▲カンソウの花:6月から8月に咲く花です。花言葉は「物忘れ」とありました。歳を重ねた今日この頃、「あれ誰だっけ」とか「買い忘れ」など気になっています。ですが「悲しみを忘れる」という意味もあるそうです。
【2014年7月の提案②】
ビジネスパーソンの能力五角形で最強の自分を創る!<後編②>
対人力の要、コミュニケーションスキル:その2
■前回に引き続き酒井とし夫先生の無料動画セミナーの概要を、私のメモをもとに私見も交えて紹介します。今回は第3回から第5回までの3回分です。
■第3回:類似性と「キドニタチカケシ衣食住」
1、人は自分に似ている人を好む傾向がある。『類似性』
例えば・同じ都道府県出身 ・同じ大学出身 ・同世代 ・同業界に所属
・趣味が同じ ・同じ野球やサッカーチームのファン ・ペットの種類が同
じなど、共通点があると会話も弾みますね。ご経験がある方が多いと思い
ます。
・私の経験では、当社のカラータイプ診断を使った研修に参加した時に、同
じ色が好みの方ととても波長が合って、居心地が良かったことがあります。
逆に好みの色が全く違う方とは、普通に会話をしていたのではなんとなく
違和感があり、コミュニケーションに苦労しました。対処法を学べばどう
すれば良い関係が築けるのかが分かります。やはり無手勝流ではいけない
な、と思いました。
・セールスマンは早い段階でお客様との「類似性」を見つけて関係づくりを
行い、商談に結び付けるのが良いでしょう。
●この類似性を見出すきっかけとして会話の切り口が、セールスの世界では有名な『キドニタチカケシ衣食住』という頭文字を合成した言葉です。
キ→気候・季節 ド→道楽(趣味) ニ→ニュース タ→旅 チ→知人
カ→家族(家庭) ケ→健康 シ→仕事 衣→ファッション 食→グルメ
住→住まいに関すること これらの話題を繰り出しながら相手との共通項
(類似性)を見つけ、親しみやすさを創っていくのです。
■第4回:会話(対話)の初期段階で使うと効果的なスキルや質問による類似性探しや自己開示などがテーマです。
●1、誰もが「そうです」「ハイ」と返事ができる質問をする。これは心理学ではイエス誘導法とか『イエスセット』といいます。コミュニケーションの初期段階では、相手が「ハイ」と返事ができる質問を意図的に立て続けに行うことで相手のこころをポジティブにしていきます。
●例えば、今日は良いお天気ですね、暑くなってきましたね、ワールドカップのサッカーでは日本は残念でしたね。など事実を述べれば「ハイ」という返事になりやすいです。(サッカーの場合は負けましたので続けて自説を述べる人が居るかもしれません‐笑)
●イエスセットの後には自分のことを話しながら、相手から情報や手助けをもらうことです。この場合は心理学の「ジョハリの窓」を使って『自己開示』(自分のことを知ってもらうように意図的に話すこと)を行います。
●重要なのは相手との共通項(類似性)を探すことや商売につながる情報を得ることですから、自慢話をすることではありません。できれば相手に教えてもらうとか、何か力になってもらうようにお願いをして、こちらが下座に立つことです。
●そうすればお礼ということでまた会える機会をつくることができます。こちらが自己開示を続ければ、やがて相手も自己開示をしてくれるものです。人には『自己重要感』があることを忘れてはなりません。そして多くの人はそれが満たされていないのです。
●質問の仕方には『オープンクエスチョン』と『クローズドクエッチョン』の2種類があります。会話が弾まないのはクローズドQしかない場合です。これは返事が「ハイ、いいえ」で終わるからです。
●オープンQは相手から「ハイ、いいえ」以外の答えを引き出す質問です。その質問の切り口はよくご存じの『5W1H』で行うのがコツです。
「いつ」「どこで」「誰と」「何を」「なぜ」「どうやって」を一つずつ尋ねると「ハイ、いいえ」以外の答えが返ってきて、話が発展しやすくなります。
●サッカー好きの相手なら「日本の敗因は何なんでしょうね?」と投げかけるのがオープンクエスチョンです。商談の場合はそのことは前振りです。原因分析から売り込みに必要な現状分析を相手にしてもらうように仕向けるべきですね。雑談をコントロールするのも質問の仕方ひとつです。
■第5回:短時間で目の前の相手と信頼関係を築き、相手から好意を抱いてもらうことのできるスキル。『ラポールの形成』
●ラポールの形成の目的は相手との間に好意の架け橋を築き、信頼関係づくりにつなげることです。心理学ではこころとこころの架け橋を架けることをラポールと称しています。その方法が2つ紹介されています。
①ミラーリング
会話や対話をするときに、鏡に映るように相手の身振りや手ぶりにこちらも合わせることです。相手が右手を動かせばこちらは左手を動かすという意味です。
相手の無意識の所作、行動をこちらは意識的に行うことです。例えば前傾姿勢、コーヒーを飲む、足を組む、うなずくなどの所作、動作です。ポイントは相手の動きに少し遅れて合わせることです。コントではありませんから、わざとらしく行うのではなく、自然とやってみることです。勿論、すべての所作・動作を行う必要なんかはありません。
「うなずき」「笑顔」などは相手がやらなくてもこちらから行うべきです。それに対して相手が無意識に反応するなら良い関係は築きやすいでしょう。
②バックトラッキング→『おうむ返し』
相手が会話の中で使った言葉やキーワードをそのまま返してあげることです。そのためには自分の意識を相手に向けていないとできません。結果としてよく聴いていることになります。
例えば
「部下が未熟で困っているんです」「未熟ですか、ところで何人いらっしゃるんですか」「20人です。」すると「20人とも未熟なんですか」「ええそれぞれに」「じゃあ塊ごとでいいですから共通する未熟な部分を具体的に教えてください」・・・私の経験の1コマです。この場合は「未熟」という相手のキーワードを使って、問題点を具体化して共有しようとしています。
(このように部下がすべて未熟だとおっしゃる上司は難しい相手です。)
バックトラッキングには「おうむ返し」だけでなく相手の言わんとすることを理解しましたよとサインを送るため、相手の話を要約して返すという方法もあります。勿論キーワードは使った方が効果的です。例えば…最近の実体験事例から…
「ということは、この保険をお勧めになるのは、私にとって死亡した時の1時金より、それまでの病気や怪我による入院費用のリスクを避けた方が、メリットがあるということなんですね。」というような要約です。
バックトラッキングを上手に使うと相手の話は弾みます。自分の言っている言葉を使われると自分が肯定されているような気になり、自己重要感が満たされます。
相手の話が長いなと思った時は、ちょっとこのテクニックで相手の言わん
することを整理してフィードバックをすると雰囲気が変えられます。
●『ミラーリング』と『バックトラッキング』はNLPの技法の1つですが、好意を獲得するのに有効な手段だと酒井さんもこの動画セミナーの中でご自分の経験で実証済みだと語っておられます。
<続く>
■プロ野球ファンは同じチームを応援しているというだけで相手に親近感を持ちます。好きなタレント、俳優、映画、音楽も同じですね。共通項がない場合はその話題は聴き役に徹して深く掘り下げないで振っていくべきです。
会話はイエスセットからオープンクエスチョンへの流れが作れる質問の仕方をマスターしましょう。練習と実践経験で意識してやることです。
ラポール形成はバックトラッキングの方が練習を必要とします。相手の言わんとする本質を要約して伝えるのは結構高等技術です。ぜひやってみてください。
相手が「そうそう」と反応してくれれば成功です。
- 登録日時
- 2014/07/08(火) 10:33