▲九州の知人が送ってくれました。マレーシアからの便りだそうです。
「モンキー蘭」という花です。初めて見ました。愉快な気分になりますね。
【2014年02月のトピックス①】
やる気のスイッチを入れて成績がダメな子も伸ばす塾
●立春も過ぎたのに寒い日々が続きます。いよいよソチオリンピックが開幕ですね。浅田真央ちゃん、高橋大輔くんをはじめとするフィギュアスケート陣や女子ジャンプの高梨沙羅ちゃんなど金メダル候補に期待大です。
●準備をしっかりしてきたオリンピック代表選手にとっては、いかに普段の力を「本番で発揮」できるかが課題でしょう。「本番に弱い男」を自認する私は、緊張して力を発揮できない人になんとか頑張って欲しいと願うのです。
●実力を発揮するには何よりも準備すること(練習)が大事ですが、本番の雰囲気に呑まれないためには、中村天風先生の教え、「クンバハカ態勢」をとることだと、稀瀬の里関の記事で書きました。
●少なくともわたしはこれで一応プロの講師として仕事ができるようになりました。そして慣れてくれば意識しなくて済むようになります。ですがオリンピックは一発勝負です。心・技・体の技は練習の賜ですが、本番の日の体調、心の在り方は、練習プラスαが求められます。
●そんなことを思っている時に、全聾の作曲家、佐村河内 守氏のゴーストライーター事件のニュースが飛び込んできました。なぜという疑問と、なぜ今になって暴露されたのかということに興味が湧きます。高橋大輔選手のSPの曲でもあるわけですが、影響のないことを望みます。
●まえがきが長くなりましたが、今日の話題は学習塾のチラシ診断・評価をしている時に、一息入れてテレビを見たら興味深い内容が放送されていました。それは『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40あげて慶応大学に現役合格した話』という本を書いた著者の塾の紹介でした。
●そして今日6日(木)発売の週刊文春の新聞広告で佐村河内氏のスクープ記事を見ていると、その中にこの塾の話が記事として紹介されています。
●さらに同日の無料メルマガ「ダイヤモンドオンライン」の記事のひとつに同塾の塾長(本の著者でもある)の坪田信貴氏のものがありました。問題意識を持つとそれに関する情報が目に、耳に入ってくるという典型です。
●坪田氏の記事は以下のアドレスをクリックしてお読みください。
http://sys.diamond.jp/r/c.do?Ou5_2ymA_li_vow
●私の方はテレビ番組(15分ほど)の内容をダイジェストで紹介いたします。
話のポイントは次の3つでした。
①偏差値を40から70にアップするにはどんな教え方?
②苦手意識を取り除くには?
③ほとんどの親がやっている間違いだらけのほめ方とは?
●塾の所在地は名古屋市です。塾名は「青藍(せいらん)義塾」。150人ほどの塾生がいるそうです。教え方のポイントは・・・
●生徒は塾に来たなら「個別ノート」という今日やることを書いたリストが渡されます。それをもとに「自習」を行い、終わったなら先生と1対1で指導を受けます。
●本塾にはオリジナルの教材は無くて、生徒の能力を見極めて「市販の問題集」を選び、年間計画を決めるそうです。指導は1対1が原則です。
●入塾生の14%が学年で最下位の成績。しかし卒塾する時は4分の1(25%)が偏差値60を超えるそうです。ここでちょっと疑問が湧きました。最下位の14%の人のうちの25%が対象なのか、全入塾生の25%なのかが分かりません。
●全体を100人で計算するとわかりやすいでしょう。100人の入塾があったとすると25%は25人です。入塾生の14%は14人ですからその25%だと3人か4人です。おそらく後者だとは思うのですが、全体からすると3%から4%ですから真実味はありますね。
●その秘密とは?それは講師への研修にあるようです。それは・・・心理学を指導に取り入れているということです。
その公式は「達成意欲×主観的な成功確率×成功の誘因価」(この解説はありませんでした。)
●なぜ心理学を?というアナウンサーの問いに坪田氏は次のように答えています。
「生徒はできないと思った瞬間にやらなくなってしまうんですね。」
「勉強って得意意識があるか苦手意識があるかで決まります。」
「この苦手意識をいかに『できるんだよ』と心理学を使って意識的に変えていく必要があります。」
●坪田氏が入塾面談でする話が紹介されます。
「学年でビリくらいの子は、みんな夢がない人なんです。」
「自信をなくしているから『志望校はない』って言うんです。
そこで・・・
●「東大に入ったら?」ってきく(尋ねる)んです。すると「絶対無理です」と返ってきます。そこで「東大の問題って解いたことありますか?」ってたずねると、「ないです」。では「東大の問題って見たことありますか?」「ないです」
●「やったことも見たこともないものを、なぜ明確にNOと言えるの?」とたずねると「ほんまやな~」となります。
