▲オトコエシの花(男郎花)、対比されるのがオミナエシ(女郎花)。花言葉は「慎重、賢明」です。オミナエシは知っていましたがオトコエシは知りませんでした。
【2014年10月の提案①】
手段(対策)は目的と現状に従う<前篇>
■先日WOWOWの無料放送で池井戸潤さん原作の「空飛ぶダイヤ」というドラマを放送していました。全5話、5時間の一挙放送です。3時間は生放送で観ましたが、残り2時間は録画して観ました。
●脚本が前川洋一さん(大河ドラマ「黒田官兵衛」の脚本でお馴染み)ですから見事な構成です。セリフも良いですね。ちょっと前のWOWOWドラマ、高村薫原作の「レディー・ジョーカー」(DVDで全3巻)も前川さんの脚本ですが見ごたえ十分でした。
●そんなドラマ「空飛ぶダイヤ」の中で、役者の名前は忘れましたがこんなセリフのやり取りがありました。(うろ覚えですが…)
「○○○をやろう」と1人が言うと、相棒らしき人物が「そのねらいは何だ」と聞き返していました。
●このやり取りに反応して本文を書き始めました。コンサルタントという仕事をする前から仕事をするうえで問題意識を持っていることが3つあります。そのひとつが「目的(ねらい)と手段(対策)の関係が曖昧な人が多い)」ということです。
●残りの2つは「手段を考える前に現状を把握しないで考える」、3つは「計画と実行には熱心だが、反省は表層的で終わる」ということです。多くのビジネスパーソンと接してきましたが、この3つは苦手だと思われる方が多いようです。(そうでない方もおられますが…)
●今回はこのことについて何回かに分けて自説を提唱いたします。興味のある方の参考になれば幸いです。
●私たちは仕事に対して手段(対策)を考えて遂行することに多くの時間を使っています。特に組織の中で決められた仕事の役割分担をしていますとルーティンワークに時間を使います。やることが決まっているのでいちいちこの仕事の目的(ねらい)は何かなど考える機会がありません。
●決められたことを着実に間違いなく遂行すれば良いからです。その仕事を効率よくやろうとか、能率をあげることに創意工夫はしても、そもそもこの仕事は何のために、何をねらいとして行うかなどは思考の外に置かれます。
●ですから仕事の抜本的な改革はそこからは生まれません。それを考えるのはマネジメント職にある者の役割(仕事)となるのです。ところがこの役割を果たさないマネジメント職は、現状が大過なく遂行されることを管理するだけに陥ります。
●それでよしとされているのならそれまでですが、私は組織を活性化するのは、働くメンバーが組織の目的(ビジョンと数値目標)を理解し、各人の役割の中に目的(ねらい)を見出し、得たい成果に向かって「創意工夫」する働き方にあると思う者なんです。
●故にご縁のあった方々にはこの「目的を考えて、手段を創意工夫する」という仕事の仕方を提案し続けてきました。ですがこのことは理解できても、容易に実行されないことであるという実感も持っています。(難しいことなんでしょうね)
●日々の仕事が手段の連続であり、その手段も目的が曖昧なまま上から命令される組織では、そもそも目的(ねらい)は何なんだと考える習慣が持てないのでしょう。
●ですが、今後もこの考え方は提案し続けたいと思っています。手段はノウハウとして重宝されますが、「目的は自分たちで考えるしかない」ものですから、他の真似をすることはできません。
●トップマネジメントは「ビジョン」という自身の経験と志から生み出されるスピリットのこもった「めざすべき目的」として語らねばなりません。その事例が私の愛読するメルマガの著者、吉田繁治氏によって最新の無料版で公開されましたので紹介しておきます。(10月10日&12日)
●http://www.mag2.com/m/0000048497.html 「ビジネス知識源」無料版に登録してお読みください。最近有料版で配信されたものですが、東北の小さなスーパーマーケット「さいち」の事例で学ぶことができます。とても優れた内容です。ぜひご一読ください。タイトルは「価値ある商品づくりへのリーダーシップ」です。
●今回私が伝えたいのは、大型量販店ではない小売業の店長やそこで働くスタッフの方々を対象に想定しています。チェーンストアのように本部の指示どおりに業務を遂行することのみを求められる場合はあまり役に立たないでしょう。しかし、そういう組織で働いていても、本部からの指示の「ねらいは何か」を考えることは将来の役に立つことだとは思います。
●例えば私がよくお手伝いをしていた「携帯電話ショップ」では、VMDと言われる売場づくりという手段で、店舗巡回でよく質問をしたことがあります。「この陳列のねらいは何ですか」「このPOP広告のねらいは何ですか」と。
●その時、多くのお店のスタッフの方が答えに窮されたことがありました。「ねらい」など考えておられなかったのです。それは本部から指示書が来るのでそれを忠実に遂行する、時には本部の人が店舗に来て指示書通りにしていないと「指導」が入る、という状態でした。「ねらい」を確認する、共有する、自分で考えるなど考えられないのが実態でした。
●本部から来て、指示通りにしないことを指摘し、その通りすることのみに終始して、「ねらい」を共有するとか、やれていない理由を確認するとか、お客様の反応を確認するなどを行わないのは、いかがなものかと思ったものです。
●ですが、そういう状況でも自分たちに「お客様を見つめ」「反応を確かめ」「声を聴き」『何をすればお客様の満足を実現できるか』を考えれば、本部の指示以外にも的確な「ねらい」に基づく効果的な「手段」が生み出せるのです。
●そういう現場レベルでの目的(ねらい)を明確にする方法をお伝えしましょう。また手段は「方法」と「手順」にまで落とさないと「実行」が難しくなります。このことは後半でお伝えします。
●『目的(ねらい)を明確にする方法』
Step1:「最も伝えたいことは何か」を抽出する
Step2:対象とする「特定多数のお客様像」を想定する
Step3:伝えたい「その理由何か」つまり、相手にどのような反応、行動をしてほしいかを考える。
●この方法・手順で目的(ねらい)を考えれば具合的なイメージが出来上がるでしょう。ぜひチャレンジしてみてください。以下、続編では「手段(対策)を考える前に現状を」把握することの重要性」と「手段」に関するいくつかの基本となる視点を紹介します。以下次号で<完>
■プロ野球のポストシーズンが面白くて本欄への投稿が滞りがちです。筋書きのないドラマはワクワクします。MLBでは青木宣親選手の所属するカンザスシティー・ロイヤルズの快進撃が続いています。今朝も見入ってしまいました。日本では阪神と日本ハムが勝ちあがるでしょう。日本シリーズが終わるまでしばらくは目が離せません。(笑)
- 登録日時
- 2014/10/12(日) 11:32