今月読んだ本 サスペンス小説『告白』 湊 かなえ著 双葉社
●自宅で仕事をしていた11月6日(木)の夕方、ひといき入れてテレビをつけたら関西のワイド番組「ちちんぷいぷい」で司会の西アナウンサーが図書の紹介をしていました。なにげなく眺めていると、表題の本の紹介がはじまりこれは面白いと言っています。聞いた事もない作家なのでふーんと思って聞いていたのですが、少しあらすじを紹介しながら、最後に「第1章の最後の51Pを読んだらぞっとしました」と好奇心を刺激するメッセージを発信しました。その場でゲストの堀ちえみさんが「読んでみよう」と真剣な顔で言っていました。
●翌日外出する予定がありましたので出かける途中に近所の本屋さんに寄りました。「告白」という本は入荷したところなのか10冊ぐらい荷出しの途中のようで、他の本の上に積み上げられていました。早速購入しようとレジに持っていったところ、女性の販売員の方に「テレビをご覧になったんですか?」と尋ねられました。「そうです、西さんがうまいこと言ってたからね」と返事をすると「私も読んでみようと思ったんですよ」と嬉しそうに言われました。本屋さんで声をかけられたのは初めてなので驚きましたが嫌な気分ではありませんでした。
●さてとにかく51Pまでは読もうと読みかけましたが、この小説は私の読書歴では初めての構成です。主人公(?)の女性教師が自分が勤める中学のクラスの1年生の終業式の日にみんなに、今日で辞職するからということで話し出すことではじまるのです。この告白がこの小説のはじまりなのですが、最終の6章まで全て関係者の独白形式で構成されています。以降論文、日記、回想、遺書、電話などの形式ですが、これがまた独特の味があり惹き付けられます。サスペンス小説ですから先を読まずにはおれなくなります。私は51Pまで一気に読みましたが、ぞっとはしませんでした。しかし怖いなあ、こんなことするかと思いました。小説としては上手いと感心しました。
そしてその日の仕事を終えてから残りの5章を一気に午前0時までかかって読みました。こんなに早く読み終えた小説は久しぶりです。とにかく面白い。
●この方は35歳の新人作家で本作品がデビュー作だそうです。私は文学についての見識はありませんが、小説は面白いと思うものが好きです。皆様も秋の夜長に読まれてはいかがでしょう。暗く重い内容ですがおススメです。
- 登録日時
- 2008/11/08(土) 23:30