▲アセビの花:花言葉は「清純な愛」「犠牲」「献身」遅ればせながら韓国時代劇ドラマ「イ・サン」を観ていますが、ソン・ソンヨンの生き方そのものですね。小説も読んでいます。
【今月の提案②】:部門経営者のための「仕事ができる人になるための習慣」:その4の前篇
ドラッカー教授の『経営者の条件』を素材にして導き出す
このまとめは経営コンサルタントの吉田繁治氏がドラッカー教授の古典的名著である「経営者の条件」をベースに著述されたメルマガを要約したものです。
原文は7回シリーズで書かれていてA4用紙で100枚近くあります。
同社のホームページ「ビジネス知識源」で無料版として公開されています。
格調高い文章で記述されていますので興味と時間のある方はそちらを参照してください。(2005年12月から2006年1月で検索すれば容易に見つかります。)
尚、本文は大幅に編集して要約しています。文責は私にあります。
5つの習慣のうちの最後です。【意思決定】がテーマです。前篇と後編の2回に分けて掲載します。
■【習慣⑤】成果に焦点を当てて意思決定をすること。
意思決定は、エグゼクティブの任務(ミッション)のうち、最も重要なものです。時間を使えば有効な意思決定ができるというわけではない。能率的な仕事の方法はある。しかし効率的な意思決定の方法はない。そもそも、意思決定において「方法」といえるものがあるのか?ドラッカーの面白さは、こういったところにまで、解答を探そうと試みることです。(重要です)
●「能率的」と「効率的」の違いは何か、考えてみてください。本欄に私の解釈はアップしてあります。(2013年1月掲載)
■ その解答を①姿勢 ②方法 ③実行 ④成果にまとめ、公式にして言えば以下のようになります。
【原則① 姿勢】
個々の問題としてではなく、戦略的に、一般的な問題として考えなければな
らない。
問題は個別に現れます。しかし原因には共通性があることが多い。共通の原
因を見つけ、解決策を決めることを、ドラッカーは「戦略的」な意思決定と
呼んでいます。
有効な意思決定は、起こった問題への対処だけではなく、共通原因への対策
です。システマチックな対策ということもできます。システムとは、問題解
決という目的をもった仕組みです。
【原則② 方法】
一般原則に基づいて(戦略的に)意思決定を行うべきものと、個別の異なる
事情に基づいて(個別に)意志決定すべきものを分けなければならない。
一般とは、共通性があって、他の多くのことに通じるという意味です。特殊
とは個別的、例外的なことです。何が一般的で何が特殊かという判断は、知
識によるしかありません。
●(自問自答してみてください。ちょっとご自分の仕事の経験を書き出してみればよく理解できます。)
【原則③ 実行】
意思決定のプロセスにおいて最も時間をとるのは、意思決定そのものでは
なく、意思決定の実行である。意思決定は、(現場の)仕事のレベルにおろさ
ない限り、意思決定とは言えず、「よき意図(またはアイデア)」に過ぎない。
意思決定は、現場での実行(Plan→Do→Checkのマネジメント)にまでコ
ミット(関与)しなければならないということです。
【原則④ 成果】
成果をあげる意思決定には、概念的で高度な理解が必要である。しかし実行
のための行動は、可能な限り単純なものでなくてはならない。現場が実行で
きなければならない。
現場の仕事は、普通の人が実行できるように、単純にして手順化が必要です。
■ ドラッカーは意思決定が有効である前提条件として科学の概念である「境界条件」というものを使っています。
境界条件とは、あることが有効なものとして成立するための前提条件のことです。例えば・・・
「三角形の3つの角の和は180度である」という幾何学の真理は、三角形が平面上に直線で書かれたものであるという前提(=境界条件)を持っています。
平面ではなく、球の上に書かれた三角形(境界条件とは違う状況)では、3つの角の和は180度より小さくなり、180度は真理でなくなります。
境界条件を簡潔かつ明確にするほど、意思決定は成果を上げるものになり、達成しようとする成果を上げる可能性が高まる。逆にいかに優れた意思決定に見えようとも、(その意思決定が有効な)境界条件を明確にできなければ、成果が上がらないことは確実である。
意思決定に当たっては、この決定が有効である目的と境界条件は何であるかを、常に明確にし、書き下ろしておかねばならないのです。
●これはとっても大切なことです。<続く>
- 登録日時
- 2014/04/16(水) 11:08