▲バラの花の季節です。バラは花の女王のようです。花言葉は色によって違うようですね。ちなみに黄色は「嫉妬」、ネットで良い言葉を探したら「君のすべてが可憐」というのがありました。引き続き韓流時代劇「イ・サン」を観ていますが、ソン・ソンヨン役の女優ハン・ジミンさんにぴったりですね。(笑)
【2014年06月の雑感①】
2人のアイドルの違いから思うこと
●5月の末のことです。テレビ大阪(テレビ東京系)の「なでしこ大食い・・・」という番組を見ていて思ったことを紹介します。この番組はブラックマヨネーズの2人がMCを務める大食い女子タレントを使った食べ歩きものです。
●この週のゲストは長嶋一茂とAKBの峯岸みなみでした。東京の下町の隠れたグルメ飲食店をバスでハシゴする内容です。大食いなでしこのメンバーは毎回少しずつ入れ替わります。
●今回はアンジェラ佐藤、三宅智子に新人の【もえあず】こと【もえのあずき】が出演していました。【もえあず】は秋葉原のアイドルらしく最近の大食い競争番組で上位に入賞していました。
●私がなぜこのような番組を見ているのかという理由はさておき(笑)番組内のあるできごとでふと思ったことは、ビジネスにおける人材育成やコミュニケーションに役立つということでした。
●それは都バスで移動中の出来事です。アイドルは峯岸みなみと【もえあず】です。この2人のアイドルとしてのレベルの差から学ぶことができます。それを紹介しましょう。
●まず、最初は【もえあず】から。ブラマヨの吉田がバスの移動中、次の停留所で降りるので【もえあず】にアイドルらしく降車告知ボタンを押してくれと振ります。
●急に振られた【もえあず】は咄嗟に『にこっと笑って、両手を開いてあごの下に置きながら、首を傾けて、ピンポーンと言いながら押しました。』吉田はすかさず峯岸に「今のはアイドルとして何点」と振ります。峯岸はすかさず「45点!」と叫びました。理由は説明されず、このシーンはここで終わりました。
●次の移動のバスの中のシーンでも同じ状況が来ました。吉田は、今度は峯岸にそれでは先輩アイドルとして模範を見せてください」と振ります。そこでとった峯岸のパフォーマンスは見事でした。それは次のようなものでした。(但し、メモを取っていなかったので私の記憶はすこしあやふやです。そこのところはお許しください。すこし言葉は違っているかもしれません。)
●峯岸は普通の顔でテレビカメラに向かいながら「あれっ、なんか元気ないね、五月病かな?そんなあなたのやる気スイッチを押すからね、(ここで笑顔になって)ピンポーン!」そして決めポーズは両手を開いてあごの下に添えて顔を傾けました。もちろん笑顔のままです。
●周りのメンバーからは一斉に拍手です。吉田が「これが100点のピンポーンです」とフォローしていたように思います。ですがこの件はここで終わりです。放送シーン以外ではフォローがあったかもしれませんが、視聴者は2人のパフォーマンスの違いを見せられただけです。
●番組の主題はここにはありません。なでしこたちがどれだけたくさん食べるか、東京にはこんな隠れたグルメがあるということの紹介ですから、2人のアイドル対決は余興のようなものです。
●ですが私はこの経験豊富な峯岸とテレビでは新人の【もえあず】には大きな格差があると思いました。そしてその格差を埋めるにはあるポイントに気づかないといくら経験を積んでも【もえあず】は上達しないと思うのです。
●このシーンは、職場で先輩と後輩、上司と部下の指導ポイントの参考になります。それは何だと思いますか?あなたが先輩、上司ならここで後輩や部下にどのようなアドバイスをされるでしょうか?
●ちょっとご自分の考えをまとめてみてください。
●まず【もえあず】のパフォーマンスから講評してみましょう。彼女の反応は「アイドルとはこうするものだ」という自分の考えに基づいて、可愛い子ちゃんポーズをとりました。おそらく教えられたのか、秋葉原でお客さんの反応が良かったからそうしたのでしょう。
●ですが峯岸の評価は45点でした。番組では評価基準も理由も説明されませんでしたから、周りも、視聴者も、【もえあず】もなぜ45点なのかは心底分かっていなかったでしょう。ですから次の機会に峯岸に「おまえ100点満点をやってみろ」ということになったと思います。
●峯岸は見事に先輩として1つの優れたパフォーマンスを見せました。ですが何が、なぜ良かったのかは明らかにされていません。これは売場などでの接客ロールプレイイングでも同じようなことが行われている場合があります。
●先輩の後輩指導、上司の部下指導でも、『何が、なぜ良かったのか』『いかにすればできるようになるか』、『タイミングは最適か』など、【内容と表現方法、タイミング、注意点などを根拠(理由)付き】で説明されなければ、学ぶ方は身に付きません。そのあとの練習は本人次第ですが・・・。
●今回の事例の最大の学ぶポイントは、アイドルとして『意識がお客様(視聴者)に向いているか、自分の方に向いているか』の違いです。
●意識が自分に向いていると、まず自分のセールスポイントを強調しようというパフォーマンスになります。ところが峯岸のように、意識が視聴者に向いているとまず相手の状態を想定して、そこに向けてピンポイントでパフォーマンスをしますから、その人たちにとっては非常に共感が得やすくなるんですね。
●テレビですから多くの不特定多数の視聴者が見ています。そこで峯岸は「元気のない若者を想定して、五月病かなと投げかけて、対象を絞り込んでいます。」それでもテレビは全国ネットですから、多くの人々が対象になります。私はこれを特定多数の塊と呼んでいます。
●その人たちへ峯岸は「起承転結」のメッセージを送っています。起は「あれっ、なんか元気ないね」、承は「五月病かな?」、転は「そんなあなたのやる気スイッチ押すからね」、そして結で「ピンポーンと笑顔の可愛い子ちゃんポーズ」を決めています。見事なパフォーマンスですね。【もえあず】とはレベルが違います。峯岸の45点の評価は正しいと思います。
●①意識を相手に向ける ②対象客を絞り込んで想定する ➂起承転結のメッセージとパフォーマンスで相手を惹きつける。これらを咄嗟にできる峯岸みなみは本物のアイドルです。(私生活の失敗で坊主になっていましたが、仕事の技はプロレベルだと思いますね。)<完>
- 登録日時
- 2014/06/04(水) 10:00