【2016年12月の雑感①】
▲アンスリウムの花。花言葉は「煩悩」「恋に悶えるこころ」とありました。中でも赤い花は「情熱」だそうです。懐かしい思い出です。
さらば『鬼平犯科帳』
■先々週、12月2日(金)、3日(土)の2夜に亘ってフジテレビ(関西テレビ)系で時代劇「鬼平犯科帳」ファイナルが放送されました。レギュラーシーズン版はすでに終わっており、近年は年に1回スペシャル版が放送されていました。
●それも今回でおしまいということです。夜寝るのが早いので録画をして観ましたが、「終わってよかった」というのが率直な感想です。理由は話の内容が原作者池波正太郎氏の意向でオリジナルは禁止という遺言のため、いつか観たことのある話の繰り返しになってきたからです。
●それに主演の中村吉右衛門をはじめ主要な役者が歳を取り過ぎて観るに堪えられなくなってきたんですね。吉右衛門の長谷川平蔵は当たり役ですが若き日から中年のころの颯爽とした風貌、立ち回りが観られなくなってきています。
●奥方役の多岐川裕美、密偵おまさ役の梶芽衣子さんも美しいのですが若き日の美貌にはかないません。小房の粂八役の蟹江敬三、相模の彦十役の江戸家猫八も物故に入られその姿を観ることができなくなっています。
●「そろそろ潮時だな」と思っていましたので惜しくはないですね。録画した映像も残すのではなく観終わるとすぐに消しました。(笑)ただエンディングテーマ音楽のジプシー・キングスの「インスピレイション」はお気に入りなので、レギュラーシーズン版第9シリーズの最終話(第4回)の再放送を同時期にBSフジで放送していましたので録画しました。いいですね哀愁を帯びたこの音楽は。
●尚、ファイナルの紹介は以下のURLを参照されれば読むことができます。興味のある方はどうぞ。
●http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2016/160902-i230.html
http://www.fujitv.co.jp/onihei/info2.html
■鬼平犯科帳の良いところは、今回のスペシャル版でも2作品に共通していた、長谷川平蔵の厳しい火付け盗賊方長官としての『正義感と責任感の発揮』です。職務を全うしようという意志の裏付けになっているのが正義感です。悪党を相手の取り締まりですからこれが無くては務まりませんね。
●それとどのような仕事にも必要な責任感の発揮です。悪党にも知恵者がいます。平蔵たちの裏をかいて残忍な仕事を遂行する奴らがいます。未然に防げないことがあります。また大事な部下を失うこともありました。その責を負うべく上司の京極備前守への報告も怠りません。
●いつもお役御免の覚悟で報告をしながらも役務を果たす責任感は並々ならぬものがあります。芝居ですから必ず解決して大団円を迎えますから結果責任は果たしています。現実には未解決事件もあったのではないでしょうか?
●この正義感と責任感は現代の私たちの仕事でも重要なファクターでしょう。
ですから多くの普通に働く視聴者の共感を呼ぶのではないかと思います。まともな人間なら理想とする心意気ですから。
●長谷川平蔵のたぐいまれなるリーダーとしての行動を支えるのが部下たちと密偵たちのチームワークです。どの話でも1人だけで活躍することはありません。必ずチームワークが発揮されます。
●そのチームワークは部下たちの情報収集力とそれを聴いて判断する平蔵の知力と決断力が見どころですね。それに平蔵は自らも現場に足を運んで調査することもしばしばみられます。事実情報を基に推測する、推理する、そして対策が決まれば果敢に行動する胆力も備わっています。これも仕事をするうえでの基本です。
●平蔵は理想的なリーダー像として描かれています。このあたりも人気の秘密でしょうね。自分を振り返ってみると反省することが多々あります。ですが仕事をバリバリやっていた時はテレビを見る間も少なく鬼平犯科帳など観たことがありませんでしたからね。(笑)
●もう一つ長谷川平蔵の魅力は「罪を憎んで人を憎まず」の精神をしばしば発揮することです。ファイナルの2作品でも若村真由美さんが演ずるお吉と中村嘉葎雄さん演ずる鍵師への「おめこぼし」のお裁きがほっこりした気分にさせてくれます。
●厳しさとやさしさを併せ持った鬼平こと長谷川平蔵のテレビでの物語は終わりました。ところがBSフジでは毎週月曜日午後7時から第4シリーズから再放送が始まりました。(笑)さらに地元のテレビ大阪では月から金の平日の午後3時から放送が始まっています。いいね。
●そこには壮年期の吉右衛門が演ずる長谷川平蔵が居ます。女優陣も若くて美しいですね。亡くなった密偵役の人々も甦ります。さらにはゲスト俳優の若き日の姿が見られるのも楽しみのひとつです。昨日は柄本明さんが「むっつり十藏」で、同心役で若き日の姿を見せていました。なかなかの熱演で物語にもひきこまれました。(笑)
●「鬼平犯科帳」と中村吉右衛門の長谷川平蔵はテレビでは永遠に不滅かもしれませんね。<完>
- 登録日時
- 2016/12/15(木) 10:06