▲近所を散歩していてもユリ科の花が目につきます。今回は「ヒメユリの花」です。花言葉は:可憐な愛情、誇りです。
【2014年7月の提案④】
ビジネスパーソンの能力五角形で最強の自分を創る!<後編④>
対人力の要、コミュニケーションスキル:その4
■前回に引き続き酒井とし夫先生の無料動画セミナーの概要を私のメモをもとに私見も交えて紹介します。今回は最終回の7回目です。
■第7回:影響言語の使い方とアンカリングです。
コミュニケーションの意図は、自分が何を話すかではなく相手の反応を得る(確かめる)ことにあります。
●自分の言いたいことを伝えても、相手が納得しないとか、こちらの思うような行動をしてくれなければ、そのコミュニケーションには何の意味も価値もありません。
● それを上手く行うための方法のひとつが『影響言語の使い方』です。
酒井さんは事例を使って次のように説明をしてくれます。
Q「あなたにとって、人生における大切なものは何ですか?」と質問をします。
(これはオープンクエスチョンですね)
すると相手から何らかの答えが返ってきます。
●続けてもうひとつ質問をします。
Q「どうしてそれはあなたにとって大切なのですか?」と理由を尋ねます。
例えばそれを「健康」と答えた場合をあげられています。
(ほかに仕事、家庭、趣味などの大分類カテゴリーがあげられますね)
●健康と答えた人がその理由を
A:「健康であればやりたいことがすべてできる」
B:「病気になれば行きたいところに行けなくなる」
と答えるパターンがあると区分されて提示されます。
●人生にとって大切なものは同じ「健康」であっても、理由は違っていることがあります。その答えから判断すると次の2つに分けられるといいます。
A:目的志向型:○○○ができるという理由です。こういう人はジムに行けば健康になって○○○ができるとか得られるという反応をします。
病気にならないためにジムに行こうとは言いません。
B:問題回避型:○○○が得られるというより、病気にならにように、失敗しないように、怒られないように・・という反応をします。
●人はおおよそAもBも40%ぐらい存在しており、両方を持つ人が20%ぐらいいるそうです。このように2つに分けることを「LABプロファイル」と言って、それぞれのタイプに応じたコミュニケーションを行わないと相手に受け容れられ難いと言います。
●コミュニケーションは相手がどのように受け止めたかによって動く、動かないが起こります。ですから相手のタイプを見極め、そのタイプにふさわしい内容の話し方をすると効果的だというのが『影響言語の考え方』です。
●この動画セミナーでは「目的志向型」と「問題回避型」の紹介と、それぞれに合ったコミュニケーションの取り方が必要だと提唱してくれるだけで終わっています。具体的な内容、方法については有料DVDを買わなければ得られないという仕掛けです。(笑)
●そこで市販で入手可能な参考書をご紹介しておきましょう。
『影響言語で人を動かす』シェリー・ローズ・シャーベイ著、実務教育出版刊(2010年)2,600円+税 400余ページあります。ここには詳しい内容が記載されています。興味のある方はご一読ください。
■最後は『アンカリング』です。
●1対1のコミュニケーションはとれるが、大勢が相手だとうまくいかないという人がおられます。そういう方は自分とのコミュニケーションがうまくいっていないと言えます。(このコメントは最初私にはピンときませんでした)。
●要は大勢が相手だと緊張して「あがってしまう」という状態なのでしょう。その原因が「自分とのコミュニケーションがうまくとれないから」というのはどう理解すれば良いのでしょうか?
●おそらく緊張した時、やる気が高まらない時、集中できない時などに平常心を取り戻す方法を知らないということでしょうか。普段はできるがとか練習ではできるというのではプロと言えません。本番に持てる力を存分に発揮できるように、自分とのコミュニケーションを上手く行う方法の1つがアンカリングなのでしょう。
●酒井さんも映像の中ではこのことを説明してくれていません。すぐに対処法を説明されます。目的はリラックスした状態になることです。その方法を1つ紹介してくれています。
●風呂に入っているシーンを思い浮かべ、その状態で深呼吸をして親指と中指を3回ギュッギュッと押さえる、これを3か月続けたあと、本番前にそれをやってから望むとリラックスできるというものです。
●こういう手法をリラックスしたいとき、モチベーションを上げたいとき、物事に集中するとき別に作っておいて身につければ自分自身に自信が持てるようになるというものです。
●これはスポーツ選手の競技前のアドレス、ルーティンなどにも見られます。有名な大リーガー、イチローのバッターボックスでの所作、大相撲の琴奨菊の時間一杯での胸を大きく反らす深呼吸などご存知の方も多いでしょう。
●私の場合は中村天風先生の教えである『クンバハカ体勢』をとります。緊張した時は自分のお尻の穴を意図的にきゅっと締め上げ体の中に持ち上げるようにします。そうすると下腹に力が入り、すっと落ち着けるのです。
●昔、緊張のあまり肛門がパクパクした経験があります。クレーム対応の初期のころだったと記憶しています。高校生の時に生徒会長に立候補させられて、立会演説会で緊張のあまり頭が真っ白になった話は以前本欄に書きました。
●会社に勤めていたころ、天風会修練会の補導を経験させていだきクンバハカ体勢を学んで実践するようになり、随分と落ち着いて人前で話ができるようになりました。これもアンカリングのひとつと言えるでしょう。
●このやり方は当社代表の池田 光の著書『中村天風 幸運を呼ぶ魔力』三笠書房刊のなかで詳しく述べられているので興味のある方は参照してください。
●尚、アンカリングも「NLPの技法」のひとつです。
NLPは優れた技法が沢山あるので好奇心を刺激されます。それらをマスターすれば「相手を自分の思うように動かせる」と思いがちです。ですが、コミュニケーションの本質は「相手を理解し、そのうえでこちらの伝えたいことの理解を得て、共感し動いてもらうこと」です。
●手段・方法には必ず目的があります。その目的が本質から外れないものを設定するという心構えが必要です。技法におぼれないように注意しましょう。
相手を自分の思うように操作するために、技法を覚え駆使するなどという考えを持たないことです。
●以上で酒井とし夫先生の無料動画セミナーに基づくコミュニケーションスキルの紹介は終わります。コミュニケーションスキルは本を読んだから、セミナーを聞いたからと言って身に付くものではありません。日々実践の中で問題意識を持って取り組んでこそ『できるようになる』のです。
●またこの無料動画セミナーで紹介されたもの以外にもまだまだ多くの手段・方法があります。酒井さんの有料動画を購入されるのも一つの方法ですし、書物で自己啓発されるのも良いでしょう。ですが知識を増やすより、1つ1つ使いこなせるよう実戦経験を積まれることの方が大事だと思います。<完>
- 登録日時
- 2014/07/21(月) 11:05