▲「樹氷」です。私の知人が送ってくれました。枯れ木も雪化粧があれば美しく見えます。私が住む神戸は大寒が過ぎましたが雪景色は見られません。寒さもあの12月を体験したせいか堪えなくなりました。ヒートテックのインナーウェアで血行が良くて元気です。来月からの花粉の方が心配ですね。
【2015年1月のトピックス➂】
大河ドラマ「花燃ゆ」のセリフから『知行合一』
■先週のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」の第3回目を観ていると、吉田寅次郎(松陰)が妹のふみに熱いセリフを述べるシーンがありました。その中に「知行合一」という単語が出てきました。
●30年以上前ですが、サラリーマン時代に夕刊フジだったか日刊ゲンダイかは定かではないのですが、この言葉とその意味を解説した記事を読んで大いに共鳴しました。その後年賀状にも書いた記憶があります。
●その意味は、知ることと行うことは分離不可能とする考えです。中国の明の時代に、王陽明という人が起こした学問である陽明学の命題のひとつです。
「知って行わないのは、未だ知らないことと同じである」という『実践重視』の考えを主張したものです。
●ネットの「コトバンク」では次のように解説されています。
「中国、明の王陽明が提唱した知識と行為に関する基本命題。朱子や陸象山らのいわゆる『知先行後』説に対するアンチテーゼ。例えば寒いという知識が寒さの体験と不可分であるように、『知』はすべて『行』を通して成立する、もしくは『行』を通してしか『知』は成立しえないという論理」
●あたりまえのことのようですが、当時の私は「知が先行」していて、なかなか思ったことが実現できないというジレンマに陥っていました。30代からスタッフ部門で全社の改革をめざすプロジェクトの事務局などを担っていました。
●パートナシャフト経営、小集団活動(仕事研究集団づくり)&組織開発、戦略的全員経営など大掛かりなプロジェクトでした。ですがコンサルタントの先生の指導による理論先行で、私が実態を変えていくには力不足だったようです。
●そんな時に知ったこの四文字熟語は私の戒めとなりました。実際には社内力学、社内政治、現場の反発などを乗り切ることができなかったように思います。それは知識だけでは人を動かせないという当たり前のことに気づくのが遅かったからでしょう。
●ですが、志を大きく持って目標達成に向けて実践から学び、学んだことを実践に活かす、そしてそこからまた学ぶということは30代後半にようやく半分くらいは体得できたように思います。
●全社運動の最中に、教育担当であった自部門を「教育センター」から「販売推進部」と名前を変えて、現場に密着するスタッフとして取り組んだこともあります。この経験は良かったと思っています。
●その時のキャンペーンでは、進捗がはかばかしくない店には、推進担当を研修所に夜だけ集めて「未達成部門V字型回復合宿」と銘打って2泊3日で睡眠時間5時間の対策会議を勉強会の名目で行ったことがあります。
●参加者の中には反抗的な人もいましたが、ひるまず「知行合一」の精神を説いて、一過性ではなく今後のキャンペーンでも成果を出し続けられるにはどうすればよいかを考えてもらいました。(当時は考えさせたという態度だったと思います。笑)
●その後、すべてが上手くいったわけではありませんが、社会人の教育は教室だけで行うものではないという信念ができました。教室では基本的な考え方(デジタル機器のOSにあたるもの)は学べるが、現場適用となるアプリケーションはより現場に近づかなければ有効に身につかないと思います。
●私のコンサルタント生活では、集合研修のご依頼も多かったのですが、1回限りでないクライアント様には必ず「現場指導」と「その後のフォロー」を入れていただくようにしました。
●それでも振り返ると、「知って実践する」「実践から学ぶ」は【言うは易し、行うは難し】を実感することが多かったのも事実です。それは導く立場の私の力量不足に他なりません。
●ですが『知行合一』を意識していた私が一番「学びが多く、深かった」ように思います。今頃そういうことを言うと機会を与えてくださったお客様に対して申し訳ないという気持ちにもなります。
●その反省を踏まえて私が学んだ分野について、今後は本欄でも気づいた着眼点や手段・方法をできる限り紹介していきたいと考えています。
■今年の大河ドラマは視聴率が15%前後と低調のようです。どうも安倍総理に配慮したような内容だと疑うのですが…。それと視聴率は関係ないでしょうが。
日本国を変えなければいけない、外国からの脅威に軍事的な準備が必要だと吉田寅次郎に語らせ、若者にもっと海外に出よとか、女性の活躍を「ふみ」を通して描くなど見え見えではないでしょうか。
●どのような娯楽作品にも「ねらい」があるはずです。私がこのドラマのねらいを憶測するのも、それを見極めようとする愉しみのひとつだからです。<完>
- 登録日時
- 2015/01/23(金) 10:12