▲「コムラサキ」の果実。夏に花が咲いて初冬には実がなるそうです。紫いろは私の好きな色のひとつです。
【2013年12月の提案④】
『影響力の武器』を活用する<そのⅣ>
■「影響力の武器」に学ぶシリーズの4回目です。某社のセールスレターにあった5つの質問の3番目を取り上げましょう。その質問(問題)とは・・・
●③どんな商品やアイデアにも
メリットとデメリットがありますよね。
では、デメリットはプレゼンの前半と後半、
どちらで言うべきですか?
●これも著書には明快な答えを書いたところはありません。ですが普通に考えればメリットから説明すべきだということはわかります。
したがって私の答えはデメリットをプレゼンの『後半』に提示すべきです。
●その理由は、社会心理学の理論を使って説明しなければならないですね。そこで本書を読んでいて行き当たったのは以下の文章です。
●「人は最初に良いと思う(思いこむ)とその決定に固執して、後からデメリットが出てきても受け入れにくくなります。但し小さなデメリットである方が言うまでもありません。」致命的なデメリットでない限り、最初に良いと思ったメリットにこだわるというのは自分の体験上も理解できます。
●コミットメントと一貫性の原理ですね。コミットメントとは「約束」「誓約」「決意」などという意味です。この場合は最初に決めたことは守ろうとして容易に変更しない(一貫性)心理を表しています。
●関連する情報として、「片面提示より両面提示」の方が信頼感を得やすいというのがありました。ある商品やアイデアを売り込む時に、メリットばかりを強調しないで、分かっているデメリットも伝える方が相手は信頼感をもちやすいというのも理解できますね。
●さらに「初頭効果」と「親近効果」というのがありました。初頭効果とは人は最初に提示された情報に強く影響されるというもので、逆に親近効果とは直前に提示された情報に強く影響されるというものです。
●商談の場合は最初にメリットを強調し、次に念のためデメリットを伝えますと言って、相手の反応を確認しながら最後にもう一度メリットを、比較しながら伝えるとか、短くまとめて数項目で伝える(このとき5項目以内にして片手で指を折りながら1つ1つ説明するのが効果的です。)という『サンドイッチ話法』が効果あります。ぜひお試しのうえ確認してみてください。
●もうひとつ参考にしていただきたいことがあります。それは、一般的に相手(お客様)の関心が低い場合には目玉情報を先に出して初頭効果をねらい、関心が高い場合には目玉情報を最後まで残しておく方が効果的と言われています。
●それは関心が低い場合は、関心を持たせなければならないからです。逆に関心が高い(ニーズがはっきりしている、欲しいものが明確である)場合は、最後の目玉情報をダメ押しに使うというイメージです。
●この質問に対する答えを考えるうえで影響のあった社会心理学の理論は3つありました。それは①「コミットメント一貫性の原則」、②「片面提示と両面提示」③「粗糖効果」と「親近効果」です。詳しくはネットで検索してみてください。
●同時に「指折りでまとめる効果」と「サンドイッチ話法」をご紹介しました。これらはプレゼンや商談で効果を発揮します。お試しください。
●では最後に「影響力の武器」で紹介されている6つの原理を継続して掲載しておきます。繰り返し見ることで自然と頭に入ってくるでしょう。
①返報性(著書の第2章)
恩恵を受けたら報いなければならないと感じること。
②権威(第6章)
専門家に指示を仰ごうとすること。
③コミットメントと一貫性(第3章)
自分のコミットメントや価値観と一貫した行動をとろうとすること。
④希少性(第7章)
手に入れにくいものほど求めたがること。
⑤好意(第5章)
好意を持つ相手ほどその言動に賛同したくなること。
⑥社会的証明(第4章)
他人の行動を自分の指針とすること。
●新刊で同じ著者による「影響力の正体」という本が12月に発売されたようです。まだ読んでいませんが新たな学びが得られるかもしれません。また機会があれば読んで紹介をいたします。
●腰痛発症4日目です。薬が効いているのか痛みが和らいでいます。思い切って本文を書きました。ですが長時間のパソコン操作は無理なようです。今日はここまで。<完>
- 登録日時
- 2013/12/18(水) 12:48