▲期限切れの告知POP(期限切れのプロレス観戦割引チケットも下にありました)、美味しいコーヒーに関連する商品提案が無い、掲出の仕方の基本である整理整頓ができていないなど、余計なお世話ですが私には残念な状態です。
【2014年08月の雑感①】
夏の終わりに:コンビニで考えたこと
■近所のコンビニでの体験から。私の自宅の近所にはコンビニが3軒あります。ファミリーマート2店舗とローソン1店舗です。いずれも徒歩10分から13分圏内に位置しています。
●コンビニの存在価値は「近くて便利であること」だと認識しています。人それぞれの便利さはさまざまでしょう。ですが近いというのは物理的距離の問題であり、時間との関係で近さに対する価値判断がなされるでしょう。
●わざわざコンビニに出かける人もおられれば、通勤・通学や買い物の往き帰りに利用する人もおられます。必ずしも自宅からの距離が重要だとは言い切れません。自分の行動範囲にあれば便利な店です。
●わたしの便利さは、ほとんど駅に近いファミマのイートインコーナーでの100円コーヒーを味わうことです。スーパーへの買い物やTSUTAYAへの往復時にちょっと一息いれるのに最適な存在です。しかも100円という価格の割に私にはとても美味しいコーヒーなのです。
●週に2度ほどは帰りに立ち寄って15分ぐらい一息入れます。この店は小さなイートインコーナーがあり椅子は3つです。ですがほとんど私が訪れると空いています。それまでよく利用していたドトールコーヒーの盛況さとは大違いです。(あまり流行っている店は席が取りにくいし、やかましいのが難点です)
●自宅からの距離、時間は徒歩10分前後です。自転車や車で来る人は少ないようです。そのせいか私の見るところ客数は多くありません。車の主要道路沿いの四つ角にありながら無料駐車場はなくて有料のものしかありません。見た目の立地は良くても、使い勝手が悪くコンビニには最適とはいえないようです。
●さてこの3か月ほどで常連となった私がイートインコーナーで、毎回15分ほど一休みをしながら観察して気づいたことがあります。ついつい店のあら捜しをしてしまいます。(職業病かもしれません‐笑)
●販売スタッフは明るく元気に応対をされていてまずまず良いと思います。ですが私が座るイートインコーナーの前の壁面での情報告知の仕方がでたらめです。写真の一部を掲載しますが、全景を出せばさらにひどいのがわかります。
●実はお客さんがほとんど座らないのだから目に入らないので、店としては問題がないのかもしれません。ですが長年小売業で働き、コンサルをしてきた立場からこれでは売り上げは伸びないだろうといらぬお世話の心配をします。
●一事が万事といいます。このような乱雑な情報掲出、期限が切れた情報の掲出、店側からの価値提案の少なさ、これが何週間も続いています。この店の責任者、あるいはスーパーバイザーは何をしているのだろうかと疑問に思います。
●きめ細かいお客様志向ができていません。雑誌コーナーも魅力の少ない品ぞろえです。菓子やデザート、文具の品切れが目立ちます。メインである品ぞろえもCクラス(私の4段階評価で)でしょう。
●8月24日の日曜日も立ち寄りました。その時に店の前にカラスのような黒服の若者たちがたむろしていました。何事かと思いましたが、そうか斜め向かいには葬儀場があったのに気付いたのです。
●時間待ちの人が飲み物やたばこを買っていました。そのうち2人の若者がスタッフに「香典袋どこにあるの?」と聞いていました。無事在庫があって購入し、イートインコーナーで私の横で両替を依頼しながら表書きをしていました。
●私は邪魔しないように立ち上がり荷物は置いたまま香典袋のコーナーを観に行きました。葬儀場の傍にあるのだから今回と同じようなお客さんは何人か訪れるはずだ、品ぞろえは充実しているだろうと予測しました。
●ところが結婚や主産祝い、その他のお祝い用の袋がメイン(普通の店なら当然でしょう)です。8マスの2段横割り陳列で上段がお祝い用、葬儀用は下段で7マスの使用です。残りの1マスはお祝い用でした。それぞれのマスには商品は目いっぱい積まれています。
●葬儀用は袋が5つであとは蝋燭と線香の墓参りセット、黒いネクタイが1種類です。香典袋は右から1,000円、120円が2マス、150円、200円の5マスです。1,000円のものは目いっぱい在庫があって、120円の2マスのうち1つは空です。150円と200円は少々ありました。
●私の改善案はお祝い用と葬祭用を横割りの2段陳列から縦割り陳列にすることです。店の前が葬儀場だからと決めつけるわけではありませんが、4マス2段の8マスずつの品ぞろえが良いと思います。
●香典袋は120円1マス、200円2マス(あるいは150円と1マスずつ)、そして300円、500円の4から5つの価格ラインで品ぞろえをします。(5マス使用)勿論商品の品質の違いが明らかなものを揃えるべきです。ですが1,000円は不要だと思います。(私の感覚では高すぎるからです)
●残りのマス目にはネクタイ、数珠、そして墓参りセットの3つです。いずれにせよ葬儀用の品ぞろえの充実は欠かせないでしょう。
●上部の壁面には筆記具類が陳列されていました。簡易筆ペンは1種類しかありません。普通のものです。これも薄墨用と両方がセットになった3種類は必要です。そうすれば買い上げ点数が上がるかもしれません。
●売上=買い上げ客数×買い上げ単価(1品当たりの単価×買上げ点数)×買上げ頻度の公式が頭にあれば、売上アップの手段・方法は考えられるのです。
●全国チェーンのコンビニであっても地域密着の品ぞろえを工夫するのがセブンイレブンという最強コンビニの思想と戦略・戦術です。私の家の近くにはセブンイレブンがありません。ファミマやローソンに頑張ってもらわないとその価値は得られません。
●目の前にあるものからしか選択できないのが店舗購入の弱点です。それだけに店側のマーチャンダイジング能力は商売の決め手になります。小さな町の1つの店が消費者にとっての全てです。
●ネットビジネスが拡大する中、リアル店舗もその存在価値を高めてもらいたいものです。
●それでも店を継続できているのなら他に価値があり一定のお客様に支持されているのでしょう。私の懸念がささいなことであるよう祈ります。そんなことを思いつつ美味しいコーヒーをいただきました。これは値打ちがあります。このコーヒーに会うお菓子やパンの紹介をPOP広告でイートインコーナーの壁面に掲出すればきっと客単価は上がると思うんですがね‐笑。
●こんなことは本部では分かっておられることだと思います。ですが『わかっていながらなぜやらぬ』、やったことしか伝わらないのに…。昔、箱根の商業界ゼミナールで藪下雅治先生から教わった言葉が浮かんできました。<完>
- 登録日時
- 2014/08/26(火) 15:43