▲今回の花は「ポピー」日本名は「ひなげし」昔アグネス・チャンさんの歌がありましたね。虞美人草とも言うそうです。夏目漱石の小説のタイトルです。
花言葉は「いたわり」「おもいやり」「慰め」「眠り」、乳母車に乗せられたよく眠っている赤ちゃんを見かけるようになりました。春は眠くなるのが自然です。
【今月の提案➂】:部門経営者のための「仕事ができる人になるための習慣」
ドラッカー教授の『経営者の条件』を素材にして導き出す
このまとめは経営コンサルタントの吉田繁治氏がドラッカー教授の古典的名著である「経営者の条件」をベースに著述されたメルマガを要約したものです。
原文は7回シリーズで書かれていてA4用紙で100枚近くあります。
同社のホームページ「ビジネス知識源」で無料版として公開されています。
格調高い文章で記述されていますので興味と時間のある方はそちらを参照してください。(2005年12月から2006年1月で検索すれば容易に見つかります。)
尚、本文は大幅に編集して要約しています。文責は私にあります。
5つの習慣のうちの最後です。【意思決定】がテーマの後編です。
■ 成果を上げる意思決定は、事実を多く集めれば正しい判断ができるかといえばそうではありません。事実にもとづく判断は必要条件を満たしていますが十分条件を満たしているとは言えません。
なぜなら、事実の認識そのものに判断が含まれ、事実と思えるようなことも実は「意見」だからです。
意見は事実の認識からくる見解です。意見は真理とは違います。意見は未検証の部分が残る仮説です。(仮説とはこうに違いないというアイデアを論理的に組み立てたものです:筆者)
意思決定も、科学と同じように、仮説が唯一の出発点である。
仮説とは、科学における仮定です。その仮定に反することがないという境界条件の中で、真理とされるものです。
事業での決定は未来に関わる事です。未来はまだ起こっていない。つまり起こった事実ではない。そうしたことについて決定を行わなければならない。
●実態という事実を把握して考えることは大切です。ですが私たちは事実を自分が見たいように見るという性癖があることを知っておかねばなりません。
その場合はそこに自分の意見が入ります。それは避けられませんから、なぜそのように解釈するのかという理由(根拠)を考える習慣が必要です。
ドラッカーは事実からではなく異なる意見(仮説)を検証しながら意思決定をすることが必要だと教えています。重要なのは正しい問いを発し、検証すべき仮説(意見)を明らかにすることだとも言っています。
■ 会社の命運を分けるような大きな投資が有効であるかどうか、どう判断するか?評価基準は多様にあります。
例えば
①投資の回収期間の長さ、短さという評価基準
②投資の利益率という短期の基準
③投資がもたらす利益を金利とリスクで割った現在価値という評価基準
回収期間、短期の利益率、将来利益の現在価値のどれを重視するかという評価のそれぞれで、投資が有効かどうかの判断は分かれます。
ドラッカーは正しい意思決定には、適切な意見の不一致が必要である・・・この決定がいかなる意味を持つかについて深く理解するために、意見の不一致を(意識して)生み出すことであると言っています。
人は皆、異なる現実を見ています。従って
①意思決定を行う人は、誰であれ、暗黙の前提条件の囚人になっています。
ついつい自分の起案と判断にそった都合のいい事実を集め、異なる状況が起こったときのリスクを軽く見ているからです。
②異なる意見(反対も含む)は別の選択肢を見せてくれます。
他の選択肢と比較検討されていない決定は「ばくち」です。事業の意思決定は賭博であってはならない。
③異なる意見は、想像力を刺激します。異なる状況、現実、問題を見せてくれ
る。
事業においては、未来に向かった想像力が必要です。意思決定は、未来への想像や構想での戦いだからです。構想力と言ってもよい。
■ 異なった結論に達している人は、自分とは違う現実や事実を見て、決定後に起こる異なる問題に気がついているかもしれない。
エグゼクティブは以下のように自問せねばならない。
もし彼の意見に筋が通っていて、合理的で知的なものであると仮定すれば、一体彼は、どのような事実を知り、どのように認識しているのか?
意思決定にあたっては、
・「誰が正しいか」という権威主義、権力主義、言い換えれば知的責任の放棄ではなく、
・「意見を比較検討した上で何が正しいか」を求めなければならない。
更に、自分の見方が唯一のものであるとしてはならない。誰でも自分の見方、認識、意見からしか出発はできない。しかし、他の人も、他の見方、認識、意見を持っていると想像しなければならない。
誰が正しいかではなく(権威主義)、何が正しいか(事実主義)という観点からの意思決定でなければならない。
■ 次は決定したことの実行です。実行に当たって重要なことは、意思決定に
おける大切なことと異なります。
一旦決定されたことは、反論を述べた人も実行しなければなりません。反論を述べたから実行しないというのは実行責任の放棄です。
決定したことには、実行では全員がそれに従うことをルールにしなければいけません。そして決定が誤っているとわかったときは、即座に修正を行います。
成長する組織で、もっとも重要なことがこれです。
意思決定は不確実な未来の成果を予測して行うものです。
もし仮に、意思決定が誤っていたとしても、致命的なことになる前に、修正ができること。
決定したことは、実行と成功へコミットメントすること。
大切なことは、「決定を成功させること」へのコミットメントです。
エグゼクティブは、意思決定だけの責任ではない。
決定のあとの実行の仕組みづくり、すなわち、実行者チームと手順づくりと、実行の結果である成果にもコミットメントしなければならない。
成果をあげることは、持って生まれた才能ではなく学習で習得できるとドラッカーは言っています。そのためには、最初にあげた「5つの習慣」から始めることです。
<完>
●以上でドラッカー教授が提言された仕事ができる人になる5つの習慣の解説は終わりです。
●これらの5つの習慣をすべて実行ができれば「仕事ができる人」になれるでしょう。ですが実行には1つ1つ確実にモノにしていく必要があります。1か月に1つでもやり続けるのと、何もしないのでは5か月後に大きな差がつきます。
ぜひ共鳴された方は実践をしてください。
次回は最終回として補足を書きます。
- 登録日時
- 2014/04/18(金) 12:43