▲ムラサキシキブの花。あの紫式部さんの名前が付いた花です。花言葉は「上品」「聡明」「知性」そして「愛され上手」です。
【11月のトピックス①】
神戸大学 小川 進教授のマーケティング基礎講座の講義映像の紹介<1>
●ブックマークしている神戸大学経営学部のホームページを閲覧していた時に見つけました。「ディマンドチェーン」や「クリティカルシンキング」の著書を読んだことのある小川先生の記事がありました。
●動画URL【神戸大学のホームページより】
本研究科の小川進教授がマーケティングの基礎について5回シリーズで講義されている動画を更新されました。YouTubeにて下記の各URLより無料で視聴できます。
第1回 https://www.youtube.com/watch?v=JTyJGBauchY
第2回 https://www.youtube.com/watch?v=MLDWvmIr1j0
第3回 https://www.youtube.com/watch?v=KHYz0ZgZ1pE
第4回 https://www.youtube.com/watch?v=VZh1_UDvaAE
第5回 https://www.youtube.com/watch?v=7K4rPt35j2U
●9月ごろに公開された映像のようです。神戸大学経営学部教授の小川進先生の『マーケティング基礎講座』です。対象はマーケティング理論を勉強したいという初心者を想定されているようです。巷には入門書は数多くありますが、この5回の無料動画講義を見ればさらに理解は深まるでしょう。
●こういう基礎講座を学ぶ意義は売れる販売方法等の手段(打つ手)を考える時に、①その目的(ねらい)は何かを考えることの重要性を知ること。②実行するときは1つの手段に集中することが必要ですが、その場合も全体像(関連する要素)を知っておくこといついて理解することです。
●実務でたたき上げている者にとって(それが普通のビジネスパーソン)の問題点は、目的と根拠を忘れがちになること、一面的な思考から生まれる手段に偏りがちなことです。このことは自分自身も含めて多くのビジネスパーソンから学びました。
●ですから忙しいビジネスパーソンこそ、この映像で基本から学び、ご自分の仕事につなげるための考えるヒントにしてください。教科書はあなたの仕事における具体策は教えてくれません。当然ながら自分で考えるものです。その思考を効果的にするためにぜひこの映像をご覧のうえ参考にしてください。
●視聴時間は1回当たり12分から20分前後です。私の視聴方法はまず1回目はメモをしながらざっと見ます。2回目はゆっくり慎重にメモを見ながら観ます。メモの内容で補強すべきところは補強します。その場合ノートにはあらかじめ余白を十分にとっておいて、後から自分の思考を記入できるようにします。私の実務はコンサルティングでしたから、当面仕事をしていた業界を想定してアイデアを考えます。
●それ以外は、この講座がどのような①内容、②構成で作られ、➂対象は誰を想定しているのか、④ねらいは何か、⑤事例の効果性などを考えます。また⑥問題提起の仕方(質問の内容)を学びます。⑦知らない言葉が出てくればその都度その意味をネット検索で調べます。
●このようにしておよそ60分から80分で1講座を学びます。仕上げは①対象は誰か、②ねらいは何か、➂全体の構成とストーリーはどのようになっているか、④初めて知った用語の意味は、⑤事例の吟味(自分の仕事に活かせることは何か)等でまとめることです。
■では第1回についてまとめてみましょう。ぜひ映像をご覧になってからお読みください。
最初に小川教授からこの講義で目指すものが4つの項目で話されます。これが本講座のねらいにあたります。それを掲げておきましょう。
●この講座がめざすものは
①マーケティングの基礎(マーケティングの教科書ならどの本にも書いてあること)を学ぶ。
②テクニックではなく本質的な考え方を学ぶ。
➂経営現象の本質を解像度高く理解する見方を身につける。(解像度高くとは学者らしいユニークな表現ですね)
④マーケティングの専門家になっても、いつでも戻ってこられる思考の原点になる考え方を学ぶ。(これは初心者だけでなく経験十分な方にも学ぶ価値があるとおっしゃっているようです)
●次に本講座の内容の構成は全5回を通じて次の3つを学ぶことです。
①マーケティングの原点
②マーケティングで大切なこと
➂マーケティングの打ち手
●第1回では①のマーケティングの原点を学びます。
小川教授はP・F・ドラッカーの言葉を引用して「マーケティングの定義」(ねらい)を述べられます。それは…、マーケティングとは有名な『顧客の創造』であるということです。
●そして顧客の創造は、マーケティングとイノベーションによってもたらされると言われます。(これはお聞きになった方多いと思います。)昭和の時代からドラッカーによって提唱されてきた言葉ですね。
●ここで小川教授は聴き手に質問をします。「昭和の時代に無かったもので平成になって普及したものには何がありますか?」という問いです。映像ではいくつかの事例があげられますが、読者の皆さんの業界では何があるでしょうか?
●講座で揚げられたものは①携帯電話 ②自動掃除機 ➂自動食器洗い機 ④様々なアプリでした。通信業界ではこの5年ぐらいで携帯電話がスマートフォンになりつつあります。
それにタブレット端末、家電製品では液晶テレビの進化(4Kテレビ)やブルーレイレコーダーですね。照明はLEDへ、翅のない扇風機、電子書籍など、食品では生めんに近い袋麺、航空業界はLCCの普及などがあります。
●他ににも何があるのか考えてみてください。
●ですが多くのビジネスパーソンにとっては自分が属する業界、自社の製品でどのような変化があったかを知れば良いでしょう。そこで思考を広げるヒントを・・・、ここで挙げられた事例は、あくまで単品です。後で小川教授も述べられていますが製品のイノベーション(革新)が中心です。
●ですが昭和から平成へのイノベーションは製品単品だけではありません。製品+関連商品+ソフトウェアというように「単品完結型製品」から「発展型製品」が増えました。パソコンが代表的な商品群です。
●また、ユニクロやニトリ、西松屋のように製造小売業型が送り出す商品が中品質と低価格の両方を実現するトレードオン商品が普及しました。
●さらに「売り方」のイノベーションとして上記の製造小売業の躍進、食品スーパーの惣菜売場の増加、1人暮らしへの対応商品の増加などマーチャンダイジングに大きな変化が見られます。
●売り方ではネット通販の普及も昭和の時代から比べれば大きな変化でしょう。ダイレクトマーケティングのノウハウが飛躍的に進歩しました。今後はリアル店舗+ネット通販が顧客の安心と信頼を獲得していくのではないでしょうか?
●第1講座の最後に小川教授が紹介されているコンビニエンスストアの発達も目を見張るものがあります。店舗数の増加のみならず24時間営業の普及はコンビニが多様な人々の生活に欠かせないものになっています。
●これらのイノベーションにかかる「費用」はマーケティングに使うものである限り、顧客の創造につながるものであると言っておられます。単なる費用ではなく顧客の創造につがるマーケティングへの費用(投資)が重要だということです。以上が第1講座の概要と私の解説です。
次回は第2講座について一緒に勉強していきましょう。<続く>
- 登録日時
- 2015/11/20(金) 10:14