▲散歩しながらキョロキョロしています。美しいと思わずカメラを向けました。何の花か知りません。
【2014年11月の雑感②】
私の好奇心を駆り立てるもの
■雑感①を書いたところ効果てきめん、最近私の好奇心を駆り立てた話題を書く気になりました。
●私の研修では「購買心理の5ステップ」とともに紹介するのが、人間にはモノやサービスを購入するときに『好奇心』『依存心』『打算心』が働くというものがあります。
●購買心理の5ステップとは、人はモノやサービスを購入するときに、
A(注目)I(興味)D(欲望)C(確信)A(行動)というこころのステップをふむという理論です。
●これは店頭販売における購買心理の流れであって、最近はネット販売ではA(注目)I(興味)S(検索)A(行動)S(共有)という理論も紹介されています。ダイレクトマーケティングではPASONAの法則(これは売り手の手段の流れ)というのもありました。
●こういう理論に触れた時、わたしはそれらは「現象」を説明しているに過ぎないと思っています。そもそも人間にはどのような「こころの働き」があって、モノやサービスを購入しようとするのか、それにいかに働きかけるのかを考えることを重視します。
●それが「好奇心」「依存心」「打算心」というわけです。
●このことはまた別の機会に本欄で取り上げたいと思います。今回は「私の雑感」を好き勝手に書くのが主旨ですから、最近の私の「好奇心」を刺激した体験を2つほど紹介します。
●最初は朝日新聞の朝刊に連載されている林真理子さんの小説「マイストーリー」から。11月2日付の第180回。自費出版の依頼をしてきた若い未亡人由貴のもとを主人公太田とゴーストライター高木が訪れた時の会話のシーンです。
●由貴のセリフシーンから抜粋。「あら、太田さんを責めないでくださいね。私が無理やり聞き出したんですよ。だってそういうことって、教えてくれないとものすごくモヤモヤするでしょう。だからお願いしますってしつこく頼んだんですよ。それに、私みたいな田舎のおばさんに教えたって、どうっていうことないし」
●最後の言葉はあまりにも空疎に聞こえた。本人が全くそんなことは考えていないとばかり、突然早口となったからだ。おそらくこの言葉は、「そんなことはないでしょう」と対語になっているに違いない。が、それを発するには太田はいささか疲れていたし、高木は初対面であった。ほんの短い時間であるが、沈黙があたりを満たした。<続く>‐ここまで引用。
●思わずどこかで体験したことがある…、それにしても林さん上手いなァ、こういう記述があるから私は共感し、読みたくなるのだ。そういうのは私の下衆な好奇心のせいだろう。ですが林さんの小説にはこのリアル感のある記述がちりばめられるのでやめられません。
●この後も由貴の会話に、「間の抜けた質問をする」とか「無理やり会話を打ち切るようなことを言って」など辛辣な表現が出てくる。この小説はおそらく300回ぐらいは連載されるだろうからまだまだ愉しみです。林さん頑張って。(笑)
■2つめの話題は大相撲九州場所の私の「ひそやかな愉しみ」についてです。
プロ野球が終わってしまい、日々の楽しみが消えたのですが大相撲九州場所が始まり2週間は安泰です。
●横綱白鵬の32回目の優勝なるか、怪物くん逸ノ城の活躍は、幕下から復活してきた栃ノ心はどのように甦ったか、見どころ満載です。そんな九州場所ですが、私には別の密やかな愉しみがあります。
●それは昨年の九州場所から始まったのです。テレビを見ていると西の花道沿いの席に毎日、「和服美人」が映っているのを発見したのです。全部見たわけではないのですが、12日間ぐらいは見ました。
●その女性はおそらく毎日観戦に来ておられたと思います。しかも私が見た日は着物を毎日替えられていたのです。お顔は相撲を観戦されるのがぴったりと思われる古風な顔立ちの美人です。他の観客から浮き上がって見えオーラが出ていました。
●あれから1年、今年はどうだろうかと初日にテレビの画面を探しましたが同じ席には見当たりません。今年はお見えにならないのかと少しがっかりしましたが、ところが居ました。(笑)
今年は土俵際の溜り席に座っておられました。しかも正座じゃないですか。
●向こう正面の左寄り、今年も着物姿です。凛としたたたずまい。昨年と変わらぬ容姿です。いいねと安心しました。
週刊誌の記者なら「あの和服美人は誰だ」なんて記事を書くのではないかと思います。(笑)それにしても溜り席は14,800円、15日間では22万円強です。
●何をしている人かわからないからいいんですがね。資産家の奥さんか、オーナーか経営者か、下衆の勘繰りは止めて相撲を愉しみながら合間に映る和服美人も鑑賞しています。初日はご当所大関の琴奨菊の勝利に拍手をされていましたな。
●好奇心には崇高なものもありますが、私のような下衆なものがあるのも事実です。商売の多くがこのような人間の好奇心を刺激し、唆してモノやサービスを提供し、対価を得て成り立っているのですから。<完>
- 登録日時
- 2014/11/12(水) 14:22