▲彼岸花。この写真は知人からの贈り物です。私の近所ではまだ見つけていません。台風が過ぎ去ったら散歩の足を延ばして見つけようと思います。
【2016年9月の雑感①】
『暑さ寒さも彼岸まで』のころに思うこと
■今日9月20日(火)の午前、外は台風16号が近づいているのか風雨が強まっています。こういう空気は好きです。安全地帯でじっとしていて台風が過ぎ去るのを待つだけの時間。急に文章を書いてみたくなりました。
●今回は誰かの役に立つためとか、何かを伝えたいという強い動機があって書いたものではありません。ただ思いつくまま書き始めたものです。興味のある方のみご笑覧ください。
●小学生のころ粗末な一軒家に住んでいました。父は病気で入院中。母と妹2人の4人暮らしでした。ある時台風がやってきて母に座布団を頭にのせられ紐でくくられました。周りに妹たちが居たかは記憶にありません。(おそらく居たのでしょう)
●外の風雨が強まり、家の障子の窓の紙が風でめくれていくのを鮮明に覚えています。そのシーンだけが私の記憶に刻まれたのでしょう。その時の気持ちがどうであったかは覚えていません。じっと正座して障子の紙がめくれていくのを見つめていました。記憶はそこまでです。
■今朝も午前6時20分に散歩とラジオ体操に出かけました。家を出た時、雨は降っていなかったのですが、5分もすると雨が降り出しました。公園には屋根のある部分があるのでそこでラジオ体操です。
●ここに集まる人たちは雨が降ろうが風が吹こうが結構居ます。私もそのうちの一人です。私はまだ1年2か月ですが、10年以上の方もおられます。何か会をつくっておられ出席スタンプを取られ出席数に応じて表彰もされています。
●私はその会の中に入りません。スタンプも押してもらいません。できる限り孤高を保つようにしています。人と交わるのが億劫なのです。病気の話もしたくないのでマイペースを貫いています。(笑)
●ラジオ体操が終わると自分なりのミニ運動をしてから散歩ですが、今日は運動だけで帰りました。風雨が強くなってきたからです。10分弱の距離ですがずぶぬれになってしまいました。ですが出勤しなくてもよいのですから、昔に比べれば楽なものです。(笑)
■この前にブログを書いてからはや1か月近くになります。オリンピックが終わってプロ野球に注目していましたが、わが巨人軍のふがいない戦いぶりに意気消沈でした。25年ぶりの広島カープの優勝は祝福しますが、もう少し苦しめて接戦に持ち込んでもらいたかったですね。
●最近はテレビ観戦もパスしてスマホで時々チェックしています。9月に入ってチーム状況はさらに悪化しており、首脳陣、選手のふがいなさにあきれるばかりです。これではCSなどに出る資格が無いように思えます。
●初めてCSに進出を決めた横浜ベイスターズに譲った方が良いでしょう。シーズン初めの野球賭博問題からケチがついており、新人監督では昨年以上のパフォーマンスは無理だったのでしょう。
●来季に向けて課題を明確にして、強みを伸ばし、弱点を改善しなければ来年も広島カープの優勝でしょう。差は詰められるかもしれませんが(あるいは凋落するか)相当な覚悟を持って対策を実行しないとまた私と巨人ファンをがっかりさせることになるでしょう。
●私が生きているうちにもう一回優勝し続けられるようなチーム作りをしてもらいたいものです。その時まで頑張って生きなければと思っています。(笑)
■もうひとつ大相撲の稀勢の里のふがいなさに肩を落としています。何度目でしょうか、彼が横綱になろうとなかろうと私の人生に影響はないことなんですが、できればなってもらいたいと思っている一人です。
●今日は10日目、難敵の大関琴奨菊戦です。もう一敗もできない状況ですから「開き直って」行くしかありませんね。ここ一番で緊張するのは仕方がないことですが、勝負の世界で生き抜くにはそれを克服しなければなりません。頑張ってもらいたいものです。
