▲上記の記号をクリックしてください。チラシ広告診断・評価のサンプルが表示されます。
【2014年02月の提案②】
始まった学習塾の春商戦チラシ広告診断・評価から学ぶ
●1月27日(月)の新聞折り込みチラシは学習塾のものが数点ありました。いよいよ今年の新学期の塾生募集のヤマ場を迎えます。私がかかわる通信業界の携帯電話ショップにとっても春商戦は年間で最も客数、契約者が多くなる時です。
●そこで両業界とも毎年多くの新聞折り込みチラシ広告が多発されます。ですがこの2つの業界ではチラシ広告の内容が全く違います。学習塾業界のものは非常に知的で学ぶことが多い内容と表現になっています。
●一方通信業界は、新規顧客を対象にした過度のキャッシュバック、学割、端末0円訴求がメインで、ほとんど新たに学ぶことは難しいと思います。
●チラシ広告の目的は見込み客の集客ですから、その内容や表現がどうであろうと目的を達成すれば良いのです。ましてや私が「学べること」などを導き出しても、それが成果につながらなければ意味がないわけです。
●それを承知の上でお読みください。私も商圏ごとのお客様の状況などは分かりませんので、チラシ広告の一般論として語ります。通信業界の既存客無視に近い、新規客争奪戦のチラシ広告より、同じような競争激化の中でそれぞれの企業の知恵比べが楽しめるのが学習塾業界のチラシ広告です。
●ではまず1月27日のチラシ分析から。取り上げたのは我が家に投入された「関西個別指導学院」「エディック」「若松塾」のチラシ広告です。尚、昨年も同時期にこのテーマを取り上げたコラムを書いていますので興味のある方はご笑覧ください。
●最初にこれら3社のチラシを上記の記号をクリックしてご覧ください。それを印刷して手元に置きながら以下の文章を読んでください。そして気づいたことをメモしながら考えていただければ良い学習になるでしょう。
●まずチラシ広告をパターン別に分類をしています。誰に何をねらいにして何を伝えようとしているか読み取り、そのチラシをいくつかのパターンに分類しようという試みです。
●携帯電話ショップのものは長年の蓄積で、18ぐらいの細かいパターン分類を行っています。学習塾のものは仕事でやっていませんので、手元に投入されるものをいくつかに分類してみようということで今年から始めました。
●PDF資料には簡易診断コメントを記載しています。内容面と表現面について分けて書いています。内容面のポイントは「何を伝えよう」としているのか、その「ねらい(目的)」と手段であるコンテンツについての診断・評価です。
●そして対象は誰を想定しているかをチェックしています。対象見込み客を絞って具体化しているのか、それとも商圏内のすべての層(小・中・高生)に自塾の価値を伝えようとするものかを区分けしています。
●販売企画の核になる要素である「何を=商品やサービス」、「誰に=特定多数客か不特定多数客か」、「いかにして=訴求するコンテンツの価値やその他の提供価値」を見極めて、それぞれが効果的なものかどうかを評価しています。
●表現面のポイントはデザイン、レイアウト、写真・イラストの使い方、フォント、配色についての視点からチェックすることです。
●それぞれのチェックポイントは評価シートの上に青字で記載していますので、ご自分で評価される際の参考にしてください。あくまで簡易診断ですので細部にわたっての評価はしていないことをご了承ください。
●最後に総合評価として【顧客志向度評価】を★印で行っています。星5つが最高点です。チラシの効果とは別にそれぞれのお店や塾が、チラシ広告や販売ツール、POP広告でどれだけお客様志向なのかを判断する指標です。
●私はお客様へのアドバイスの時に、作り手(訴求側)の意識がどれだけお客様の方を向いているのかを観ることにしています。自社の価値を伝える時に、誰のどのような問題解決、現状の向上に役立とうとしているのかを考えてメッセージは作成すべきと思うからです。
●そうする方が、受け手(読者や顧客)を対象として想定しやすくなり、「共感」が得やすいからです。不特定多数を対象にしたメッセージは自分のこととして受け止められにくいからですね。
●かといって、ごく少数の方を対象にしたのではマーケットは小さくて商売にはなりにくいでしょう。ですから大きな塊として捉えることができる「特定多数」の見込み客を想定することを推奨しています。
●評価につては明確な基準は無くて、私の独断と偏見によるものです。(笑)
またこのことで、集客効果や販売効果が上昇するのかという検証は不十分であることを申し添えておきます。読者が共感されればテストをしてみてください。
●この診断をした2月3日と4日にはすでに今週のチラシ広告が投入されました。今回取り上げた3社に対して今週は2日で7社のチラシ広告が投入されています。いよいよ商戦が本格化してくるのでしょう。内容も変化しています。
●また機会があれば(時間が取れればですが・・・)今月の学習塾のチラシ広告を取り上げて診断・評価をしてみます。なにせ結果がわからないので踏み込みが浅くなります。実際に責任を持って仕事をされている方は、そのねらいと結果の分析から要因を探ることは可能です。
●そこのところは自分たちでテストしながら成功ノウハウを発見していってください。その際に商戦の時期についての分析も必要です。売り手にとっては導入期、展開期、晩期ごとの展開のポイントの違い、顧客にとっては受験生とそれ以外の学生という区分けから、受験前と受験後、入進学前と後というようにとらえて、その時々の顧客心理と行動を想定しなければなりません。
●何か1つでもヒントになれば幸いです。ご健闘を祈ります。<完>
- 登録日時
- 2014/02/05(水) 11:40