▲今回も薔薇の花シリーズです。シノブレロという品種です。紫も好きな色の一つです。花言葉は「誇り」「上品」「尊敬」です。
【2014年06月の雑感②】
初めて電車で席を譲られました
●今回は全くの個人的な体験を私の備忘録のために書きました。仕事にはなんら役に立つことはお伝えできていませんので、興味のない方はスルーしてください。
●先週土曜日(6月14日)のことです。兵庫芸術文化センター管弦楽団の今期の最終定期演奏会に、神戸市の隣の隣にある西宮市に出かけました。神戸市須磨区にある名谷という駅から神戸市営地下鉄で三宮に向かうべく電車に乗り込みました。
●土曜日で電車は混んでいました。始発駅でないのでよくあることです。座れませんのでドア近くの座席の前に立ちました。目の前には20歳前後と思われるお嬢さんが座っておられました。
●電車が動き出してしばらくすると、突然そのお嬢さんが席を立ち、無言ですが私に席を譲ろうということを目で知らせてくれました。一瞬、私は躊躇しました。
●ですが若い女性の勇気ある行動を無駄にするわけにはいきません。目礼をして座らせてもらいました。ところが座ってから私の気持ちは妙に落ち着きません。なぜなら・・・
●私はいままで席を譲ったことはありますが、譲られたことはありません。体の不自由な方とかお年寄りに譲るものだと思っているからです。ところがお嬢さんは私を『年寄と見做して』席を譲ってくれたのでしょうか。
●「ああ若い彼女には私が年寄に見えたのか」と思いをめぐらしていました。確かに最近髪の毛の白髪化が進行しています。よく見ると顔にシミも浮かんできました。ですが気持ち的には「まだまだ年寄ではない、中年だ」という意識が強いのでなんともやるせない気分でした。
●彼女はすぐに降りるのだろうかと思っていましたが、結局私と同じく三宮駅まで、私の左前に立って行きました。およそ17~18分の出来事ですが、私には長く感じられました。
●彼女は何事もないようにスマートフォンに向かって指を動かしていました。私は駅前で買った「ゴルゴ13」の最新刊コミックを読むつもりでしたが、何だか恥ずかしくて取り出すのを止めました。明らかに動揺したままです。
●「この娘は普段から電車の中では、お年寄りに席を譲ることは当たり前と思って行動しているのだろうか」と思いをめぐらしたり、「降りるときにはお礼を言わねばならないな」とか考えていました。
●やがて三宮駅に着いたので、「ありがとね」と少し微笑みながら声をかけました。彼女は落ち着いた声で「いいえ、どういたしまして」と返してくれました。傍にいたおばさん2人が私の声におどろいたような視線を送ってきました。
(私の声は少し他の人より大きいのです。-そっと声を掛けるつもりがイヤフォンをしていたせいか少し大きくなったようです。)
●照れくさいので急ぎ足で電車から降りると、エスカレーターを使わず階段を昇りました。「俺はまだ年寄ではないぞ」という身のこなしです。息も上がりません。そのまま乗り継ぎの阪急三宮駅に向かい、発車間際の電車に飛び乗りました。空席が多いので座ってやっと落ち着きました。
●もう顔も忘れましたが、良いお嬢さんだったなと思いつつ、自分は「年寄に見られたんだ」という事実を受け止めなければならないと心の中で反芻しながら目的地に向かいました。
●西宮のホールでは先輩や同世代の方が年々多くなってきているのを眺めながら、できるだけ背筋を伸ばし、身ぎれいにして、老いを感じさせない努力をしなければと思ったりしました。(笑)
●いよいよ私の人生の最終楽章の始まりかもしれません。どういう楽章にするのかは私の意志と努力次第で決まるでしょうね。そんなことを考えさせられた出来事でした。<完>
- 登録日時
- 2014/06/17(火) 09:33