■今日のNHK Eテレの知恵泉では幕末の長州藩士「大村益次郎」が取り上げられます。実はこの春、司馬遼太郎さんの「花神」(新潮文庫版全三冊)を読んでいてノートにメモをしています。
●当時としてはめずらしい論理的思考の持ち主です。司馬さんの小説では村田蔵六と呼ばれた時代に物語が割かれています。豆腐で一杯やるのが習慣だった幕末の軍事・技術革命児の思考と行動は現代に生きる私たちのヒントになることが沢山ありました。テレビ放送が終われば(来週と2回に亘る予定)私の感想を記述します。
■この夏から9月にかけて久しぶりに数冊の小説を読みました。最初は久々の大沢在昌の「ライアー」(カッパノベルズ)です。普通の主婦が殺し屋という設定が興味深かったですね。いつもどおり一気に読み切りました。大沢の作品は新宿鮫シリーズなどよく読んでいるので、構成が予測出来て安心して読めます。
●次が島田荘司の「星籠の海 上下」(講談社文庫)です。氏は本格推理小説(探偵小説か)の大家で50冊以上は書いておられますが、私は初めて読みました。かなり期待していたのですが、あまり驚かなかったですね。映画化されているのでBDのレンタルで愉しみます。
●次も初めての作家、柴田哲孝の「国境の雪」(角川文庫)です。800P近い分厚い文庫本です。2010年から2012年当時の北朝鮮、中国、アメリカ、日本を舞台にしたスパイ逃亡小説でしょうか。
●金正日、温家宝、オバマなど実在の人物にスポットライトをあて、当時の直面する政治状況をつぶさに物語ってくれます。主幹となるエピソードは事実に基づくと作者は言っています。
●あ、そういうことだったのかというエピソードが満載で主人公たちの逃避行よりそちらの情報に興味津々となる小説です。北朝鮮と中国の関係が垣間見られる内容です。私にはその情報が興味深かった面白い小説でした。
●最後は船戸与一の大作、「満州国演義」第7巻から9巻の三冊(新潮文庫)です。実はこの著作は昨年の夏前から13か月に分けて発売された全9巻のうちの最後の3冊です。
●私はこの9冊をハードカバー版で持っています。ところが最初の3冊は発売と同時に読んでいたのですが、残りの6冊は毎年1冊の刊行時に買って本棚に飾っていました。2015年2月にハードカバー版の最終巻が発売され、7月から文庫本の配本が始まりました。
●ハードカバー版を持っていながらなぜ文庫本も買ったかというと、各巻に書かれた解説を読みたかったからです。解説は著書のクロスレビューの役割を果たしてくれて、このような大作の読み方にさまざまな視点を与えてくれるからです。
●この方式で愉しむのは同じ満州国を舞台にした五味川純平の「戦争と人間」(三一書房、絶版)以来です。こちらは人生で3回も読んだ唯一の本です。この時の文庫版の解説は全て実に素晴らしいものでした。
●今回の船戸作品の文庫版の解説も参考になりましたが、私にとっては感銘度にバラツキがありました。それでもこの本のおかげで日本の近現代史に対する興味と関心を喚起されたことは事実です。
●仕事をしている時は日本の歴史も先の戦争のことにも大きい関心は持てませんでした。余生を送るようになってようやく知り、考えるようになってきました。済んだことは変えることはできませんが、再び同じ過ちを繰り返さないためには歴史に学ぶ必要がありますね。
●船戸氏は随分と前から「がん」を患っておられ、本書を書き上げたのち4月に亡くなられました。素晴らしい精神力です。命を削っての執筆だったでしょう。解説の一人がもう少し養生してもらいたかったと書いておられますが、ご本人はこの作品を仕上げることが本望だったと推察します。
●五味川作品、8000枚、船戸作品7500枚といういずれも大長編です。私は読み切りましたが、もう一度読む機会が訪れるのだろうかと嵐の中の静けさのなかで思いを巡らせています。<完>
- 登録日時
- 2016/09/20(火) 14:03