【2013年12月の提案①】
『影響力の武器』を活用する
■ネットで急成長のダイレクト出版さんからの売り込みメールマガジンを読んでいますが、最近上手いコピーが届きました。思わずクリックを進めると「影響力の武器」という本の著者のDVD&CDの売り込みがされていました。
●その「つかみ」のコピーは次のようなものでした。私が思わず欲しいなと思ったそのコピーをヒントに年末商戦の参考にしてみましょう。以下メールのコピーを再現しておきます。
●あなたは、これらの5つの質問に
答えることができますか?(問いかけのコピーは好奇心を刺激するのに有効ですね。問題を提起されると答えを探したくなるのが私たちの性です)。
①顧客に2つの選択肢を提示する場合には、
価格の高い方と低い方のどちらを最初に出すべきですか?
②あなたの提案に乗ることで得られるものと、
断ることで損するもの。
どちらを見込客に伝えますか?
③どんな商品やアイデアにも
メリットとデメリットがありますよね。
では、デメリットはプレゼンの前半と後半、
どちらで言うべきですか?
④あなたの提供した商品やサービスに対して
お客さんがお礼を言ってくれました。
こちらの要求が最も通りやすい絶好のタイミングのひとつは、
相手に「ありがとう」と言われた直後です。
では、この時、何と言うのが最も効果的ですか?
(ヒント:「当然のことをしたまでです」は最悪のNGワードです)
⑤誰かにやってもらいたいことがある時や、
協力を求めたいことがあった場合、
依頼をする前にまず相手の好意を獲得する必要があります。
相手に好意を抱かせる手段はたくさんありますが、
その中で最も効果的な方法は?
もし、あなたがこの5つの質問の中に、
答えのわからないものがあるなら、
このページは役に立つはずです…
↓
http://123direct.info/tracking/cr/gf9bSVtK/157326/6838219?ts=hs_r_131202
●私が思わず続けてクリックしたのはなぜだと思いますか?それは私の知的好奇心が刺激されたからです。上手い質問ですね。商売をしている方にとっては興味深い質問です。答えが知りたくなりました。
●では次の売り込みページをクリックしておすすめのDVD&CDを購入するでしょうか?購入したいと思う人は上の5つの質問の答えを知りたいという欲求がある人です。なぜ知りたいのか、その答えが自分の商売に役立つと思うからですね。これを必要性が喚起されたと言います。
●必要性の喚起には、これは使えるという「利用動機」と購入しようと決断する「購入動機」があります。利用動機とはそれを使えばどのようなメリットやベネフィットが得られるかが分かって、次への行動が促進される要因のことです。
●購入動機とは対象となる商品やサービスを購入しようと決断を促す要因となるものです。私は「販売のストーリー化」という考えをまとめて紹介していますが、そこでは「必要性の喚起」の大部分は「利用動機」に関するものが占めています。(他にもあります)。
●購入動機は「購入決定の促進」として分けて紹介しています。詳細はまた別の機会に「売上アップ7つの方法」で紹介いたします。今回は両方とも必要性の喚起として進めてまいります。
●この最初の5つの質問は利用動機の刺激です。そして次のページで商品説明が行われ、その利用動機が強化される仕掛けになっています。そのポイントは、このDVD&CDはすでに発売されている著書「影響力の武器」及び「実践編」の2冊ではわかりにくい「商売に焦点を当てた内容」だということです。
●しかも通勤時間にオーディオで学ぼうという利用シーンを提案しています。内容と利用方法において本商品のメリットを訴求しているのです。上手いですね。
●ではこれで多くの人が購入するかというとそうは簡単ではないはずです。なぜなら次に購入動機の刺激が必要だからです。それは購入価格と購入特典と返品保証が主な要素です。
●それと「影響力の武器」で紹介されている「社会的影響力の原理」は主に購入動機につながるものなのです。紹介したコピーは利用動機の刺激から始めて購入動機の刺激へと上手くストーリーが組み立てられているのですが、売っている商品の中核をなす内容は購入動機の刺激だということです。
●で、私はクリックしたページを見てどのような判断をしたのでしょうか?
●私はここでこのDVD&CDの価格は高いと判断しました。約90分のセミナー情報であることから情報量は少ないと思いました。またこの手の情報は一度知ってしまえば繰り返し見るような内容ではありません。
●得られそうな情報と価格とを天秤にかけて、購入のクリックは押しませんでした。
●この教材は使える教材というより知る教材です。それなら最初の質問を自分で考えて、試してみることの方が重要だと思えるのです。その他のことは目次を見て自分で問いをたてて考えるべきでしょう。
●ですが私はダイレクト出版さんの商売を邪魔する気はありません。読者の方が価値ありと認められたなら購入されると良いでしょう。時間との勝負で生きておられる方には価格と消費する時間という天秤もあるわけですから。
■そこでこの情報に刺激を受けて改めて書籍「影響力の武器」と「実践編」の2冊を再読しています。本書では「社会的影響力の原理」として6つの原理が紹介されています。もともとは悪徳商法からの防衛方法や人間関係でミスをしないように書かれたものです。
●6つの原理とは次のようなものです。これを参考に読者の皆さんも最初の5つの問いかけの答えを考えてみてください。私の考えは1週間後ぐらいに本欄にアップします。いま本で再確認をしています。答えには「理由」が必要だからです。こうご期待(笑)
●社会的影響力の6つの原理
①返報性(著書の第2章)
恩恵を受けたら報いなければならないと感じること。
②権威(第6章)
専門家に指示を仰ごうとすること。
③コミットメントと一貫性(第3章)
自分のコミットメントや価値観と一貫した行動をとろうとすること。
④希少性(第7章)
手に入れにくいものほど求めたがること。
⑤好意(第5章)
好意を持つ相手ほどその言動に賛同したくなること。
⑥社会的証明(第4章)
他人の行動を自分の指針とすること。
●尚この本に出てくる問いかけはもっと難しいものです。(私にとってですが)考えるということについては大いに参考になると思います。興味のある方は手に取ってみてください。
ちょっとぶ厚いですよ。<完>
- 登録日時
- 2013/12/04(水) 10:55