●「この子たちは最初から無理と思っていて目指そうともしません。だから東大の問題の中で、比較的簡単な問題をやらせてみて、できたとすると『これ東大の問題だよ』というと『わたし、東大の問題解けたじゃん』とそれだけで自信になります。」
●まず自信を持たせてやる気を起こす、それが出発点ですとのこと。
●次に親の「ほめ方」について事例を使って説明が行われます。
もし子供が国語で80点を取った時のほめ方は?坪田氏はアナウンサーに質問を投げかけながら解説していきます。
●例えば「80点も取ったって、すごいじゃないか」
「よし、週末にはみんなでごちそうを食べに行こう」
「勉強、頑張っていたものね」
「あと20点で満点か、惜しかったね、もうちょっと頑張ろう!」
これらは全部ダメな反応と断言します。
●みなさんはなぜだか分かりますか?アナウンサーは「80点も取ったって、すごいじゃないか」と言う返事をしていました。スタジオの他のパネラーもほとんど首をかしげていました。
●坪田氏いわく。これらのほめ言葉は全部こちら(親)の価値観じゃないですか。子供は80点という結果が嬉しいのか、コツコツ勉強をしてきたプロセスが嬉しいのかもしれない。
●まず親がなすべきことは『本人の価値観を知ることが必要です』と説きます。ですから『聴き上手でないとダメ』とおっしゃいます。
●このあたりの教えは「わが意を得たり」で、本文を書く動機にもなりました。
私も常々、「事実を把握しないで対策を打つな」、「意識を相手に向けて、自分の言いたい事から始めない」とも申し上げています。
●坪田氏は、アドラーの心理学やNLPの考え方・方法など活用されているのかもしれません。もっと広く、深く研究され実践に生かされているのだと推測しますが、私の見識では断言できません。(アドラー心理学入門やはじめてのNLP超入門という本が役に立つでしょう)
●先の事例がダメな理由は詳しくは解説されません。(テレビ局がカットしたかもしれませんが。)
●スタジオのトミーズ健さんが「なんでダメなん、どうしたら良いの」と質問していましたが、アナウンサーは子供の話を聴いてから褒めるということが大事だと繰り返し答えていました。健さんも「あそうか」と納得していましたが。もう少し説明が欲しいですね。
●「80点も取ったって・・・」は親の価値観を優先して評価的に子供をほめているから心底うれしくはない、「ごちそうを食べに行こう」も評価をして報酬を与えようとしている、これらは親の方が無意識に優位性を持ち、上から下への評価をしています。
●安易にほめる、報酬を与える前に、この機会をとらえて親は子供とのコミュニケーションをとって、よく気持ちを聴いて、子供が劣等感を払しょくして自信を持てるようにすべきだとうことだと思います。
●あとの2つは「まず子供の気持ちを聴いてから」が適切な態度なんですね。
●続いてある女子生徒のインタビューが紹介されました。
「入塾面接のときに塾の勉強内容というより、私の夢を聴いてくださった。そういう塾は初めてだったので、そしてすごく褒めてくれたのは嬉しかった」
●受験を1週間後に控えた女生徒(大学受験)は「とりあえずずっと不安のままです」、それに対して坪田氏は「はっきり言って、みんなそう」「だからこそ、絶対に受かると思ったもの勝ち」、「全員の前で絶対に受かるって宣言してみて」
●女生徒は戸惑いながらも立って「明治大学、受かります」と宣言していました。周りの先生たちは拍手で応えていました。テレビの取材ですからやるように言われたのかもしれませんが、不自然ではありませんでした。
●人は口に出すことで目標を強く意識することになる。これもビジネス教育ではよくやることですね。自分の潜在意識に打ち込んでコミットメントすることで、人はそのことを信念に近づけその後に一貫性のある行動をとるようになります。
●テレビの青藍義塾の教育法のまとめは次の3つでした。
①自分の希望を人前で口に出させる。
②ほめて育てるはあたりまえ。
③最終目標と直近目標を持つことが大切。
直近目標はできるだけ小さなステップでいい。
●おまけに、塾では暗記法も教えるし、勉強を継続する方法も教えるとのこと。
たとえば、切りの良いところで勉強を中断するとその後は継続しにくいので、切りが悪いところで中断する方が、次に勉強机に戻りやすいというような方法を紹介していました。
●ともあれ心理学を活用して、子供のやる気に火を付け受験に対して成果を出しておられるところが青藍義塾の見事なところです。
●坪田氏の著書は小説仕立てで、数年前の「もしドラ」のような装丁になっています。私はさっそくアマゾンに注文しましたが、興味を持たれた方は読んでみてください。役に立ちそうでしたらまた本欄で私の感想を紹介いたします。
小説「ジェノサイド」や「隠蔽捜査」シリーズにはまっていてすぐには読めませんが。それにDVDでアメリカTVドラマ「ダメージ」と「ホームランド」も私の好奇心を刺激しています。(笑)
- 登録日時
- 2014/02/06(木) 14:26