には労力を減らし同じ成果をあげつつ【余力】で新規開拓に注力して、結果として労力は変わらずとも成果を増やすことが求められます。
それってここで言われている「能率」と同じことではないかと思われませんか?
●ですがなんかそれもおかしいですね。やはり「効率」はコスト対成果を相対的に変化するものと捉え、①コストは変わらずとも成果を増やす、②コストを下げて成果を増やす、③コストを下げて成果が下がっても対比では比率が良い、④コストが増えてもそれ以上に成果を増やすと考えることでしょう。
●「能率」の解釈は「コストは変わらない」という前提に立っているんですかね。コストが絶対的に不変だとすれば人の能力アップや創意工夫、あるいは最新の設備に変更で「成果を増やすこと」が「能率が良くなった」というのでしょうね。
●そして時間は「効率」でも「能率」でも一定の制限された時間内と捉えるべきでしょう。時間が能率の概念だけに適用されるのは疑問が残ります。
●ということで「能率」と「効率」の言葉の意味と違いを掘り下げてみました。能率は一定のコストで最大限の成果を実現すること。効率はできるだけ少ないコストで最大限の成果を実現することと再認識しました。
●今回の説明はイマイチでした。事例の説明での解釈が曖昧です。その結果、強引に結論に持って行ったようです。すいません。時間を下さい。しばらくしてまた考えてみます。<完>
- 登録日時
- 2013/01/30(水) 10:56