▲薔薇の花シリーズです。真っ赤なバラは「クリスチャンディオール」という品種だそうです。赤は自己主張が強くてインパクトがありますね。
ところでNHK-BSの韓流時代劇「馬医」は来週で終わります。7月は総集編、8月からは時代を14世紀にさかのぼって「奇皇后」というのが始まります。全50回だそうです。赤いバラのような主人公でしょうか?
【2014年6月の提案②】
能力の五角形で最強の自分を創る!<中篇②>戦略的思考力
■思考力の続きのテーマは『戦略的思考力』です。思考力についての私の考え方は前回書いたとおりです。これがベースにあって「戦略的」な思考力も存在することになります。
●では「戦略的」とつければ普通の思考力と何が違うのでしょうか?言葉の意味から考えていきましょう。
●戦略的の前に「戦略」の定義が必要です。本欄でも何度か先人の著書の紹介などを通じて記述しています。そちらも参照いただければと思います。今日ここでは以下のように定義します。
●戦略とは「中長期の成果(成功)を得るための、根本的な要因に基づく解決手段のこと。」
いかがでしょう?これも読者のみなさんなりの定義を考えてください。
●じゃあ「戦略的」とは?戦略を考え出すような思考方法とすれば良いでしょうか?・・・私は次のように戦略的思考法を定義しました。
●成果を得るために(目的を達成するために)、根本要因に基づく解決手段を導く思考の方法です。
●これらの2つの文章に共通する要素があります。何だかおわかりいただけますでしょうか?それは・・・①何を得るためなのか ②根本要因を前提とする
➂解決手段であること(仮説です)
●これらの3つの要素を盛り込んで考えました。そうすることで言葉の意味(定義)が分かりやすくなります。
●戦略と戦略的で違うのは、前者に「中長期」という時間軸を入れたことです。
後者は思考方法ですから短期も中長期も重要です。
●それと戦略にはマーケットを、どの範囲にするかという「空間軸」が必要です。地域密着なのか、ある地域のドミナント(制圧)なのか、日本全国か、世
界に進出するのか、それはどこか(アジア、欧米など)などです。
●戦略的思考にも「立場を変える」とか「多面的に観る」という「視点を変える」ことから「視野を広げる」、「視座を変える」というような空間軸と言えるものも必要です。ですからこれは違いとは言えませんね。
●「戦略的思考力」とは何かについては、本欄2012年9月18日付でアップしています。今回はその中から私の考えをまとめた7項目について少し手を加えながら紹介します。みなさんの考えと対比しながらお読みください。
●①何かを行うときには『目的』を考え、それを達成するための『手段』との『関係性』を明らかにすること。
例えば売場づくり(ディスプレイ&販売ツール&POP広告も含む)を行うとき、それぞれの場所、手段のねらい(目的)を明らかにして手段を創造すること。そしてセルフ販売でない場合は「接客との関連性」を考えて創ることなどです。
●②『短期』の成果と共に『中長期の影響』を考えること。
短期とは、今日、今週、今月、シーズンです。長くてテレビドラマの1クールの期間です。これは人が関心を示す期間だからです。「人の噂も75日」というではありませんか。
中長期は、中期が1年から1年半、長期は3年から5年です。目先の売り上げ、利益も重要ですが、お客様を創る、購入を継続させる仕組みや仕掛けは短期効果だけでは考えられません。
●➂対象について、可能な限り『全体像』を掴んでから部分、細部へと体系的に捉えること。そしていくつかの角度(立場)から考える習慣を持つこと。
店づくり、人材育成、店長教育というようなテーマでお仕事をさせていただくときに、私は必ず「全体像」を掴みます。それから部分、細部へと詰めて行って、ねらい(目的)に必要な要素を選択します。「神は細部に宿る」と言いますが、現場に一番近いところ(細部)の創意工夫が重要です。
それと、多面的な立場で思考することです。外部ならお客様、競争相手、取引先、内部なら上司、部下、他部門などです。立場思考のポイントは「大義」(面子も含む)「利害」「強弱」で相手は動くことだと思います。
●④手段は『仕組み』と『仕掛け』に分けて考えること。
仕組みとは自動的に継続できる手段です。仕掛けは都度、創意工夫して目的・目標を達成するための手段です。
小売業の場合前者は会員制やポイントサービスです。後者は販促売り出し、イベントなどです。仕組みが優れているほどお客様の繰り返し購入は増えます。
要注意はコストパフォーマンスをしっかり計算することです。
●⑤仕事は『優先順位』(重点思考)と『劣後順位』(ドラッカー先生の教え)を付けて、選択して集中すること。
理由は時間が有限ということと、人は一度にいくつものことを有効にこなせないからです。効果のあると思われるものを選び、そこにエネルギーを集中することで成果につなげなければなりません。
●⑥競争相手のことはできる限り『実態を調べて』、比較して(図表化すること)、自分たちの『強みを活かす』ことに集中する。その結果、差別化、独自化を実現すること。
基本は自分たちの強みを活かすことにあります。競争相手は本当に間違いないか、ほかに盲点はないか、などを調べる必要があります。小売業なら立地や規模以外ではマーチャンダイジング能力が強みを創る決め手です。
●⑦思考の成果物をより良いものにするためには『フレームワーク』『フォーマット』『パターン』で考え、まとめること。
これについては、今回の私の文章もあるフレームワークに基づいて書きました。その方が分かりやすかったと思います。世の中にはこの分野で参考になる本を書いておられる方が何人もおられます。最近のものでは「外資系コンサルの資料作成術」森秀明著ダイヤモンド社刊がとても参考になりました。お勧めです。
思考の生産性をあげるためにも技術をマスターしましょう。
●以上で『戦略的思考力』についての私の考え2014年版は終わります。また進歩したと思われたときに書くかもしれません。興味のある方は私の考えをヒントにして、ご自分の実践経験を通して、ご自分なりの技術を自分のものにしてください。<完>
- 登録日時
- 2014/06/22(日) 10:43