▲今回参考にした「影響力の武器」という本と関連書です。
【2013年12月の提案②】
『影響力の武器』を活用する<そのⅡ>
■前回某社のメールレターのCMに触発されて「影響力の武器」という本を再読しながら同社がレターのつかみで出したクイズの答えを考えてみました。全部で5問ありましたがなかなか答えが見つからず、やはりDVDを購入しないと著者の答えは得られないようです。
●ですが、DVDを購入しないで自分の頭で考えてみようと提唱したからには私の答えを紹介します。紙面の都合上5回に分けて掲載します。ほぼ毎日、新規登録をしますのでお楽しみください。まず問題(クイズ)を振り返っておきましょう。
●あなたは、これらの5つの質問に
答えることができますか?(問いかけのコピーは好奇心を刺激するのに有効ですね。問題を提起されると答えを探したくなるのが私たちの性です)。
①顧客に2つの選択肢を提示する場合には、
価格の高い方と低い方のどちらを最初に出すべきですか?
②あなたの提案に乗ることで得られるものと、
断ることで損するもの。
どちらを見込客に伝えますか?
③どんな商品やアイデアにも
メリットとデメリットがありますよね。
では、デメリットはプレゼンの前半と後半、
どちらで言うべきですか?
④あなたの提供した商品やサービスに対して
お客さんがお礼を言ってくれました。
こちらの要求が最も通りやすい絶好のタイミングのひとつは、
相手に「ありがとう」と言われた直後です。
では、この時、何と言うのが最も効果的ですか?
(ヒント:「当然のことをしたまでです」は最悪のNGワードです)
⑤誰かにやってもらいたいことがある時や、
協力を求めたいことがあった場合、
依頼をする前にまず相手の好意を獲得する必要があります。
相手に好意を抱かせる手段はたくさんありますが、
その中で最も効果的な方法は?
●では今回は第1問から考えてみましょう。読者の皆さんの答えと比較しながら読んでください。
●私の答えは『価格の高い方から』です。
●その理由は、これは本書の姉妹版「影響力の武器 実践編」に掲載されていました。(この問題は本書を読む前から私も同意見でした)
●社会心理学の「知覚コントラストの原理(効果)」として紹介されています。それによりますと、「人は価格の高いものを先に見せられて、その後にそれよりも安い価格のものを見せられると安く感じる」とあります。
●つまり最初に高いものを見ていると、その商品に対するその価格が基準になってそれより安いもの(いくらぐらいの格差かは商品によって違う)にお買い得感を感じて、価格への抵抗が薄れるという心理です。
●他にも「もし価格の高いものを拒否する心理が働いても、そのまま断らず価格の安いものを受け入れようとする人が多い」という「拒否したら譲歩法」が効果的に働くと言われています。
●実際の事例はありませんがぜひ販売の仕事をされている方はお試しください。
こういうのは自分たちの現場で自分たちのお客様を相手に試さないと確証は得られません。本に書いてあることを頭から信じ込まないことも必要です。(笑)
●私の経験では、家や車という高額品を購入した時に関連する商品が数万円でも価格に対する抵抗が減って、勧められるままに勢いで購入するということがありました。
●あるいは飲食時に「松・竹・梅・価格」による品ぞろえがあると、真ん中の竹に当たる価格のものを選ぶという習慣があります。一番良いものがこれくらいの価格なら、というのが基準になり、真ん中の価格のものを選ぶのに抵抗が少なくなります。皆さんもご経験がないでしょうか?
●さてこの問題で私が問題意識を持ったことがあります。それではいくらくらいの価格幅なら高いものを示されても安く感じるのかということです。このことについては船井総研の小山会長が開発された「数理マーケティング」で論理的に説明されています。
●興味のある方は小山会長の若き日の著書かお弟子さんの本を参照してください。一つだけ「予算帯の考え方」をご紹介しておきます。お客さんは購買経験のある商品を購入する際に予算をあらかじめ持つというものです。
●それは1万円、2万円、3万円、5万円、(7万円)、10万円を中心とすると、下は8掛け、上は50から60%高いものまでが購入範囲という理論です。1万円の予算帯のものなら8,000円から1万6,000円となります。その間にいくつのプライスラインを設定するのかはお店の政策になります。
●この例でいくと15,000円ぐらいのものを見せてから10,000円のものを見せると安く感じるということでしょうか?これはひとつの仮説ですが・・・。
●丁度12月12日(木)にビジネス知識源というメルマガで有名な吉田繁治氏が有料メルマガで、「ユニクロのファインライン品揃え」というテーマで関連する有益な情報を送って下さいました。
●非常に興味深い内容なので近々「トピックス」として一部を紹介します。品ぞろえを重視する小売業で働く人には必須の内容です。
●以上で第1問に対する私の見解をご紹介しました。参考にしてご自分の状況の中で確信の持てるものを追究してください。
●今回、本書で紹介されている社会的影響力の6つの原理はいずれも該当するものがありませんでした。ですから「影響力の武器」を読むだけでは答えは得られません。実践編も同時に読むか、おすすめのDVD&CDを購入するかしないと筆者の答えは得られないでしょう。
●最後に「影響力の武器」で紹介されている6つの原理を再掲しておきます。繰り返し見ることで自然と頭に入ってくるでしょう。他の場面では役に立つ考え方ですからね。<完>
①返報性(著書の第2章)
恩恵を受けたら報いなければならないと感じること。
②権威(第6章)
専門家に指示を仰ごうとすること。
③コミットメントと一貫性(第3章)
自分のコミットメントや価値観と一貫した行動をとろうとすること。
④希少性(第7章)
手に入れにくいものほど求めたがること。
⑤好意(第5章)
好意を持つ相手ほどその言動に賛同したくなること。
⑥社会的証明(第4章)
他人の行動を自分の指針とすること。
- 登録日時
- 2013/12/14(土) 10:43