▲日に日に緑も濃くなり、花も咲き乱れる季節です。散歩をすると目には花や緑、耳には鳥の啼き声、肌には爽やかな風と、とっても気持ちがいいですよ。
今回は「ネモフィラの花」です。花言葉は「清々しい心」を選びました。
【2014年05月のトピックス①】
ファミレス『デニーズ』の改革から学ぶこと
●今回もメルマガから学んだことを共有したいと思います。著者は「日経MJ
に見る」の濱本克哉氏で5月14日付のものからです。
●取り上げられているのはデニーズの社長に就任し、同社の改革を成功させつつある(業績が回復しつつある)大久保恒夫氏のトピックスです。
●大久保氏はイトーヨーカドー出身(有名な業務改革担当)で当時の鈴木敏文社長の下で活躍後、コンサルタントに転じ、ユニクロや無印良品の改革に携わり、その後はドラックイレブンの社長、成城石井の社長を経て、デニーズの社長に就任された輝かしい経歴の持ち主です。
●私の手元にはドラックイレブンの社長時代に書かれた「また一歩、お客様のニーズに近づく」という著書があります。随分と参考にさせていただきました。
この本にはいくつもの付箋が残っています。
●さて今回のメルマガでは濱本氏は「大久保流」改革の3か条を紹介してくれています。それは・・・次の3つです。
①たくさん言わない。
やって欲しいことが10個あったら、成果があがる3つに絞る。
②難しいことを言わない。
誰でも理解できるレベルに落とし込んで指示をする。
➂指示したことを言い続ける。
根本的で長期的な視点に立った解決策を明確にして、実行できるまで言う。
●具体的に大久保社長は就任後次の3つを指示しました。
①お客様へのあいさつ
②おいしい料理の提供
③きれいなお店
●ご自身の基本的な考え方どおりの実践をされています。
その結果、メルマガでは途中は省略されていますが次のような変化が現れたとのことです。
それは・・・
●以前の店長は地区長の命令に従うだけだったが、人は自分で計画を立てない限り実行しない。(この表現では不十分ですね。実行はするのでしょうが、心がこもっていないとか、創意工夫がされないということでしょう→筆者の見解)
●今は本部の経営方針に沿って地区長が独自に考え指示を出し、どうやればその指示どおり実行できるか、店長が従業員と一緒に考えるようにしている。
(このあたりも具体例が書かれていないので、どのようなレベル、内容の指示を行い、それ以下は店に任せるというようなことは伺うことができません。)
●この部分は大久保社長の3つの指示(方針)のあと各地区長はどのような指示を出されたのか、興味深いですね。また地区長によって指示内容の違いはどのようであったか、その結果の成果も内部のものでないとわかりませんが。
●ここは真似をするなら試行錯誤をするしかありません。あなたならどうしますか、考えてみるのも良い勉強になります。
●さてこの改革のねらいは、細かなアイデアが下から(現場からでしょうね)どんどん湧いてくる組織(風土、文化のこと)にするということのようです。
それが組織の活性化になり、業績の向上につながるということなのでしょう。
●この組織も上下関係は明確にあり、上(幹部)は何をして、下(現場の従業員)は何をするかという役割はあるのでしょう。そのことは多くの他の組織と変わりがないのですが、大久保社長は小売業やサービス業は、お客様に最も近いところで働く従業員の意識や行動、知恵が重要だと分かっておられるのです。
●これを生かす組織体にするのが幹部の仕事(役割)と認識されているからこそ、改革3か条の➂番目にある「根本的で長期的な視点に立った解決策を明確にして、実行できるようにする」とおっしゃっているのです。このことに気づいた経営者、幹部は100万両を得る=(松下幸之助)ことになるのです。
●また3つの指示のもとになるのは、市場を「おいしものをゆっくり食べたいというニーズは着実に高まっている」という【とらえ方】に現れています。
●しかも社長としてそのニーズに対応するための『実現する仕組みづくり』という重要な任務を行っておられることです。このあたりもプロの経営者の定石どおりです。
●例えば、商品開発において(おいしい食事を提供するという方針のもと)
①顧客の声をメニュー開発に反映させる。
②食材の仕入れ先と共に開発をする。
③メニューを毎月見直し、どんどん入れ替える。
という『仕組み』を創りあげておられるのです。
●現場の従業員の知恵を生かすには、何を考えれば良いのかという「目的」を明確にしなければなりません。目的が明確になれば手段は考えやすくなります。
組織の幹部たちはまずこの当社の目的は何かについて考え抜く必要があるでしょう。
●今回のトピックスでは、最前線でお客様と接する人たちの「応対を気持ちよくする」とか「店をいつもきれいに保つ」ことも重要な課題ですが、それ以上に「おいしい料理を提供する」というレストランの本命の課題に従業員の知恵を向かわせる『仕組みを創っておられる』ことが素晴らしいと思います。
●お客様の具体的なニーズは現場にあるのですが、それを収集して商品開発に活かすには、従業員を作業員として配置するのではなく、お客様の購買代理人としての役割を持たせることが必要だと思いますね。
●小売り・サービス業における組織を活性化し、お客様の満足を実現するには経営幹部は何をしなければならないか、また現場の店長や従業員は何に集中すべきかが学べるトピックスでした。ぜひ参考にしてください。<完>
- 登録日時
- 2014/05/15(木) 08:43