▲セミの鳴き声が心地よいです。私の自宅の近くの散歩道には目の高さにセミが沢山止まっている木があります。この2匹のセミは夫婦でしょうか、恋人でしょうか、それとも友達でしょうかね。でももうあと少しの命です。
時々訪れる散歩道の公園の遊具で小学生の男の子が誤って首を吊ってしまったようです。意識不明の重体のようですが、心から回復を祈ります。小さなお子様がおられる方はご注意ください。
【2014年8月の提案①】
アドラー心理学の5原則に学ぶ
■幸せな人生を送るためにという目的に対して、アドラー心理学の5つの原則という、手段にあたる内容を紹介してくれたメルマガを拝見することができました。発信者はコーチングのプロの一人である平本あきお氏です。それを読者の皆さんと共有したいと思います。
●尚、アドラー心理学については今年発売の「嫌われる勇気」という自己啓発本にて紹介され、よく売れているようです。(私は未読です)
●まず5原則とはどのような内容のものなのかを見てみましょう。
①創造的自己 ②目的論 ③全体論 ④対人関係論 ⑤現象論の5つです。
●①の『創造的自己』とは…
反対は「運命決定論」→人は持って生まれたものによってその後の人生は決定づけられるという考え方。
それに対して、どんな人生でも「自分の人生を自分で選び直せる」という考え方です。
●②の『目的論』とは…
反対は「原因論」→何かが起こった時、なぜ、なぜと原因を探るのは原因論。そうではなく本当はどうなれば良いのか?
目的に意識が向くと、問題解決の糸口が見えてくるし、自分の心の状態も良くなり、周りにも良い影響を与えられるようになるという考え方です。
●③の『全体論』とは…
反対は「要素還元主義」→「やりたいけどできない」「頑張りたいけど頑張れない」、自分の中の矛盾と葛藤し続けるとがんじがらめになってしまうけど、「それぞれの要素があったからこそ良かったのでは?」と考えること。
「アクセルとブレーキーの両方があるからこそ、ちょうどいいスピードで走れるとしたら?」
そんな風に、「すべて必要」という全体論的な視点に立つことで前に進みやすくなるという考え方です。
●④の『対人関係論』とは…
反対は「精神内界論」→問題解決をするため、自分一人だけで抱え込んでしまうのではなく、「自分が関わる周りの人にとってもどんな意味があるのか?」
「みんなにとってどうなればいいのか?」
「自分だからこそできること、○○さんだからこそ手伝ってもらえそうなこと」
対人関係の文脈で考えることで、あっという間に問題が解決するという考え方。
●⑤の『現象学』とは…
反対は「客観主義」→人は正しいから動くのではない。理屈で納得してもやれるとは限らない。それよりも、
自分特有の「こだわり」や「価値観」発見し大事とすることで、自分らしい幸せになるスタイルを見つけることができるという考え方。
●「嫌われる勇気」の共著者で哲学者の岸見一郎先生のアドラー入門書「アドラー心理学入門」も参考になりますが、このまとめを知ったうえで読まれると
さらに理解が進みやすいでしょう。
●このまとめの良いところは、反対語と対比して説明してくれているところです。○○は何々であるという書き方ではなく、このように対比する考え方と比較されるととても分かりやすくなります。「対比」はわかりやすい説明法の1つですからこれも参考にしてください。
■私はこのまとめに出てきませんが、子供の育児、教育にあたって『「ほめる」のではない「勇気づける」のだ』というアドラー心理学の主張に関心があります。かつてこの考えを社会人向けの教育にツールを使ってみましたが、なかなかピンとくる結果が得られませんでした。
●具体的な言葉遣いの違いで判定するのですが、多くのビジネスパーソンは「ほめないで勇気づける」ことに慣れていないのか違和感があるようです。それにビジネスの世界の部下育成では「ほめる」ことは推奨されていますからね。
●その実習教材は野田俊作著の「続アドラー心理学トーキングセミナー」アニマ2001を参考に、当社の池田代表が作成したものです。ここでは公開できませんが、興味のある方は同書を参照してみてください。
●子供と大人の違い、非営利組織と営利組織での人の成長の微妙な違いが問題意識として浮かんできます。これらを研究することは「人の成長」に関心のある方々にとっては魅力的な課題だと思います。
●私自身も今現在、このことに関する実践経験が乏しいため自信を持ってお伝えすることができません。ですが「アドラーの教え」は人の成長にとっては有益であると思っています。実践で経験、研究された指導者が増えることを望みます。
●私ももう少し勉強してみて理解が進めばまた本欄で取り上げてみるつもりです。それまでしばしのご猶予を。<完>
- 登録日時
- 2014/08/07(木) 11:00