▲今回の薔薇の花は「オードリー・ヘプバーン」と名付けられた品種です。白い花は好きです。北原ミレイさんが歌う山崎ハコ作詞・作曲の「白い花」も好みの1曲です。
【2014年6月の提案①】
ビジネスパーソンの能力五角形で最強の自分を創る!<中篇①>
『思考力について考える』
■昨年8月に本題の前篇を書きながら放置していた記事です。チェックをしていて見つけました。読まれていた方には申し訳ございません。今回、中編と後編に分けてお届けいたします。興味のある方は2013年8月の前篇を再読してからお読みください。
●残る3つの能力+管理職の「影響力」についてねらいと概要を述べましょう。残る3つとは①思考力(戦略的思考力)、②対人力(リーダーシップ&マネジメント力)、③知識です。そして管理職編では知識にかぶせているのが影響力です。
●五角形の図表につきましては新たに改訂版を作成しましたのでアップしておきます。【上記の記号をクリック】すれば見ることができます。
●では思考力から解説していきましょう。ここで「思考力について」考えるのにふさわしく、私が使っているフレームワーク(フォーマット)に従って書いて行きます。
●私が研修テキストなどを制作する場合に使う基本フレームワークは①言葉の意味(定義)②ねらい(目的)は何か ➂手段・方法・手順 ④注意点そして本論の手段・方法。手順についてはできるだけ⑤事例で提示するというやり方です。
●少しアレンジしていますが、この流れに沿って進めていきましょう。まず①思考力とはどういうことでしょうか?皆さんもご自分の考えと照らし合わせながらお読みください。
●思考力とは対象(テーマや課題)に対する頭の使い方であって、よりよい成果を生み出そうとする働きです。人によって上手下手があります。しかし反復練習によって思考能力はアップすることができる分野です。いかがでしょう?
もっと良い定義があれば考え出してください。
●②思考力が必要な理由(つまりねらいは?)・・・これはどうでしょう?
私は『現状をそのままにしないで、変えることでさらに良い状態(状況)を創り出すのが人として生きることであるから』、としました。現状に甘んじることなく常に進歩向上をめざして、心と頭と体を使って考え、行動するのが人の生きる道と思うからです。
●これも他のねらいが考えられます。その人の価値観によって頭の使い方は変わってきますからね。みなさんもご自分の考えをまとめてみてください。
●次に➂思考力にはどのような分野があるかを整理しておきましょう。1つではないはずです。私は次の3つに分類してみました。このように「分ける」という行為も思考力の1つですね。分けるとわかりやすくなるのです。
(『分かりやすくする7つの方法』というのをまとめています。機会があればご紹介します)。
●1、問題を解決する。これには起こった問題に対して対処するという行為と問題を見出してより良い状態を創り出すという課題解決の行為があります。これは世の中に多くの参考書が存在しています。(最近では高田貴久氏らによる「問題解決」という優れた本が英知出版より刊行されています)。
●クリティカルシンキングやロジカルシンキングという内省的に思考するための技術はこの分野に有効な考え方と技術です。
●2、具体的な姿やカタチとして鮮明にイメージする働きのことです。例えば絵を描く、音楽を作曲する、仏像や陶器を創るというときに頭の中に自分が創りたいものを具体的にイメージしていきますね。そういう頭の使い方です。
●3、アイデアを創出してそれを具体的なものに変えていく頭の働きです。創造性開発と言われる分野です。商品開発、広告宣伝、イベント企画、建築設計などがその事例です。クリティカルシンキング、ロジカルシンキングともに、水平思考と言われるラテラルシンキングが求められます。
●3つの違いはお分かりいただけたでしょうか?2と3は似ているようですが、3の方は想像するというより仮説を立てたものを実証していくという行為です。芸術的というより、ビジネスの現場に近い思考方法です。
●これらの3つの思考方法には手段・方法・手順が必要です。その前に知識との違いについて書いておきます。
知識とはあることについて知っているか否かということです。知識は人のために役立てることはできますが、むやみに知識を他の人に与えることは考えることではありません。
●相手の状況を掴んで、相手が自力で問題解決をするのに役立つ、最適な知識を提供するというのは思考の働きです。これは1の問題解決にあたります。
●手元の身近な事例を書いておきましょう。困ったことを解決する(トラブル解決)例えば水道が壊れた、家電製品が故障したというときの修理などは現状を元に戻すという問題解決の知識です。これは概ね専門知識ですから教えられても簡単にはできませんね。
●もうひとつのあるべき姿に向かって手段を提供する知識には、例えば「保険のみつばち」という企業があります。ユーザーによって現状を診断して、より良いものを提供するという問題解決の知識です。
●最後に思考の具体的な方法、手順について1例をあげておきます。これについては世に中に先ほど紹介した高田氏の著書以外にも多くの参考書が市販されていますのでそれらを参照してください。
●私が長年使っている課題(問題の中から自らが取り組むと決めたものをそう言います)解決の手法・手順の要点は以下のとおりです。
1)現状実態を把握する。(事実と意見を可能な限り区分けする)
これはなかなか難しいことです。明確に峻別できませんが、事実と意見の違いを知っておくだけで良い現状把握ができます。
2)何が要点(ポイント)なのかを探る。→1つに絞れないこともある。よくわからない場合も発生する。要因や原因だけでなく、推進のテコになることとか、キーマンを見つけることなどもあります。
3)解決策を考え、選ぶ。→解決策を考えるときは2案ないし3案を考える。失敗した時の撤退のことも考えに入れておく。
要点がつかめないときは解決策の仮説を立てて実行するようにする。
4)実行体制を5W2Hで計画化する。→タイミング(いつ)が大事。
5W2Hっていうのは仕事の基本として実践的に役立つ知識です。
5)実行しながらのコントロール、修正も行う。→柔軟性が重要です。
6)結果を検証して次に生かす。→一過性のものは仕掛けのメニューにして残すが、根本的に解決が必要なものは「仕組み」として創り直す。
得られた結果から学ぶことはとても重要なことです。
●近年、私はこの手順の中では、1)と6)を重要視しています。自分が仕事を請けるときにはこの2つのステップを提案します。時には費用の関係で受け入れられない場合がありますが、ここを軽視するとその後の実践では効果が半減します。
●さらに絞り込むなら、『結果を検証して次に生かす』ことをお勧めします。経験上、このステップで思考力を駆使することが成功への近道だからです。しかし多くの人が、済んだことから学ばず次々と新しいプランに取り組みたがる性癖があるように思います。
●プロ野球で成功する助っ人外人は、殆どベンチにノートを持ち込んで試合中にメモをしています。投手にしろ、野手にしてもこの習慣がある人が成功する確率は高くなっています。
●なぜなら仕事の実践は『いま、ここで』起こっていることに対処し、そこから学び次に生かすということで成り立っているのです。単なる作業の繰り返しであっても、何も考えずに行うより、創意工夫するという意識を持てばそこから学べることは、能力の開発と成果を得ることにつながるのです。
●以上が思考力についての私の見解のまとめです。長くなりましたので「戦略的思考力」については「中編②」として近日中にアップします。<続く>
- 登録日時
- 2014/06/16(月) 11:58