▲ハナシノブの花。花言葉は温和・清楚・謙遜、それに「お待ちしています」というのもありました。漢字では「花忍」と書くのでしょうか?小説か歌謡曲のタイトルみたいですね。
【2014年07月のトピックス①】
プロ野球 巨人杉内投手の三振奪取開眼とは
■7月12日(土)の巨人・阪神戦で巨人の杉内俊哉投手が史上最速2000奪三振の新記録を達成しました。従来の元ヤクルト、大リーグ、西武で活躍し、今は吉本興業の社員に転身した石井一久投手の1967回2/3を上回る1930回
2/3での達成です。
●石井投手の談によれば「自分は途中で大リーグに行ったので、日本記録は杉内投手が持っていればいいんじゃないですか」と、若干プライドを覗かせた発言をしています。もっともな発言でしょう。
●いずれにせよ2000奪三振を投球回数が下回る数字で達成したのは、石井投手と杉内投手しかいないのですから見事なものです。1イニング1個以上の三振奪取なんですからね。
●その杉内投手が三振奪取に開眼した極意の習得について語っている記事を見つけました。なかなか示唆に富んだ内容ですので共有したいと思います。興味のない方はスルーしてください。
●スポーツニッポンの記事から。奪三振の極意に目覚めた転機は2度あった。
1度目は2005年のシーズン前。当時ソフトバンクの同僚だった川崎選手(現MLBのブルージェイズ)に聞いた。(正しくは尋ねたでしょうね)
●「どういう投手の球が打ちにくい?」答えは「キャッチボールみたいに力を抜いたフォームからピュッと投げられたら難しい。タイミングが取れない。」さらに「イチ、ニのサンの投げ方なら150キロの球速でも苦にならない」と付け加えられた。
●試行錯誤の末、右足を上げた際に左手で(球を持った手の方か?)グラブをポンと叩くことで力を抜いた。力感のないフォームからリリースの瞬間だけ力を込める。打者はタイミングを取れなかった。「これだなって」。この年、当時の自己最多のシーズン218奪三振。18勝を挙げ、沢村賞に輝いた。
●2度目は2008年の新球習得。脱力フォームから4年目。打者の目線が慣れてきたところで球種を増やした。今や「宝刀と」称されるチェンジアップだ。
●最初は親指と人差し指で輪をつくるOK型。改良を重ねて中指を浮かし、人差し指と薬指を中心に握る現在のタイプへと落ち着いた。脱力フォームから腕だけ目いっぱい振った。ボールだけ遅れてくるように感じる相手打者から「消える」と驚嘆の声が上がった。同年から2年連続で奪三振のタイトルを手にした。
●身長175㎝、体重82キロ。プロ野球界では決して恵まれた体格ではありません。球速も140キロ前後、球種もストレート、スライダー、チェンジアップの3種類のみ。そんな杉内投手がマスターした投球術にはこうした創意工夫があったんですね。
●上達するには『現状を確認』して、『改善もしくは強化ポイント』を見つけて、『創意工夫』を重ね『体で覚える』までやり続けないとできないことがわかりますね。何事も原理は同じです。
●今日13日(日)の巨人・阪神戦で逆転満塁ホームランを打たれた巨人の沢村投手はまだまだ創意工夫が足りません。やはり「イチ・二のサン」で投げています。力まかせにストレートを投げているので、150キロの球速でも三振が取れないんですね。その結果球数が多くなり途中でへばっています。(喝!)
●早く一皮むけて欲しいものです。一皮むけた人が1流への道を歩めるのですからね。さて、ここまで書いて思い出したことがあるので書いておきます。プロ野球テレビ観戦の参考になると思います。
■巨人に来てからの杉内投手は初年度こそ活躍しましたが、昨年、今年とその投球内容は衰退気味です。年俸5億は高いと指摘されるようになりました。その要因の一つに、ストレートのキレが無くなってきたと言われています。
●もともと球速は140キロ前後と変わりませんが球のキレが衰え、ストレートのみならずスライダーにも影響しています。要因は年齢とトレーニングに関わることなのでしょうが、最近は少し持ち直してきているようです。
●球のキレとは現象的には、投げたボールの回転が鋭くて、打者の手元で伸びるとか、変化球の場合は鋭く変化するということのようです。昔、江川卓さんが現役時代に同僚の木田投手とスピードガン比較をされて、共に150キロを超えるストレートながら、2から3キロ負けた時に、「私のボールは球の回転が違う」とうそぶいていました。
●確かに、江川投手はストレートで空振りを取っていましたが、木田投手はしばしば150キロ超のストレートを打たれていた記憶があります。この2人の場合も球速、球のキレ以外にも投球フォームに違いにも要因があったように思います。(江川さんはテイクバックが小さい)
●タイミングが取りにくいフォーム、取りやすいフォームがあるのは先の川崎選手の言葉でわかります。「イチ、二のサン」で投げればいくら早い球でも慣れれば打つことができるようです。
●奪三振には球速、球種、投球フォームが重要であるということが先の記事からわかりますが、それに球質(球のキレ)を加える必要があるようです。そして最も大事なのは「コントロール」(制球)ですね。
●捕手との協働作業ですが、配球の妙によって打者を打ち取ることが求められます。以前、野村克也さんがどこかで述べておられましたが、配球には「①左右、②上下、➂ストライクとボール、④緩急がある」と、確かこの4つの組み合わせで打者ごとに配球を考えるのだということでした。
●その配球を考えサインを出すのが捕手で、その通り投げられるのがコントロールの良いピッチャーだという説でした。さすが論理を重視する野村さんらしい教えですね。
●素人の私には理屈はわかるのですが、その通り行うことがいかに難しいかは現実を見れば自明のことです。数人の1流投手を除いてほとんどの選手がコントロールに課題を持っているのではないでしょうか。
●体調によってもコントロールはままならなくなります。プロ野球もペナントレース中盤を迎えこれからが正念場です。キャンプで鍛えた力の効果が薄れてくる時期だとも言われています。
●各チーム首脳陣、各選手がどのような工夫を重ねてこの正念場の戦いを乗り切って優勝するのかますます興味深いですね。今回の記事はプロ野球ファンのテレビ観戦の楽しみ方の参考になると思います。ぜひ参考にしてください。勝負の結果だけに一喜一憂するのではなく、プロセスも楽しみましょう。
<完>
■今朝、午前5時半過ぎに目が覚めました。テレビをつけるとワールドカップ決勝戦ドイツVSアルゼンチン戦の後半、40分過ぎでした。0対0です。そこから延長戦に入り、後半ドイツが決勝点を入れて勝つまでくぎづけです。決勝戦にふさわしい熱戦でした。
●スターのいないドイツの勝利。底辺から数年かけての強化などわずかな時間ですが、日本の今後への示唆に富んだ解説も聞けました。(岡ちゃんと福西さんでした)。目標はあるが、戦略と戦術、資源(人材)の必要性が問われますね。
- 登録日時
- 2014/07/14(月) 09:11