▲サントリーの「オメガエイド」の通販チラシ広告の表面です。
解説は本文を参照ください。
【2014年10月のトピックス】
ストーリー型のチラシ広告に学ぶ
■毎日仕事柄、新聞折り込みのチラシ広告を見るのが愉しみです。平日はスーパーマーケットが中心、週末は家電量販店が中心に投入されています。私の関心事は業種・業態に関係なく各社がどのようにして売ろうとする商品の「必要性を喚起」しているかにあります。
●チラシ広告の目的はお店に対する「集客」なのか、「通販で申し込ませる」かのいずれかです。集客の場合は「品ぞろえ」(あるいは価値提案)×「価格」の訴求が主流です。通販の場合はそのチラシ広告によって電話で問い合わせるか、申込みさせることです。
●今回は通販型のチラシ2種類に注目しました。1つは「サントリーのオメガエイド」です。もう一つは「ECCジュニア」です。前者は商品そのものを通販で販売するのがねらいになっています。(テレビショッピングでの健康食品の販売と同じパターンです。)
●後者は近所の子供さん達に「英語を教えるECCジュニア」と「学力養成教室 まなビーンズ」のホームティーチャーの募集案内広告です。
●この2つのチラシを見ていて気づいたのはいずれも必要性を喚起し、買い気を高め、購入決定を促す『ストーリー型の構成』になっていることです。しかも私が研修などで情報発信の方法として提唱している2つのストーリーパターンにきっちり当てはまる事例になっていました。
●簡単な構成ですのでそれを紹介しましょう。私はこれらのストーリー型の情報発信を店舗販売のチラシや、店頭での情報発信(POP広告も含む)に使うようにアドバイスをしてきました。
●2つのストーリーパターンとは以下のようなものです。最初は、サントリーの広告から取り上げます。その構成は…次のようになっています。
①問題提起→②決策の提案→③効用の説明&ユーザーの使用体験→④無料試供品のオファー&申し込み方法という4段階構成になっています。
●この構成のポイントは最初のキャッチコピーで「こんな問題はありませんかと問いかけていること」です。サンプルをアップしておきますので詳細は上記の画面をクリックしてごらんください。ここでは対象とする特定多数の顧客に「あるある」という共感を呼び起こすキャッチコピーが必要です。
●この広告を見ながら私なんかは「思い当たることがあるある」と共感しました。(笑)
ここで「つかみ」に成功すれば次の「解決策の提案」を読んでもらえる確率が高まります。
●次に「解決策の提案」です。ここでのポイントは専門性の高い商品の内容をわかりやすく要点を絞って、ビジュアル表現を交えながら訴求することです。
●さらにその提案を「お客様にとってのメリット、ベネフィットに」に置き換えて表現します。今回の事例ではこの部分はやや明確ではありません。問題提起に対する決策である「オメガ脂肪酸」の解説を詳しく繰り返しています。
●その代り「お客様の喜びの声」で効用を伝えようとしています。ですがこの広告ではあまりインパクトのある内容ではありません。もっと効果を実感しているという内容にすべきですね。
●そして「無料試供品」の提供と申し込み方法、電話とハガキの両方で行動を促すように仕掛けてあります。「無料」については表面と裏面の両方で訴求しています。(繰り返し、多箇所展開の効果ねらいです)
●このチラシのキャッチコピーが優れているのは、表面の「この頃、人の名前が出てこない…。-実は、栄養不足かもしれません。」という問題提起が事例と共に現実的で、共感を得やすいものだからです。
●さらに裏面のキャッチコピーで「サントリーが着目した【オメガ脂肪酸】を無料で1か月間、試してみませんか?」と解決策をこれまた簡潔に述べられていることです。
●表現方法もイラスト、写真を使い文字も縦書きにして対象顧客に合わせている点です。配色も対象顧客層を想定したよくできたものです。
●次の「ECCジュニアの広告」は以下のような構成になっています。
①こういうことができますよという提案→②それはこういうことですよという解説→➂詳しい資料請求の方法、説明会の案内→④説明会の内容という流れです。②には先輩の主婦先生の体験談で先生になった動機やその後の効用が語られています。
ここでも売り手の説明を利用者の声で表現することで共感を得やすくしています。
●説明会に参加すれば「トートバックをプレゼント」するというオファーも付いています。
●この2つの広告の違いは、問題提起の有無です。解決策の提案以降は同じような構成です。特徴は①品の特徴を受け手のメリットやベネフィットに置き換えていること、それを②存の利用客の声で反映させていること、③オファー(ここでは無料やオマケ)を付けて行動を誘引していること、④行動への一歩を示していることです。
●このように1枚のチラシ広告を制作するにあたって、きちんと「構成」にもとづき『ストーリーを考えて創る』ことはとても重要です。読者の心理に沿って買い気を高める手法はいろんなところで活用できます。
●特に小売業の店頭で「必要性を喚起」する仕掛けのひとつとして、需要の創造、喚起に貢献してもらいたいと願うものです。<完>
■先週はいくつかの体験をしました。まずプロ野球のクライマックスシリーズで巨人が阪神にまさかの4連敗でした。不吉な予感はしていたのですが現実になりました。今年のペナントレースの優勝を見ていて「終わりの始まり」を感じていました。
●ファンとしての思い入れが強いほど「感が働く」のです。相当テコ入れをしないと来年はペナントレースで優勝できないでしょう。改革への良いきっかけにしてもらいたいですね。
●兵庫芸術センターにてPACの10月定期演奏会に出かけました。メキシコ人の若い女性指揮者が登場しました。パンフではわからなかった美貌とスタイルの持ち主で、颯爽とした指揮ぶり、きびきびした行動に魅せられました。
●メキシコ音楽もさることながら、リムスキー・コルサコフの交響詩「ジェラザード」がこんなに魅力的な音楽かと再認識しました。初めて演奏会で聴く機会を得ましたが素晴らしい。アナログレコードは持っていますがCDは見当たりません。早速購入です。必要性を刺激されました。
●帰りの阪急電車で若い女性に今年2度目となる「席を譲られそうになりました」2人連れの友達同士なのでしょうか、1人が素早く立って「どうぞ」と言いながら友達にも促していました。
●ところがその娘はちょっと不満そうでしぶしぶ立ちそうだったので、私が、「いいよいいよ」と最初に立った女性の肩に手をやりながら座らせました。「ありがとう」は出ませんでした。私の心は「おいおい俺は爺さんに見えるのかよ」と尋ねたい気持ちでした。(笑)
●すぐに次の駅でその娘たちの隣の方が降りられたので座りました。10分ほどで三宮駅に着いたので、席を譲ってくれそうになった女性の肩に手をやり「ありがとうね」と声を掛けて降りました。一瞬ですが素敵な笑顔を返してくれましたので、私も自然に笑顔が出ました。お礼を言って良かったですね。
●最近の若い人は「年寄に席を譲る」というマナーが備わっているのでしょうか?偶にそういう光景を見るのは微笑ましいのですが、自分が譲られると複雑な気持ちになります。
●譲った方も「断られるといい気持ではないでしょう」。次からは素直に「ありがとう」と言って座るべきでしょうね。三度目があればいよいよ爺さんの自覚が必要になるでしょう。(笑)<完>
- 登録日時
- 2014/10/22(水) 16:28