【2014年02月のトピックス③】
羽生結弦の心・技・体と『強運』
●ソチ冬季オリンピックも残すところあと1週間となりました。およそ3分の2の日程が終わりました。高橋沙羅ちゃんが金メダルを取れなかったので今回のメダル獲得はヤバいかな、と思っていたところ羽生選手がやってくれました。
●関係者もほっとされているでしょうね。メダル10個以上というのは難しいかもしれませんが、とにかく金メダルが1個獲得できただけで雰囲気が随分と違うものです。(ジャンプの葛西選手の銀メダルで前回のバンクーバーの獲得数とは並びました)。
●ところで今回のオリンピックのテレビ中継は日本時間の夜中になることが多いです。現地のゴールデンタイムとの時差の関係でやむを得ません。ですからLIVEで見ることなく翌朝に録画中継を観ています。
●私は年齢を重ねたせいか、夜中にトイレに1回は起きます。また直ぐに眠れるのですが、14日(金)は偶然午前3時ごろに目覚めました。枕もとの携帯電話でニュースをチェックしようとしましたが、羽生選手は午前3時半ごろの滑走であることを思い出し寝ることにしました。(笑)
●うつらうつらしていましたが気になります。ワンセグを観ればよいのですが、気弱な私はLIVEには耐えられません。結果を知ってから良ければ観るし、ダメならスルーするという態度です。これでは応援しているとは言えませんが・・・(笑)
●そのまま眠ってしまえば良かったのですがついニュースをチェックしました。3時40分か45分ごろだと思います。「羽生転倒ながら暫定トップ」という文字が目に入りました。「あちゃ、ダメか」とスイッチOFFです。
●そして午前4時過ぎ再度チェック。「羽生金メダル」の文字を見て記事を読んだ後、あわててワンセグをONにしました。しかしすでに中継は終わっていて、NHKのニュースの中で高橋大輔選手のVTRが放映されていました。
●ひとまず安心してまた眠りにつきました。翌朝8時45分からのNHKの録画放送でじっくりチェックした次第です。しかし結果は分かっているのでハラハラドキドキ感は味わえませんでした。(欲張りな横着者です)
●さて今回の羽生選手の金メダル獲得は、ショートプログラムでの世界歴代最高得点の100点越えが大きな要因ですが、フリーの演技は2回の転倒があって、本人も必ずしも満足のいくものではなかったようです。
●羽生選手ご本人がインタビューで「悔しい」と言っていたように、出来栄えは不満足だったのでしょう。観ている方もフリーは「凄い!」と叫べず、消化不良のような気持ちでした。(寝ていてよく言えたものですが・・・笑)
●すでに多くの皆さんがテレビで観ておられることなのですが、羽生選手の金メダルの大きな要因は、世界王者、カナダのパトリック・チャン選手のフリー演技の失敗にあります。
●チャン選手が普通に演技していれば羽生選手は銀メダルだったでしょう。ところがチャン選手もプレッシャーに弱いという記事が新聞に出ていました。本人が「本番前は手術室に行くような気分だ」と語っているそうです。
●この2人をスポーツ選手の基本要素である「心・技・体」で比較してみると、「こころ」は2人ともオリンピック独特のプレッシャーを感じていたようです。違いは失敗した後のこころのコントロール力に多少の差があったのでしょう。
●羽生選手は前半で2回失敗しましたが後半は見事に滑りきりました。対してチャン選手は出だしが良すぎたのに、1度失敗をするとその後に小さなミスを重ねてしまいました。おそらく1度の失敗で心が乱れたのでしょう。
●私たちも日常経験することがありますね。ビジネスパーソンなら仕事で、奥様なら家事で、学生さんは試験で、私なんぞは湯たんぽにそそぐお湯の入れ方で(笑)。一度乱れたこころを平静に戻すことが容易でないことは知っています。
●「技」には大差はなかったと思います。羽生選手は4回転サルコウという成功率の高くないジャンプに果敢に挑戦しました。失敗は織り込み済みだったと新聞には書いてありました。これが良かったのかもしれません。
●直後の4回転ジャンプは成功して立て直しましたから。ところがその後の3回転でのミスが想定外だったようです。ですがその後はよくぞ頑張って滑りきりました。ここが勝因でしょう。
●失敗も想定内であったというのは心理的に有利です。1つも失敗はできないと思いこんでいると、心の乱れは容易に修正できません。羽生選手とチャン選手の技量には大差がなく、やはりこころの働きが勝敗を左右したようです。
●では「体」はどうだったでしょうか?体つきは羽生選手の方がやや優勢です。長い手足、小さな顔、しなやかな身のこなしは外観だけでも1流ですね。顔は2人とも美男子です。勝負が終われば子供の顔に戻る羽生選手も試合中はきりりとした若武者に見えますものね。
●体型は羽生選手がやや有利。あのスタイルはフィギュア選手としては強みでしょう。羽生選手に続いて演技をしたチャン選手はやや太めに見えてしまいます。審査員も影響を受けたのではないでしょうか?2人の演技の間隔が空いていればまた違った結果になったかもしれません。
●専門家でない私の見解ですが、「心・技・体」については、ほぼ的を得ていると思います。ですが結果は金メダルと銀メダル。オリンピックでは天と地の差があると思うのでこれだけの分析では理解できない部分が残ります。
●それは勝負における2人の「運の差」があるのではないかということです。羽生選手には「ツキ」がありチャン選手には無かった。そう思います。ただ私は、この「運」というものを客観的に説明する術を持ちあわせておりません。
●私たちは、何か見えざる力が働いたとしか思えない時にこの「運」という言葉をよく使います。今回の2人選手を見ていると羽生選手には大いに「ツキ」があったと思えます。
●できればそれが何だったのかを知りたいですね。どなたか専門家が解明してくれるかもしれませんので注目していきたいと思います。「人事を尽くして天命を待つ」という言葉があります。運=天命の正体とは何か、興味が尽きない命題です。何か分かれば本欄で紹介いたします。
●残るは浅田真央選手の金メダルへの期待です。下馬評は必ずしも良くありませんが、なんとか金メダルを取らしてあげたいですね。真央さんは「最後の五輪で、自分の納得する演技をすることだけを目指している」と語っているとニュースは伝えています。
●そうです、それでいいんです。それで結果が金メダルになるかは正に真央さんの「運」がどれだけあるかでしょう。ソチのリンクに見えざる力が働くならば、どうか真央さんに微笑みを!<完>
- 登録日時
- 2014/02/17(月) 13:37